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あなたはいくつ知っていますか?フランス発祥のグルメとその名店

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2022年12月6日
公開日
2022年12月6日
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パリから地方まで、フランスは各地においしいものがあふれています。エスカルゴ、ブイヤベースなど一度は耳にしたことがある料理名も多いはず。各地の定番料理と、それを楽しめるパリのレストランをまとめました。

パリ生まれの定番朝食クロック・ムッシュー

クロック・ムッシューとは、バターを塗った食パンにチーズとハムを挟み、ベシャメルソースをかけてオーブンやフライパンで焼いたサンドイッチの一種です。クロックはフランス語で「カリカリの」、そしてムッシューは「紳士」の意味。これに目玉焼きを乗せるとクロック・マダム(マダムとは「婦人」の意味)になります。

パリ市内のカフェで生まれたとされ、今ではフランスのカフェやブラッスリー、ビストロでは定番の料理です。元はグリュイエール・チーズにボンレスハムを挟んでいたのですが、今ではコンテやミモレットといったチーズ、ハムも生ハムや鶏肉、サーモンなど、お店によってさまざまに工夫されています。

定番メニューですので、町なかにあるカフェ(特別なカフェではなく地元の人が集っていそうな、よくある感じのカフェ)ならメニューに載せているところが多いです。それでもこだわりたいなら、クロック・ムッシューをメインにしている「フリックフラック」へ。サンマルタン運河沿いとモンマルトルにお店を構えています。

FRIC-FRAC(フリックフラック)
住所
79QuaideValmy75010
URL
https://fricfrac.fr

南西部で多く生産されているフォアグラ

フォアグラには甘口ワインが合う

フォアグラは、特殊に飼育されたガチョウやガチョウの肝臓のことです。フランス料理では前菜としてそのまま出されたり、料理にアクセントして使われます。華やかな機会での料理に出されることも多く、クリスマス時期になると小売店の店頭には、たくさんのフォアグラが並びます。

フォアグラの生産には、肝臓を肥大化させるためにトウモロコシなどの餌を大量に食べさせるガバージュという方法が取られ、その生産方法は動物福祉などの観点から議論が起きています。これを理由にフランスにおいてもフォアグラを食べないようにしている人もいます。

定番料理のためフォアグラを扱うレストランや商店は多いですが、フォアグラを主にして食べてみようと思うなら、モントルグイユ通りにある「ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー」へ。フォアグラを中心とした食材の専門店で、併設するレストランではフォアグラを使った料理も提供しています。同店の近くには、パリのグルメストリートであるモントルグイユ通りがあるので、あわせて訪れてみましょう。

LeComptoirdelaGastronomie(ル・コントワール・ド・ラ・ガストロノミー)
住所
34RueMontmartre75001
URL
https://comptoirdelagastronomie.com

エスカルゴはワインで有名なブルゴーニュ名物

レスカルゴ・モントルグイユのエスカルゴ

典型的なフランス料理のイメージでありながら、日本人的には少し敷居が高いと感じるのがエスカルゴではないでしょうか。食用のカタツムリに、パセリやニンニクなどのみじん切りを練りこんだバターを詰め込み、オーブンなどで焼いたものです。

エスカルゴの本場は、ワインで有名なフランス中部のブルゴーニュ。多くのお店で使われるものは、食用のカタツムリですが、野生のカタツムリを出しているお店もあります。野生の場合はメニューに「Sauvage(野生の)」と表記されているはずなので、特にエスカルゴ初心者の方はメニューのチェックをお忘れなく!

ほかの料理と並んでエスカルゴを出しているレストランは多いですが、エスカルゴにフォーカスして味わってみたいなら専門店へ行ってみましょう。エスカルゴというと通常はひとつの味付けしか出していないところがほとんどですが、パリ市内モントルグイユ通りのレストラン「レスカルゴ・モントルグイユ」ではトリュフ味やフォアグラ味など、バラエティに富んだエスカルゴを食べることができます。

レスカルゴ・モントルグイユ

詳細をみる
住所
38, rue Montorgueil 1er
電話番号
01.42.36.83.51

シタビラメのムニエル

白身と小麦粉、バターがベストマッチ©iStock

フランスで魚料理においてよく使われるシタビラメ。その定番調理法がムニエルです。小麦粉をまぶして焼いたシタビラメにパセリのみじん切り、焦がしバターとレモン汁をかけた料理です。シタビラメのムニエルは、ヴェルサイユ宮殿を建て太陽王とよばれたルイ14世の治世に宮廷内で人気を博したそうです。

胃が疲れていて重めの肉料理は避けたいという時に重宝しますし、日本人の味覚からも遠くない味付けですのでおいしく食べられます。

シタビラメのムニエルを目当てにパリ市内のレストランへ行くなら、魚料理の専門店へ行ってみましょう。料理人アラン・デュカスがプロデュースする魚料理のレストラン「レッシュ」なら、シタビラメのムニエル以外にもフランスの魚料理を存分に堪能できます。なお同店でシタビラメは2名での注文が必要。当日のシタビラメの大きさによって価格が変わります。

Rech(レッシュ)
住所
217BoulevardSaint-Germain75007
URL
https://www.restaurant-rech.fr

南仏マルセイユで盛んな料理、ブイヤベース

バイエタ特性のブイヤベース「ブイヤバイエタ」(左)と生地に玉ねぎを乗せた南仏名物のピサラディエール(右)

カサゴ類などトゲや毒があり、そのままでは商品にならない魚をごった煮したことが由来のブイヤベース。漁業が盛んな南仏地中海沿いの料理で、マルセイユの名物料理です。魚介をオリーブ油、ニンニク、サフランなどを入れ、トマトやジャガイモなどの野菜と一緒に煮込みます。魚と野菜のうま味が凝縮した味で、日本人にもファンが多い料理です。

もしブイヤベースを食べてみたいなら、本場マルセイユへ行くことをおすすめします。マルセイユの旧港の広場で、水揚げしたばかりの大小様々な魚を広げて売っている漁師さんたちの様子を見ていると、ブイヤベースがマルセイユの名物だということがとても実感できるはずです。

どうしてもパリにしか滞在する予定がないという時は、地中海料理を扱うミシュラン1つ星のレストラン「バイエタ」はいかがでしょうか。ブイヤベースを含んだコース料理(4皿で€100)を提供しています。

Baieta(バイエタ)
住所
5RuedePontoise75005
URL
https://www.restaurant-baieta-paris.fr

ドイツ文化と混ざり合うアルザスのシュークルート

ボファンジェのシュークルート

シュークルートはキャベツを千切りにして塩漬けし発酵させた料理で、ドイツだとザワークラウトとよばれ、アルザス地方を代表する料理です。ソーセージやベーコン、ジャガイモなどの付け合わせと出てきます。肉以外にも魚介を付け合わせにすることもあります。

シュークルートを注文するとまずその見た目で圧倒されるはず。大量のキャベツとともに、ソーセージやジャガイモなどが、どんと盛られています。もし食べ切れるか心配な場合は、前菜を頼まずにシュークルートのメインディッシュから始めてもいいかもしれません。

アルザス地方の町へ行けば、どこのレストランでも大抵はシュークルートをメニューに入れています。パリでもアルザス料理を扱っているレストランへ行けば食べられます。例えば、パリ市内バスティーユにある「ボファンジェ」は、アルザス料理と魚介を専門とするレストランで、肉または魚介のシュークルートを食べられます。また店内は、アール・ヌーヴォー様式の美しいインテリアが食事の気分をさらに高めてくれます。

Bofinger(ボファンジェ)
住所
5-7RuedelaBastille75004
URL
https://www.bofingerparis.com

ジャガイモを使ったオーブラックの郷土料理アリゴ

この伸びがアリゴの特徴©iStock

アリゴはニンニクで香りを付けたマッシュポテトにチーズを混ぜ合わせた料理。ステーキなどの付け合わせで出てきます。見たことがあったり、アリゴという名前を知らずに食べていた人も多いのではないでしょうか。マッシュポテトとチーズという鉄板の組み合わせのため、日本人にも馴染みがあり、また美味しく食べられる料理です。

アリゴの故郷はフランス南部のオーブラック。オーヴェルニュ地域圏の南、ラングドック・ルシヨン地域圏の北、ミディ・ピレネー地域圏の東の境をまたぐエリアです。この地方は昔からチーズが有名であり、また牛肉の産地としてもフランスで広く知られています。

パリでアリゴを食べるなら、オーヴェルニュの郷土料理を扱うレストラン「アンバサダード・ドーヴェルニュ」に行ってみましょう。店名を日本語に直すと「オーヴェルニュ大使館」となるのですが、その名前らしく内装から料理までオーヴェルニュ地方が満載。サレール牛、アヴェロンの子羊、フロム・ダンベール(青カビのチーズ)などオーヴェルニュ地方の食材が満載で、パリにいながらにしてオーヴェルニュ地方を味わえます。

Ambassaded’Auvergne(アンバサダード・ドーヴェルニュ)
住所
22RueduGrenierSaint-Lazare75003
URL
https://ambassade-auvergne.fr

キッシュ・ロレーヌはスイーツの宝庫ロレーヌ地方が発祥

卵、ベーコン、パイ生地という鉄板の味©iStock

フランスのどこのパン屋やエピスリー(惣菜屋)、シャルキュトリー(食肉加工販売店)を訪れても、必ずといっていいほど店頭に並んでいるのがキッシュ・ロレーヌ。パイ皿にパイ生地を敷き、そこにベーコンとチーズなどを入れて、塩と胡椒などで味付けした泡立てた卵と生クリームを流し込んでオーブンで焼いたものです。

その名の通りフランス東部ロレーヌ地方で生まれた料理です。キッシュ・ロレーヌは塩味ですが、ロレーヌ地方はスイーツが有名で、マカロンはロレーヌ地方の町ナンシーが発祥地です。卵味のタルトですので、アリゴ同様に日本の食文化と比べても身近な味で、多くの人がおいしく食べられるはずです。

パリ市内に滞在していれば手軽に手に入れることができる料理ですが、しいてお店を挙げるならパリに数店あるシャルキュトリー「メゾン・ヴェロ」など。フランスは肉製品が美味しい国ですから、キッシュ・ロレーヌと一緒にテリーヌや生ハムなど、肉製品をいろいろ買ってみて、ホテルでその日の夕食にしてもいいですね。

MaisonVerot(メゾン・ヴェロ)
住所
3rueNotre-DamedesChamps75006
URL
https://www.maisonverot.fr
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