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サローム(こんにちは)!
ウズベキスタンに住んでいると、この地の日本語学習熱に驚かされることがたびたびあります。旅行者の方でも、街角で日本語で話しかけられたり、サマルカンドで日本語を学ぶ学生に声を掛けられ即席ガイドになってもらったり……という経験があるかもしれません。この日本と遠く離れた国でも日本語を学ぶ人たちがいるとは、、と嬉しくなりますよね。
この熱心な日本語学習者を約20年にわたってサポートしてきたのが、ウズベキスタン日本センター(正式名称ウズベキスタン日本人材開発センター、通称/以下UJC)。ハイレベルな日本語授業や日本人講師を招いたビジネスセミナーなどを開設しており、優秀な日本語人材を多数輩出している信頼と実績のUJCですが、私たち日本人にとっても利用価値の高い施設なのです。
地下鉄ボドムゾル駅を出たとたん、インターナショナルビジネスセンター(IBC)という全面ガラス張りの宮殿のようなビルがドーンと目に飛び込んできますが、UJCが入っているのはここの6階。ちなみに5階にはJICAウズベキスタン事務所が入っており、青年海外協力隊員は何度となくここに通うことになります。
UJC、JICA以外にも重要な施設や機関が多数入っているこのビルは警備が厳しく、入口で荷物チェックののち受付で訪問オフィス(UJCの場合はロシア語でЯпонский центр(イポンスキー・ツェントル)またはウズベク語でYaponiya Markazi(ヤポニヤ・マルカジ))を告げる必要があります。この受付で顔認証システムに登録し、やっとエレベーターにたどり着くことになります。なお、なぜか男性は短パンやサンダルでは入場を断られるのでご注意を(つい先日までこの決まりを知らず、のこのこ短パンで行ったら追い返されました……)。
UJCに入ると正面は受付。生徒さんたちの書道作品などが展示されていることもあります。向かって左手は日本語学習者のための自習スペースとなっており、いつも真面目に勉強する学生さんたちの姿があります。そして向かって右手にはウズベク人は興味津々であろう日本人形や扇子など日本の伝統工芸品が飾られ、
その奥にはずらりと本棚が並んでいます。ここが、日本語の本を数多く揃えたUJC図書室。日本語に飢えた長期旅行者の方や駐在員の方がいらっしゃったら、狂喜乱舞すること間違いありません。
ガイドブックなどのウズベキスタン関係の書籍はもちろん雑誌、小説、漫画などなど本のテーマは多岐にわたり、読みたい本が必ず見つかるはず。ウズベキスタン旅行ブームに火をつけたあの人気漫画『乙嫁語り』まであります!漫画の舞台になった中央アジアの地でこれが読めるなんて、ファンの方は感涙ものかもしれません。本場(?)のウズベク人たちの間では、NARUTOなどの人気漫画と比べるとまだまだ知名度が低いこの作品ですが、ぜひこの国でも人気が爆発してほしいものです。
さらに本だけでなく、日本のドラマや映画のDVDまで揃っています!
この本やDVDは貸し出しも行っており、有料にはなりますが日本の図書館と同様"UJCカード"を作って本を借りることもできます。有効期限によって料金が変わりますが、いずれも数万スム(2022年8月現在のレートで数百円)とお安め。受付(日本語可)にカードを作りたい旨伝えると同じ建物内の銀行で料金を払い込むよう指示され、支払い後作成してもらいます。これで2冊の本を、または1枚のDVDを2週間借りられるようになります。長期滞在者の方はぜひご活用を。
この図書室でも学生さんたちが熱心に勉強していますが、日本人を見つけると声をかけてくれることも。私もここに通ううちに学生さんたちと仲良くなり、ときどきUJCの備品の将棋や漢字かるたなどで遊んでいました。将棋なんて楽勝楽勝と思っていたらやたら強い学生がおり、合計2勝3敗と負け越して日本人の面目丸つぶれになりましたが……(笑)
UJCではこの他日本人が参加可能なレッスンやお稽古があり、中でも人気なのが週に1度の民族楽器ドゥタールのレッスン。前特派員の齋藤さんもここで学んでいた時の様子を記事に書かれていましたが(「ウズベク人の誇り」弦楽器"ドゥタール"を奏でてみた。(前編))、私もレッスンに通っています。
主に青年海外協力隊員や留学生が参加しており、ウズベク人生徒たちと練習に励んでいます。十数年もここで指導されているという、日本人の教え子がたくさんいるウストズ(師匠)がビシビシ鍛えるスパルタ式レッスンには定評があり、楽器など全く習ったことのなかった私でも何とか数曲弾けるようになりました。生徒募集のお知らせを見つけたら、気軽に参加してみては?
以上、タシケントに長く滞在するならぜひ知っておきたい施設UJCのご紹介でした。ここに通ううちにドハマりする本が見つかったり、現地の学生さんと仲良くなったりして、ウズベキスタン生活がもっともっと楽しくなるかも……?
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!