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前回の記事でヴェリコ・タルノヴォというブルガリアの古都をご紹介しました。
この土地を語る上で欠かせない、シンボル的な存在がツァレヴェッツの丘です。
ツァレヴェッツの丘はヴェリコ・タルノヴォが第2次ブルガリア帝国の首都だった頃、中心として機能していた場所。
当時は400を超える家々、18個の教会、宮殿がこの丘に建てられていたそうです。
また、ヤントラ川に三方を囲まれているため、その地の利を生かして要塞も築かれていました。
栄華を極めた第2ブルガリア帝国の首都・ヴェリコ・タルノヴォも苦しくも1393年にオスマン帝国からの侵略に敗れ、丘にあった街の大部分は損壊。現在見られる城壁などは、1930~1980年頃に復刻されたものです。
その後500年に渡るオスマン帝国の支配が始まったという、ブルガリア人にとって非常に苦い思い出のあるこの土地ですが、現在でもブルガリア国内外から多くの観光客が訪れています。
ツァレヴェッツの丘に入る際には入場料がかかり、橋の手前にある小さな券売所にてチケットの購入が可能です。
(写真2枚目、左端の黄色い看板がある場所が券売所です。)
人気の観光地ということでお昼頃には人が多く訪れるため、狙い目は午前中!
夏期は8:00から、冬期は9:00から営業しているので、朝イチ〜10:00くらいまでに入場できるとゆっくり見られるでしょう♪
石畳の長い橋を渡り切ると、ツァレヴェッツの丘の入り口・城壁跡に到着。
要塞としての機能を思わせる、武器の展示もあり、当時の戦いの様子が感じられます。
振り返るとヴェリコ・タルノヴォの旧市街の様子を見ることができて、その様子はまさに絶景!
オレンジ色の屋根に木々の緑、天気が良ければ青い空が映えて絵ハガキのようです。
ちなみに、ここから丘の頂上にそびえ立つ大主教区教会まではさらに長い道のりです。
橋を渡り切った後は、アップダウンも激しく、足場が悪いところもあるので歩くときには注意が必要です!
私は幼稚園・小学校低学年の子どもを連れて訪れたためか、チケット確認の際に係員の方から
「足元が悪いから子どもから目を離さないように!気をつけてくださいね。」
と声をかけられました。
入口から歩くこと約30分、ようやく大主教区教会に到着です。
中に入ると、他のブルガリア正教会の内装とは少し違う、直線的な宗教画が飾られています。
この教会が立て直された時代は社会主義全盛期だったので、その影響だそうです。
教会の麓にはベンチと自動販売機があり、木陰で休憩することができます。
そこからの景色もまた目を見張るものでした。
ちなみに、この自動販売機ではビールも売られていました。
「教会のすぐ下でビール」というアンバランスさに驚きましたが、ここまで歩いてきて疲れた身には沁み渡りそうですね♪
ちなみに歩いていると、このようなライトやスピーカーが至る所に見られました。
前回の記事でご紹介したライトショーの仕掛けです。
この丘を訪れてからライトショーを見ると、また感慨深いものがありました。
ブルガリアの歴史を語る上で欠かせない土地、ツァレヴェッツの丘。
そこは歴史的な意味はもちろん、自然豊かで美しいヴェリコ・タルノヴォの街並みを楽しむのにもぴったりな場所でした。
ヴェリコ・タルノヴォを訪れる場合にはぜひツァレヴェッツの丘にも足を伸ばしてみてください!
●ツァレヴェッツの丘
・所在地:Tsar Asen Square, 5000 Veliko Tarnovo,Bulgaria
・営業時間:【夏期】AM8:00〜PM7:00、【冬期】AM9:00〜PM6:00
・休業日:原則なし
・予約:不要
・チケット販売:有り