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あるお料理が外国に伝わると、現地の人の口に合うようにアレンジされることは多々あります。実は、日本でのスペインオムレツもちょっと違うなと度々思うので、ここで"モノ申す"させてもらいます(笑)
スペインオムレツはスペイン語では、tortilla española(トルティーヤ・エスパニョーラ=スペインオムレツ)もしくはtortilla de patatas(トルティーヤ・デ・パタタス=じゃがいものオムレツ)と呼ばれます。tortillaがオムレツの意味です。後者が具材を指していて、オムレツの具はじゃがいも、もしくはじゃがいもと玉ねぎだけなのです。玉ねぎを入れるか否かについては、スペイン人の中でも熱い議論となりますが、私は入れる派です(そして私はにんにくも使います)。
日本のスペインオムレツにはトマトやピーマン、ブロッコリー、ベーコンといろんな具材が入っていますよね。おいしいのでそれはまったく否定しません。スペインでも、じゃがいもと玉ねぎ以外のオムレツはありますからね。ただ、ナスのオムレツ(tortilla de berenjenas)、マッシュルームのオムレツ(tortilla de champiñones)などたいていは具材名がつき、スペインオムレツとは言わないのです。また私が住むバレンシアでは、具材はシンプルに一種類のことが多いですね。ただ、トルティーヤ・カンペラ(tortilla campera)と呼ばれるピーマンやズッキーニ、ときにチョリソや生ハムと複数の具材が入ったものもあります。日本人が考えるスペインオムレツは、このトルティーヤ・カンペラに近い気がします。
シンプルゆえ飽きがこなく、国民食的にスペイン人に愛されているスペインオムレツ。レシピの目安としては、
・たまご 5個
・じゃがいも 500g
・入れるなら玉ねき1つ
・塩
・オリーブオイル
といった感じでしょうか。
アリオリが添えてあるのは見たことがありますが、ケチャップで食べることはありません。味付けに使うのは塩だけです。
日本では植物油は控えめに使う傾向が強いのでじゃがいもを少量の油で炒めますが、スペインでは「え、揚がっちゃうよ?」というほど油を使います。やや低めの温度でじっくり煮るように火を通すのです。エキストラバージンオリーブオイルだとなおよし。実はこれがおいしいスペインオムレツをつくる秘訣なんですよ。ぜひお試しくださいね。