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新型コロナ(COVID-19)の世界的流行が始まる以前は、首都ワシントンDCの春の風物詩であった「全米桜祭りNational Cherry Blossom Festival」。さまざまな関連イベントが1ヵ月間開かれるなかで、最も盛り上がっていたのが、閉幕直前に行われるパレードとストリート・フェスティバルでした。今年3年ぶりに復活した桜まつり・ジャパニーズ・ストリート・フェスティバルの会場の様子をご紹介します。
全米桜祭りNational Cherry Blossom Festivalの歴史は古く、1927年までさかのぼるといわれています。約1ヵ月の期間中に関連イベントがワシントンDCの各地で開かれますが、そのひとつとして有名な、ワシントン日米協会(JASWDC)が主催する「Sakura Matsuri」と題したストリート・フェスティバルは今回で第60回目を迎えました。
※桜祭りの名称について、少々ややこしいのですが、祭り全期間の名称は「ナショナル・チェリーブラッサム・フェスティバルNational Cherry Blossom Festival」と英語表記、ストリート・フェスティバルの名称は「サクラマツリSakura Matsuri」と日本語(ローマ字)表記が正式名称となっています。
2020年の桜まつり開催直前に中止の憂き目にあって以来、3年ぶりの開催となった今年のストリート・フェスティバルは、これまで土曜日の1日だけ開催だったところを、4月9日(土)~10日(日)の2日間開催という初の試みとなりました。
会場となるペンシルバニア通りPennsylvania Avenueは、政治の中枢である連邦議事堂(キャピタル)から大統領官邸(ホワイトハウス)まで真っすぐ伸びた、DCでは主要な道路のひとつで、週末にはさまざまなストリート・イベントの会場としても利用されています。
ストリート・フェスティバル初日の4月9日土曜日はこれまでと同様に隣のコンスティテューション通りConstitution Avenueでのパレードと同時開催であったため、約3万5000人の来場で賑わいましたが、2日目(4月10日)も、開門時間の午前10時30分ごろには入場者の長い列が出来ていました。リードを付けていてしつけが行き届いていれば犬を連れての来場も許可されているため、犬連れの来場者もあちらこちらで見られました。
会場内は毎回行列のできる日本食などの屋台エリア<Taste of Japan>、伝統工芸や日本の文化を紹介するエリア<Art & Culture>、日本発信のさまざまな商品を紹介、販売するエリア<Ginza Marketplace>、そしてビデオゲームやアニメなどポップカルチャーを中心に紹介するエリア<Japan Now>の4つがあり、祭りの活気に花を添えるパフォーマンスやライブショーのステージも4ヵ所あります。
普段公共エリアの道路では飲酒が禁止されているアメリカでは、会場がフェンスで仕切られていることで実現できる、日本のビール会社のブースでのビール販売や焼酎のテイスティングもあり、ビールの飲み歩きをする人々も多くいました。また、日本企業による鉄道や宇宙事業の紹介や地方自治体による観光案内のブースも例年以上に充実していました。
今回のイベントは、ワシントンDC市当局の規制が緩和されていることからマスク必須とはなっておらず、ソーシャルディスタンスのルールもありませんでしたが、会場でマスクをしている人は約半数(ブースや会場ボランティアなどイベント関係者はマスク装着率が高かったですが)という状況でした。現在のワシントンDCでの感染リスクレベル【COVID-19 Community Level】はCDC(疾病予防管理センター)のガイドラインより低い数値でこの2ヵ月推移しており、こうした大型イベントの復活の後押しになったようです。
CDC(米国疾病予防管理センター)発表の過去7日間のワシントンDCのCOVID-19感染状況(2022年4月11日現在)
参照URL:https://covid.cdc.gov/covid-data-tracker/#cases_totaldeaths
・過去7日間の感染者:717人
・陽性率:3~4.9%
・過去7日間の死者:なし
・累計感染者数:13万7603人
・累計死者数:1332人