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古都ボルチモアと米首都ワシントンDCは、列車で1時間程度の近距離にあることから、高速道路や通勤列車などの交通機関が便利です。今回は「日帰り旅」が出来るワシントンDC・ナショナルモールへ足を延ばしてみました。
アメリカの首都ワシントンDCの代表的な緑園公園であるナショナルモールは、大統領就任式の一般観覧、桜祭りの凧揚げ大会、アースデイ、独立記念日の花火大会、各種マラソン大会など、多種多様なイベントが行われる多目的広場としても広く活用されています。公園の両サイドに立ち並ぶスミソニアン博物館群の見学から少し足を延ばしてナショナルモールの芝生エリアを歩くと、ユニークな催しに出合う可能性も高いです。
今回紹介するのは、今年2021年9月2日から30日までナショナルモールの一角で開催された、「Cars at the Capital (カーズ・アット・ザ・キャピタル)」という車の野外展示会です。
このイベントは、Hagerty Drivers Foundation(ハガティ運転者協会)、米国内務省、議事堂図書館などが共同で、米国の文化的、歴史的な特徴を持つ自動車をNational Historic Vehicle Register(国家歴史車両登録)として2014年から順次登録している事業で、毎年新規登録の自動車を期間限定で一般公開しています。今年の登録分を含めて現在30台が登録されています。
これらの自動車は普段、個人や博物館所蔵であるため、なかなか門戸を出ることがありませんが、この「お披露目」期間はナショナルモールの一角に野外展示されるため、誰でも見学することができます。
2021年の今回の展示では、新規登録4台の車が週替わりで野外展示されました。その中で特に有名な車両は、1985年公開の映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に物語の要として登場したデロリアンDMC-12(タイムマシン仕様)です。シルバーの金属車体に羽のように上に広げるガルウィングドアという近未来的なデザイン、映画でも出てくるタイムマシンとしての改造部分もそのままに、ガラス越しながらすべて間近に見られました。
デロリアンDMC-12はもともと1980年代初頭にデロリアン社という実在の自動車メーカーが世に出したスポーツカーで、それを改造してタイムマシンにした、というのが映画の設定になっています。映画に使われた実際の車両は、脚本家ボブ・ゲイルが2013年頃に修復し、現在はロサンゼルスのペターセン自動車博物館に所蔵されており、今回の登録記念としてワシントンDCで特別に展示されました。
映画に登場する著名な自動車として、このほかに米映画『キャノンボール』に登場した1979年型ランボルギーニ・カウンタックLP400 Sも、今年の新規登録リストに名を連ねました。
【2021年度「カーズ・アット・ザ・キャピタル」展示車】
・1981年製デロリアンDMC-12 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』(1985年公開)タイムマシン仕様(2021年9月2日から9日まで)
・1970年製Dodge Challenger RT S/E (2021年9月10日から16日まで)
・1921年製 Duesenberg Straight Eight(2021年9月17日から23日まで)
・1979年製 ランボルギーニ・カウンタックLP400 S 映画『キャノンボール』(1981年公開)使用車(2021年9月24日から30日まで)