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アメリカ旅行の目的のひとつにプロスポーツ観戦を挙げる方も少なくないでしょう。日本で人気の高いチームはニューヨークやロサンゼルスなどに集中していますが、首都ワシントンDCなら主要5つのプロスポーツチーム(野球、フットボール、バスケットボール、サッカー、アイスホッケー)がすべて揃っており、隣町であるボルチモアも野球(MLB)のオリオールズ、アメフト(NFL)のレイブンズの2チームが本拠地を構えています。
2021年はリーグ下位に終わってしまいましたが、レギュラーシーズン後半にMLB(メジャーリーグ)、ボルチモア・オリオールズのホームグラウンド、カムデンヤードでの試合観戦を体験してきました。
現在も球場横にカムデン駅(Camden Station)という鉄道駅がありますが、かつてはボルチモア・オハイオ鉄道の終着駅として、またボルチモア港からの荷物の引き上げ駅として、大規模なターミナル(カムデン・ヤード)がありました。
現在の駅から見て、赤いレンガ造りの横長の建物(20世紀初頭建築のボルチモア・オハイオ鉄道の旧倉庫)の向こう側に球場があります。レンガ調の歴史を感じる造りですが、球場建設自体は1992年と比較的新しい球場です。あえて歴史的な建築デザインを選び20世紀初頭のボルチモアの町のレトロな雰囲気を再現しているそうです。旧倉庫と球場の間のプロムナードは球団の公式グッズや軽食スタンドが立ち並んでいます。
現在球場に入る際は、手荷物の持ち込み制限があり、バックパックや大きなカバンを持ち込むことは禁止。場外からの食べ物の持ち込みも禁止となっているので、ほぼ手ぶらで入場する感覚でいる必要があります。入口付近に有料のコインロッカーもありましたが、球場近くのホテルに宿泊予定だったので、幸い大きな荷物はすべて部屋に置いておくことができました。
チケットは当日購入で外野席の$18から、最上席フィールドボックスの数百ドルまでさまざまです。(外野席は試合中の選手の表情は遠くて見えませんが、球場全体の雰囲気を味わうにはよかったです)。
球場の外回りには、往年の選手たちの殿堂プレートや、銅像などがあります。日本でもたいへん有名なベーブ・ルースはボルチモア生まれで、現在のオリオールズ球団とは直接の関係はありませんが、球場のすぐ近くに生家があったこと、職業選手としてのスタートがマイナーリーグのボルチモア・オリオールズ(同名だが現在とは別の球団)であったことから、彼の銅像もカムデンヤードにあります。オリオールズの名選手のひとりに「鉄人」カル・リプケン・ジュニアがいます。
観戦したのは学校の新学期がスタートした9月平日夜の試合、コロナ禍の影響、あとは優勝に絡んでいないゲームだったためか、来場数はかなり少なく場内の7~8割以上は空席だった模様。人出が多いときはチームカラーのオレンジ色のシャツを着た人々でとてもにぎわうのですが。
ソーシャルディスタンスの観点では安心して試合を見ることはできたものの、やはり閑古鳥の試合の盛り上がりはいまひとつなのが残念でした。ワールドシリーズの最後の優勝経験が1983年となっているので、来シーズンの踏ん張りを期待したいところです。
試合開始前には必ず国旗掲揚と国歌斉唱がありますが、オリオールズのホームゲームならではの「お約束」に、国歌の後半部分の"O say…"の歌詞の部分で、オリオールズのOにひっかけて「オー」と観客がひと際大きく叫ぶ伝統があります。チーム名も新聞紙上などでは略してO'sとも称されます。
球場に食べ物の持ち込みができないので、場内の売店で夕食を購入。定番のホットドッグとアメリカではポピュラーなファンネルケーキ(揚げドーナツの一種)です。
球場のとなり(駐車場をはさんで)には、NFL(アメフト)のボルチモア・レイブンズのスタジアム(M&T Bank Stadium)があります。フットボールのシーズン(9月~1月)の試合日は、レイブンズのチームカラーの紫色のシャツを着た人々が町に増えます。