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48. サッカーU-23アジアカップ開幕!開会式&日本代表初戦レポート

伊藤 卓巳

伊藤 卓巳

ウズベキスタン特派員

更新日
2022年6月4日
公開日
2022年6月4日
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サローム(こんにちは)!

サッカー好きの私にとって、胸躍る大会がここウズベキスタンで開催されています。23歳以下のアジア王者を決める、AFC U-23アジアカップ2022です! われらが日本も、2年後のパリ五輪を見据えて21歳以下のメンバー(U-21日本代表)で参加しています。

サッカーファンにとって日本代表、しかも国外アウェーの試合を観戦できるなんてなんと幸せなことでしょうか。数万人のファンで埋め尽くされる国内ホームの試合も当然盛り上がるのですが、日本を離れてアウェーの地で戦うサムライブルーの戦士たちを応援するのは、本当に心震えるもの。幸いなことに、この若き日本代表とUAE(アラブ首長国連邦)が戦ったグループリーグ初戦を観戦できたのでさっそくレポートします。その前に、開会式とそれに引き続いて行われた地元ウズベキスタン戦も観戦したのでまずはその模様からお知らせしましょう。

ワールドカップやオリンピックといった国際舞台にはまだ立っていないものの、強豪国入りを目指しているウズベキスタンにとって、この大会は国の威信がかかった大会でした。6月1日(水)の20時から、タシケント市内中心部のパフタコールスタジアム(詳しいスタジアム情報は以前執筆した記事 36. ウズベキスタンでサッカーを見よう!タシケントの強豪パフタコール戦を観戦 をご覧ください)で行われた開会式を見てもその気合の入りようをひしひしと感じました。

まずは特設スクリーンでの出場国16ヵ国の紹介とともに、青・白・緑の国旗カラーで彩られた踊り子たちが妖艶に踊ります。

そして魅力あふれるウズベキスタンの紹介ビデオが流れます。ピッチではこの大会の主催機関、AFC(アジアサッカー連盟)の人文字。その後はU23の人文字も登場しました。一糸乱れぬ動きに見入ってしまいます。

今度はウズベキスタン伝統楽器の巨大な笛カルナイと、太鼓ドイラを持った奏者が登場。そしてピッチ中央には巨大な太陽が出現しました。

最後にこれまた大きな各出場国の国旗が持ち込まれ、スクリーンではウズベキスタンやアジア諸国のこれまでのサッカーの栄光シーンが映し出されます。そして豪華絢爛な花火で締めるという内容。主催国ウズベキスタンのよさを際限までアピールできた、すばらしいセレモニーでした。

続くウズベキスタン開幕戦では、同じ中央アジアのトルクメニスタンと対戦。この大会でウズベキスタン戦は無料開放されているということもあり、スタジアムは3万人弱の現地ファンで埋まりました。

選手入場時にはウズベキスタン国旗のコレオグラフィー(紙で作る人文字)が出現。これを見て奮い立たない選手はいないでしょう。

しかしながら大勢のファンの前で選手たちが緊張したのか、格下トルクメニスタン相手に攻めあぐね、なかなか得点までたどり着きません。結局後半に獲得したPKの1点を守りきって、ホスト国の面目を保つ勝利。喜びまくるファンたちとともに帰路に着いたのでした。

そして2日後、われらが日本代表の初戦。ウズベキスタンの地で日本代表の試合が見られるなんて二度とないかもしれないチャンス!ということで、私と妻を含む在タシケント邦人がパフタコールスタジアムに駆けつけました。私たちが集まって観戦したのはメインスタンドで、日本人の数は30人ほどでしょうか。

なおチケットの価格は1万~5万スム(2022年6月現在のレートで約100~500円)。国際大会とは思えないほどの安さです。

日の丸を掲げて皆で歌う君が代。感動の瞬間です。
おなじみブルーのユニフォームで戦う日本代表

もともとほかの代表チームより2歳若い年齢制限で望んでいることもあり、さらに初戦という緊張もあってか選手の動きは固めでUAEに押され気味の前半。私たちはその選手たちを後押しするよう応援あるのみです。私は甚平(一着しか持っていない日本代表ユニフォームは妻に渡してしまったのです……)を着て日の丸はちまきをつけ、ウズベク太鼓のドイラを叩く、という周りから浮きまくりのスタイルで応援していましたが、ドイラの音は選手に届いていたでしょうか……。

この時期はA代表のブラジル戦ともかぶっており、日本からわざわざ遠征に来られるファンはいらっしゃらないんじゃ……?と思っていましたが、バックスタンドには数名の日本人サポーターが声を張り上げて応援していたので、後半はそちらに向かうことにしました。Jリーグサポーターを中心とした少数精鋭部隊で、なんとつい昨日ウズベキスタン入りしたばかりの方も。日本からわざわざウズベキスタンまで、しかもドラムや立派な横断幕まで持ってこられるとは頭が下がります。

後半に入ると怒涛の展開が待っていました。まずはクロスから相手のクリアミスを突いて鈴木唯人選手が技ありゴール! しかし直後に追いつかれ、その後さらにPKまで相手に与えてしまいます。
ここで立ちはだかったのが、守護神のGK鈴木彩艶(ざいおん)選手。絶体絶命のピンチを救うビッグセーブ! バックスタンドから送ったザイオン! ザイオン!というコールが届いたのかもしれません。。

そしてこのPKストップをきっかけに日本がリズムをつかみ出し、残り15分で藤尾選手のクロスから細谷選手がドンピシャヘッド! これがゴールネットを突き刺さり2-1と勝ち越し、このリードを守りきってそのまま試合が終了。先制直後に同点、さらに相手にPK……となんでもありの展開でしたが、とにかく勝って本当に何より。勢いのままに突き進む、いかにも若武者らしいチームなのかもしれません。

試合後、絶えずコールとチャント(応援歌)を送っていたバックスタンドへ、そして在ウズベキスタン邦人が集まったメインスタンドへ選手が一礼。私たちもニッポン! ニッポン!のコールと拍手で出迎えましたが、激闘を終えた選手たちの姿を間近に見ると少しうるっときそうになりました……。とはいえ今はまだ1戦目、あと最低2試合はあるのですが。

そう、6日はサウジアラビア戦、9日はタジキスタン戦と、ここ灼熱のウズベキスタンでハードなスケジュールで試合は続きます。そしてグループリーグ2位以内に入ると、決勝トーナメントに進出してさらに試合は続きます。私もできる限りスタジアムに駆けつけ、声が枯れるまで、ドイラを叩く手が腫れるまで応援し続けるつもりです。ぜひ次回の記事もご期待ください! そして皆様もぜひウズベキスタンの地で戦い続ける若き日本代表に応援を!

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

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