• Facebook でシェア
  • X でシェア
  • LINE でシェア

112. ウズベキスタンの気候は?最適な服装は?快適に旅するためのポイントを季節ごとに紹介

伊藤 卓巳

伊藤 卓巳

ウズベキスタン特派員

更新日
2023年7月8日
公開日
2023年7月8日
AD

サローム(こんにちは)!

現在ウズベキスタンは夏の「チッラ」の真っ最中です。チッラとは住むのに最も厳しい気候、つまり熱波と寒波がやって来る時期。おもしろいのが日本の梅雨などと違って毎年期間が固定されていることで、夏のチッラは6月25日から8月5日までの40日間、冬のチッラは12月25日から2月5日までの同じく40日間。そもそもチッラという言葉自体がタジク語の「40」に由来しているのです。

ただなぜかチッラに入ってからは暑さが落ち着いており、むしろ6月前半の方が厳しい暑さでした。このとき訪れていた日本人旅行者の方は皆こんなに暑いと思わなかった!と驚いており、実際体調を崩された方もいたと聞きます。そこで旅の計画を立てる上で皆さん必ず気になるであろう、服装や持ち物など季節ごとの注意点をまとめてみました。

●春・秋

ユーラシアど真ん中に位置し、典型的な大陸性気候であるウズベキスタンは夏と冬の気温差が極端。というわけで旅行に適したベストシーズンがこの春と秋になります。
ただ日本人の社会人にとって、この時期でまとまった休みが取れるのは航空券が高騰するゴールデンウイークとシルバーウイークぐらいのはず。このシーズンに長時期悠々と旅しているバカンス中の欧米人観光客を見ると、うらやましくなることこの上なし。日本でも早くバカンス文化が定着することを願ってやみません…。

予定が合うならぜひ訪れてみたい、春の訪れを祝う毎年3月21日のナウルーズ

一番旅しやすいシーズンといっても、毎日気候が安定しているわけではありません。特に春先は日によって気温が違い、前日と10度以上気温差がある…ということも。夏に近い時期は一日の寒暖差も激しく、日中は半袖でも暑いのに夜は上着が必要ということもしばしば。というわけでどんな気温にでも対応できる脱ぎ着しやすい服装で観光されることをおすすめします。
晴天率が圧倒的に高いこの国ですが、天気が崩れやすいのも春と秋。雨の準備もしておいた方が無難です。といってもやはり晴れの日の方が多く、雨が降るとしても一日中降り続くことはほぼありません。あいにく観光中に思いっきり降られてしまった方は、立派な雨男・雨女の素質があるかもしれません…。

ライトアップされたレギスタン広場が地面に映る「逆さレギスタン」は雨の日ならではのサマルカンドの風景
今年の4月にはいきなり雹が降ってきたこともありました…

また春は夏ほどではないにしても、日差しの強さにご注意。日本から来ると強い日光に体が慣れておらず、一気に体力を消耗してしまうかもしれません。ウズベク人の知人いわく、実は春の日の光は夏よりも有害とのこと。夏と同じく、帽子をかぶる、観光中はこまめに休憩を取って水分を補給するなどの対策も必要かもしれません。

●夏

ご想像通り、砂漠の国ウズベキスタンの夏は強烈です。観光中1日10回以上はあっつー!と言ってしまうこと間違いなし。乾燥している国なので日陰に入るとまだマシですが、それでも真夏は容赦なく熱風が襲ってきます。
こうなると怖いのは熱中症。帽子や日傘、サングラスは必須(いずれも現地の人もよく使っており現地調達も可能)。気になる方は日焼け止めを持参ください。余談ですが、ウズベク人にとって日本人はかなり若く見えるようで、オッサンに足を踏み入れつつある年齢の私も時折学生か?と聞かれます。裏を返せばウズベク人は概して私たちよりも見た目より年を取っているように見えるのですが、これはやはり紫外線でお肌をやられてしまうのが原因のようです。
服装もTシャツなどで問題ありませんが、観光でモスクや霊廟などのイスラム建築に入る時はタンクトップや短パン、ミニスカート、サンダルの格好では入場を断られる可能性が高いので注意が必要です。高級レストランなどではドレスコードを設定していることもあります。

夏はあちこちで噴水が上がり目にも涼しい。ときどき子供が水遊びしていることも…

ちなみに自分の経験上、エアコンが効きすぎて寒い! という他の国ではありがちなこともウズベキスタンではありません。むしろタクシーやバスなどでは冷房をつけてくれないことも多いので、全力で暑さ対策をしてください。食べ物でも何でも人工のものを好まない謎のオーガニック信仰を持つウズベク人が多く、人工の風である冷房をつけないのもその一環ではないかと個人的に推測しているのですが、外国人にとってはたまったものではありません。夜行列車でも一番高いクラス以外冷房・暖房はありません。

また観光の際は一日フルに使ってめぐりたい! という気持ちも分かるのですが、40度から50度に達する真夏の日にずっと外にいると日射病のリスクが高まるのは言うまでもありません。少しでも体調がよくないと感じたら無理をせず休む、日程に余裕があるなら観光は朝と夕方以降だけにして日中はホテルやカフェで休む、ということを心がけてください。無理を押して観光したあげく体調を崩して旅が続けられなくなった、となれば無理も子もありませんから…。
こまめな水分補給もお忘れなく。スポーツドリンクの類はこの国ではほぼ売っていないので、心配な方はポカリスエットの粉末などを持参ください。

サマルカンドにある人気の日本人経営カフェIkatBoutiquesCafeでは、暑い日に嬉しいアイスコーヒーがメニューに登場することも

食事の際もご注意を。ウズベキスタンの夏の美味しい食べ物といえばメロンとスイカ。これとともに喉に冷えたビールを流し込めばもう最高! なのですが、夏に果物と冷たい飲み物を同時に取るとお腹を壊すことが多いといわれています。こんなときにおすすめなのは、ウズベク人が年中飲んでいるお腹に優しい緑茶。暑いときに熱いお茶なんて…と思うかもしれませんが、これが意外と何杯でもいけるのです。夏でもぜひ試してみてください。

美味しくて安いメロン。消化に良くないのでナンと一緒に食べて、夜に食べるのは避けて…とのこと

●冬

ウズベキスタンの冬の気温は、日本と同じか少し寒い程度。ただやはり気候が乾燥しているので寒さが厳しく感じます。ダウンやヒートテック、ニット帽、帽子などできる限りの寒さ対策をしてお越しください。現地の人は寒いときの服装にやたらと敏感で、見知らぬ外国人であってもニット帽や手袋をしていなければ、こんな服装で出歩くなんて、、と怒られることも…(笑)
大方の建物にセントラルヒーティングが設置されているおかげで、ホテルやレストランは暖かく快適なことが多いです。セントラルヒーティングが真冬にどれだけの威力を発揮するか、道民の方ならよくご存じでしょう。ただホテルによっては停電したりお湯が出なくなったりすることもよくあるのでご注意。

2023年の1月には50年に一度という大寒波に見舞われ、国じゅうがマイナス20度まで下がりました…。

雪はあまり降らず、雪が積もるのは1年で5日ぐらい。ただむしろ問題は雪が積もった後で、道路が一度凍結するとなかなか溶けず、ずっとアイスバーン状態になっているのです。雪国出身の方はこのような道に慣れているでしょうが、慣れていない方は歩き方や靴の選び方などに気を付け、転倒して怪我なさらないよう。

雪が溶けた後のつるっつるの道路。筆者も言わずもがな何度もずっこけました

どうでもいいことですが、「寒い」はウズベク語でソヴック。さぶい、さぶいとよく言っていると不思議とだんだんウズベク語に聞こえてきたりします…。

ウズベキスタンの気候はやはり日本に比べると厳しく、ご旅行の際注意が必要な点がいくつかあるとお分かりいただけたかと思います。ただやはり何といってもいい天気の日が多いのはウズベキスタンのいいところで、すっきりした青空に青のイスラム建築が映える光景は一度見たら忘れられないでしょう。服装や食べ物に気を付けて、快適な旅行をお楽しみくださいね。
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

トップへ戻る

TOP