キーワードで検索
ウィンブルドン選手権、本日(16日)が男子シングルス決勝戦でした!いやー、今年も盛り上がりましたね。特に決勝のジョコビッチ対アルカラスはすごかった!!決勝戦はテレビ観戦しましたが、2023年も望遠レンズを片手に準々決勝(7月11日、大会9日目)を見に行ったので、その様子とウィンブルドン選手権の楽しみ方をシェアさせて頂きます。
日本は猛暑と聞きましたが、今年のロンドンはとにかく寒くて天気が悪いです。天気がいい年には、グラウンド・チケットで仕事後にテニス会場に入ってお酒を飲みながらパブリック・ビューイングを見るだけでも最高なのですが、今年は残念ながらそんな陽気の日が殆どありませんでした。毎日雨が続き、温度も20度そこそこ。とはいえ、センターコートと第1コートは天井がついているので雨天中止の心配はありません!
筆者は毎年、準々決勝を見に行っています。以前は男子と女子の準々決勝の日が分かれていて、男子2試合または女子2試合のどちらかを見ることになっていました。しかし、昨年から2日間かけて男女両方が半分ずつ行われる形に変わりました。重要な試合はセンター・コートと第1コートで行われるので、つまりセンターコートのチケットを持っていると同じ日に女子の準々決勝が1試合と男子の準々決勝が1試合見られることになります。(第1コートも同様)女子と男子では試合の長さが異なり、女子は2セット先取、男子は3セット先取となります。
今回1年ぶりにウィンブルドンに来て実感したのは、観客の真剣さです。3週間前のクイーンズ・クラブ選手権の方は観客がリラックスしていて、のんびり楽しく見ている雰囲気でしたが(それはそれで素敵)、ウィンブルドンは観客が固唾をのんで見守っている感じで、ポイント毎の観客のどよめきが違いました。また、選手の粘りも異なります。グランド・スラムのタイトルへのプライドなのか、意地でもくらいついてボールを返すことでラリーが長く続きますし、特に男子は3ゲーム先取なので、緊迫した試合展開で長丁場になるケースが多いです。
さて、今回準々決勝で見られたのは女子のスビトリナ(ウクライナ)対シフィオンテク(ポーランド)で、接戦の末7-5、6-7、6-2でウクライナのスビトリナが勝利しました。シフィオンテクが現在WTAランキング1位、スビトリナが76位ということで、なぜこんなにランキングが異なるのに互角だったのだろうと思ったのですが、それもそのはず。勝利インタビュー時に明らかになったのは、スビトリナが6か月前に出産し、3か月前にテニスに復帰したばかりとの事実でした。戻るの早!そして早速ウィンブルドン4強とは復活早!ということで、76位というのはブランクを挟んでの暫定の順位なので、これから追い上げてくれることでしょう。残念ながらスビトリナは準決勝でボンドロウソワに負けてしまいましたが、これからの活躍に期待です!(ちなみにその後、ボンドロウソワがチュニジアのオンス・ジャブールを破って初優勝しました)
さて、男子の準々決勝はジョコビッチ(セルビア)対ルブレフ(ロシア)でした。ジョコビッチは現在ランキング2位、ルブレフは7位。試合結果は6-4、1-6、4-6、3-6と、終わってみるとファースト・セットは落としたものの、あとはジョコビッチの圧勝という展開で、大方の予想どおりジョコビッチが準決勝に進出しました。ジョコビッチの精緻なショットは間近で見ていて本当にすごかったです。まるで機械のような正確さ。そして、一緒に観に行ったイタリア人の友人がしみじみ述べていた通り「一ミリも脂肪がない完璧な肉体」でした。こんな無敵のジョコビッチのウィンブルドン8回目の優勝(フェデラーの最多優勝の記録に並ぶ)を阻止できる可能性があるのはクイーンズ・クラブ選手権で優勝したアルカラスしかいない、と決勝を楽しみにしていたら、アルカラス選手がやってくれましたね!フルセットの結果、何とキング・ジョコビッチを倒してウィンブルドン初出場&初優勝でした。新たな時代の到来の予感です。今年の夏はジョコビッチ(ウィンブルドン準々決勝)とアルカラス(クイーンズ・クラブ準々決勝)両選手の試合を間近に見ることができて大満足でした。また、試合は見られなかったのですが、車いす男子シングルで日本の17歳の小田選手が優勝されていましたね!おめでとうございます。何と最年少の優勝でもあるとか。これからも頑張ってほしいです!
VIP探しもウィンブルドン選手権観戦の醍醐味です。デイリーメールなどは毎日ロイヤル・ボックスに来た有名人を報じています。ロイヤル・ボックスではなかったのですが、筆者は2022年に第1コートでウィリアム王子とキャサリン妃を見ることができました。元々はセンターコートで試合を観覧していたようですが、イギリス人のキャメロン・ノリーが試合に勝ちそうなタイミングで第1コートに祝福に来たようです。試合が終わってすぐに退出してしまったので、友人が教えてくれなかったら気づかなかったくらい一瞬の出来事でした!キャサリン妃は英国テニス協会のパトロンを務めているため、2023年は何度もウィンブルドンに来ていました。また、少し前ですが2016年にはカミラ夫人とハリーポッターのマクゴナガル先生の姿も見ることができました。今年2023年の準々決勝では認識できる人がいなかったですが、俳優・司会者・コメディアンのスティーブン・フライ氏が来ていたそうです。ホビットやシャーロック・ホームズの映画などに出演したこともあるイギリスの有名人です。望遠レンズで写真を撮ると後から確認できるので便利ですが、双眼鏡などを持っていっても楽しいですよ。
ちなみに本日の決勝戦のジョコビッチ対アルカラスの試合では、過去見たいことないくらい有名人が多数で、キャサリン妃、ウィリアム王子、ジョージ王子にシャーロット王女を筆頭に、スペイン国王、ブラット・ピットにガイ・リッチー、アリアナ・グランデとアンドリュー・ガーフィールド、エマ・ワトソン、ダニエル・クレイグにレイチェル・ワイズら有名人勢ぞろいという感じでした。決勝戦を見に行った人は試合もVIPも充実していてとてもラッキーでしたね。
今年は気温が低かったのでドリンクの売り上げはイマイチだったのではないかと思いますが、やはりイギリスの夏と言えばピムスです。ピムスはイギリス版のサングリアのような感じで、ジンやラムなどの混生酒を炭酸飲料で割ってフルーツを加えた、飲みやすいカクテルです。晴れた暑い日にぴったりのさわかやかな味です!また、ウィンブルドンと言えば欠かせないのがストロベリー&クリームでしょう。ストロベリー&クリームは苺に生クリームをかけただけのデザートなので自宅でも簡単に作れるのですが、夏に外で食べることに特別感がある気がします。さすがイギリス、ストロベリー&クリームの歴史は古く、何と16世紀にまで遡るそうです。ヘンリ8世の家臣がウィンブルドンからほど近いハンプトン・コートで食べたのが始まりと言われており、伝統は続き1877年のウィンブルドン選手権の初回大会から提供されているそうです。日本では練乳をかける方が主流な気がしますが、苺が甘ければクリームだけというのも美味しいですよ。ウィンブルドン選手権では、一通りの食べ物が販売されていますが、食べ物の持ち込みは制限されていないのでお気に入りのサンドイッチやフルーツなどを持っていくのもいいかもしれません。
さて、第1コートやセンターコートのチケットを入手したからといって、会場内を散策しないのはもったいないです。できれば試合開始時間より少し早めにでかけて、第4コート以下のコートを回ってみてください。小さなコートでは本当に目の前で試合を見ることができて大迫力ですよ!
また、チケットを持っているとウィンブルドン・ローン・テニス博物館にも入館できるので、まだ行ったことがない方はこちらもぜひフル活用してみてください。
尚、余談ですがスポンサーであるアメリカン・エクスプレスの会員だと無料で携帯ラジオ(試合の実況が聞ける)がもらえたり、ラウンジが使えたりします。(2023年現在)該当する方はチェックしてみて下さい。
恒例のお土産チェックです!ウィンブルドンはクイーンズ・クラブ選手権に比べるとお土産スペースが広大でした。今回筆者がいいなと思ったのは上記のウォーター・ボトルです。ウィンブルドンのロゴとストロベリーが可愛らしい一品。去年は見なかったので今年の新作だと思うのですが、普段使いができそうでいいですね。また、うちわやブランケットも実用的で重宝しそうです。(今年のイギリスはブランケットの方がいいかも…)選手権ロゴ柄のベビー服やスタイも赤ちゃんに着せたらキュートに違いありません。ロゴ入りのシックなキャンドルもありました。ストロベリー&フィズということでカクテルの香りのようです。ウィンブルドンの思い出を振り返りながらお部屋でリラックスできそうです。ばらまき土産に最適なのはキーホルダー類です。苺やラケットのデザインのものから栓抜きになっているもの、今年の年号が入っているものまで種類が豊富。ウィンブルドン選手権の雰囲気をおすそ分けできそうですね。
去年ウィンブルドン・ファンの友達に教えてもらった出待ちスポットがあります。2022年は第1コートで試合を見たので、これは第1コート専用のスポットだと思うのですが、試合を終えた選手がシャワーを浴びるためにコート外に出る出入口があり、あまり知られていないようで他に人もあまりおらず、選手をかなり間近で見ることができました。また、更に待っているとシャワー後に再び通るではないですか。小さな子供はサインをねだったりもしていました。友人に連れて行ってもらったので100%定かではないのですが第1コート付近、プラクティス・コートの正面Aorangi Pavilionのあたりだったと思います。時間があったら写真の階段を探してみて下さい。有名選手を間近で見られるチャンスかも!(センターコートの出待ちスポットはわかりません)
選手権会場の最寄りの街はサウスフィールドかウィンブルドン・ビレッジで、両方とも同じくらいの距離にあります。サウスフィールドの方が地下鉄が通っているのでそちらに向かう人が多いと思うのですが、筆者のおすすめはウィンブルドン・ビレッジです。理由は、そもそも街自体が可愛いこちらのハイストリートが、ウィンブルドン期間中はテニス一色に染まるからです。ビレッジ内でテニス関連のウィンドウ・ディスプレイのコンテストをしているそうで、ブティックもレストランも不動産屋まで、趣向を凝らしたウィンブルドン仕様にデコレーションするのが、選手権気分を盛り上げてくれてとても楽しいです。ぜひ試合後にお酒を片手にウィンブルドン・ビレッジで選手権の余韻をかみしめて下さい。
いかがでしたか。ウィンブルドン選手権は単にテニスの大会というだけではなく、その全てがイギリスのカルチャーを楽しむイベントなのです!イギリス好きの方はぜひ一度はウィンブルドン選手権で夏の一日を満喫してみてくださいね。