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都市の大小を問わず、アメリカ各地の週末の町角に出現する「ファーマーズ・マーケット(青空市)」。規模は小さくても、観光名所とはひと味違う地元の人々の「普段着の暮らしぶり」を感じられます。メリーランド州ベルエアで4月から再開したファーマーズ・マーケットをのぞいてみました。
「ファーマーズ(農家)・マーケット」という名称ではありますが、出店しているのは野菜や生花関係だけではないようです。開催地域によりますが、メリーランド州ベルエアのファーマーズ・マーケットでは、出店のルールとして、<店で製造・生産していること>であるため、いわゆる農家や生花店だけでなく、地元の養鶏や養豚業者で、鶏肉や豚肉を加工販売している店や、ベーカリー、手作り石鹸やアロマオイルを売る店、ミニアート作品を売る地元のアーティストや工芸作家、ナイフ研ぎのサービスをする店などの出店もあります。ベルエア近郊で営業している店がほとんどですが、近隣のペンシルバニア州、メリーランド州のDCに近いエリアから出店している店もあります。常時50店ほどの出店がありますが、売り切れれば早々に撤収する店もあるようで、午前11時頃になると少し会場のテントの間隔が空いていたり、商品が残り少ない店もあります。
マーケット会場は普段は裁判所横のメーター式公営駐車場(ただし、午後5時以降と週末、休日は無料開放)として使われている場所で、マーケットが開催される4月から11月(冬季開催を含めると12月まで)は毎週土曜日になると、敷地いっぱいがマーケット会場になります。食べ物を扱う店もあるのにもかかわらず、リードをつけた犬を連れて来場OKとなっているのがおもしろいところで、さらにその犬は「アグレッシブでないこと=しつけが行き届いていて、吠えたり暴れたりしないこと」が条件となっています。そのため、犬を連れて来場している買い物客も少なくなく、犬たちもほかの犬に吠えかけることなく、とても大人しく行儀がいいのが印象的です。犬連れ客の多さに目をつけたのか、犬用のおやつを専門に販売しているテントもいくつかありました。
メリーランド州では2021年7月にマスク着用義務を緩和しており、その後にオミクロン株の流行があったものの、2022年4月現在では公共交通機関の乗車中や一部の店舗以外ではマスクの着用は個人の判断となっております。ファーマーズ・マーケットは屋外でのイベントなので、マスク着用の規制緩和後は昨年の段階でもすでに会場の半数以下がマスク未着用でしたが、今春のマーケット再開後はさらに着用率は減っています。そのため、会場を見渡す限り、コロナ禍以前の状況にほぼ戻っている印象を受けました。