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アメリカに住むようになって気づいたことのひとつに、道路や学校、施設の名前に人物名がついていることの多さです。歴史的な人物名もあれば、あるエピソードがきっかけで一般の人の名前がつく例もあります。今回はメリーランド州ハーフォード郡フォールストンにある児童遊園を紹介します。
アニーズ・プレイグラウンド(アニーの遊び場)は、ハーフォード郡所有の公園の一角にあり、隣接施設として、サッカー場、ラクロス場、ロープコース、遊歩道などがあります。
この遊園が一般的な遊園地と異なる点は、動力で動く遊具は一切なく、ブランコや滑り台、ジャングルジムなどが基本です。アメリカの一般家庭の裏庭によくある遊具が、何倍も大きくなった形で設置されていると言えるでしょう。
この遊園は、サーカス見物の帰り道にひき逃げ事故で亡くなった、アニーという6歳の少女を悼み、遺族や友人らによる募金活動によって、2005年に完成した児童遊園です。
家族連れでも一日楽しめるように、屋根つきのピクニックエリアもあります。
遊具や施設内のベンチのあちこちに寄贈者の名前のプレートがあります。アニーだけでなく、幼くして世を去った子供を持つ家族も自分の子供の名前をこの遊園内に残しています。
「早世した子供たちのメモリアル」という追悼と、小さな子供たち向けの遊び場という一見ミスマッチのような公園ですが、同時にすべての子供たちがいつまでも安全に遊べるように、という家族の強い思いと温かさを感じる場所です。