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日本人にも香港のエンターテインメントが好きな人は少なからずいますし、コアなファンが多い印象です。そういう人たちにオススメしたのが、沙田(Shatin)にある香港文化博物館(Hong Kong Heritage Museum)で開催されているのは香港のエンタメの歴史を体系的に知ることができる「瞧潮香港60+(Hong Kong Pop 60+)」という常設展です。
第2次世界大戦後から2000年代までの香港のエンタメについて、映画、音楽、テレビ、ラジオ、アニメなどをカテゴリー別に分けて、香港のエンタメ史を知ることができます。
映画は、時代を切り取る一面がありますが、例えば『七十二家房客(The House of 72 Tenants)』という作品は、1960年代の給水制限時代の生活を描き、大ヒットとしたと紹介されているほか、許氏兄弟のMr. Booシリーズの香港公開第1作『鬼馬雙星(Games Gamblers Play / Mr.Boo! ギャンブル大将)』、『英雄本色(A better Tomorrow / 男たちの挽歌)』、『臥虎蔵龍(Crouching Tiger, Hidden Dragon / グリーンデスティニー)』、『無問道(Infernal Affairs / インファナルアフェア)』など見逃せない作品が紹介されています。映画ファンのバイブルであった「電影双周刊」のバックナンバーの展示などもあります。
俳優は色々いますが、例えば、謝霆鋒(ニコラス・ツェ)の父である謝賢(パトリック・ツェ)はその昔、名をはせた俳優というのは知っていましたが、どの程度なのかまでは知りませんでしたが、今回のイベントで相当大きな存在だったということも知ることができます。
音楽では、広東オペラ、ビートルズ、普通話の音楽などいろいろな曲が混ざった上に、日本の曲が1980年代に入り流行していくことも時系列的に理解できます。日本の曲は数多く香港でヒットしていますが、例えば、サザンオールスターズの「真夏の果実」は、張学友(ジャッキー・チョン)が『毎天愛你多一些』という曲名でカバーされています。広東語の歌詞をつける時、声調と音を合わせなければいけない作業があったり、この言葉を充てるため原音をちょっと変えたりします。それが詳しく書かれたノートを見ることができたのは印象に残りました。香港人なら誰もが知っている曲『獅子山下』の曲のメモ紙もありました。
他にも、無線電視(TVB)が香港人に与えた影響、1973年のミス香港の観戦チケット、日本のアニメやゲーム、なつかしの超合金のおもちゃの展示まであります。今、日本でも昭和のエンタメが若者に流行ったりしていますが、昔の香港のエンタメを知る機会とも言えるでしょう。
現在、文化博物館では以前紹介した、李小龍(ブルース・リー)の「平凡・不平凡 ― 李小龍(A Man Beyond the Ordinary: Bruce Lee)」と張国栄(レスリー・チャン)の「繼續寵愛・張國榮紀念展(Miss You Much Leslie Exhibition)」が同時開催中です。今後、香港エンタメの企画展が同時に3つ開催される可能性は高くない貴重な機会だと思いますので、足を運んでみてください。