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遅めのランチを食べようと、函館市内に向かいながら選んだお店は、「コーヒールームきくち」です。趣きいっぱいの店内で過ごす時間は、特別な時間になりました。
目次
函館の老舗喫茶店のひとつ、「コーヒールームきくち」。
歴史ある街では、趣がある"喫茶店"をみつけられる機会が多いように思いますが、函館もそんな街のひとつです。
個人的には、旅に出ると、なかなか決まった時刻に食事をとることができないのが常なのですが、この日も然り。
ランチタイムを大幅に逸してしまい、ランチ難民になりそうなとき、行きついたお店が「コーヒールームきくち」でした。
湯の川温泉街がある湯川町の東にある喫茶店で、創業は1973年。
ソフトクリームがおいしい喫茶店として知られているほか、北海道でのコーヒー豆販売店の草分け、美鈴珈琲を楽しめる喫茶店として知られています。
黄色い壁が目印のお店に入ると、赤いビロード(ベルベット)の椅子が並ぶカウンターと、その奥には同じくビロードのソファ&テーブルセットが印象的。
椅子のフォルムとビロードの張り地、そして店内のモダンな装飾品は、昔懐かしい上品な喫茶店の趣きを感じさせてくれます。
ランチの時刻をかなり過ぎている時間帯でしたが、ソフトクリームをテイクアウトする人以外にも店内には地元のお客さんらしいグループが何組もスイーツやコーヒーを楽しんでいました。
お腹をすかせて席に着くや否や、早速手に取ったメニュー。
メニューのカバーにも老舗喫茶店のセンスを感じます。
そしてメニューは、アレンジコーヒーを含むコーヒーメニュー、紅茶、ココアのほかソフトクリーム(バニラアイスクリームも)、パフェやケーキ、ケーキセットなどのデザートは、特にパフェがキャラメル、フルーツ、バナナなどの5種類(各660円)。
正統派"パフェグラス"に好きなソフトクリームorアイスクリームを選んで盛り付けてもらえるパフェ(各660円)やフロート(各600円)、メロンソーダはもちろんストロベリーソーダ(各400円)、ようかん付き"こぶ茶"(400円)などソフトドリンクの種類にも老舗喫茶店の心意気を感じます。
そして今回の一番の目的、食事メニューは、こちらも嬉しい喫茶店ならではのラインアップとバリエーションでした。
フードメニューは、スパゲッティ(680円~)からソース焼そば(680円)などのめん類、軽食はカレーライス(680円)などのご飯もの、そして厚切りトースト(320円)、ミックスサンド(560円)や焼サンド(630円)などなど。
ハムやタマゴのミックスサンドや、ハム・オニオンやチーズ・ピーマンの具がある"焼サンド"にも引かれましたが、せっかく訪れた味わい深い老舗喫茶店の雰囲気をとことん味わいたい、という観点でオーダーしました。
写真は「スパゲッティナポリタン」(680円)!
昭和(筆者)的には、やはり喫茶店の食事といえば、ナポリタンのイメージが強いのですが、期待を裏切らない、期待以上のおいしいナポリタン。
味付けに加え、大振りの具で、ナポリタンの味わい深さがより印象的でした。
ご飯派にはおすすめしたい、やはり喫茶店の定番「エビピラフ」(700円)。
思いのほか存在感があるエビがぷりぷりとおいしく、大満足のエビピラフです。
さらにエビピラフには、ピラフが登場する前にサラダとスープが出てきます。
サラダは、こちらも昔懐かしい味。
ハムとキュウリがきっちり入ったマカロニサラダ(しかもマカロニはフリッジ!)に、缶詰みかんがおいしい!
昭和生まれなので、子どもの頃の"おいしい味"を幾度も思い起こしながらいただきました。
懐かしさと一緒に味を楽しめるのもコーヒールームきくちの居心地のよさです。
ちなみに、カトラリーを丁寧に紙ナプキンで包んでいる点も、正統派喫茶店の証のように感じます。
そして食事を十分に堪能したあとは、やはり、気になるのがデザートです。
もちろん、一番気になったのは「コーヒールームきくち」の絶大な人気を誇る歴史もあるメニュー「ソフトクリーム」。
この日も、お店の中に入らずともソフトクリームが買えるテイクアウト専用窓口には、次々と車で訪れるお客さんがソフトクリームを購入するために列を作っていました。
店内では、ソフトクリームのほかにも先に挙げたパフェなど以外に「ケーキ&ソフトクリームセット」(900円)もいただけます。
そして気になるソフトクリームのフレーバーは、バニラソフトのほか「モカソフト」が。
ふたつの味をミックスしたミックスソフトもあります。
なかでも特筆したいのは「モカソフト」。
色は茶ですが、チョコレートではなく、コーヒーフレーバーなところがおすすめポイントです。
というのも、函館ではコーヒーソフトクリームを提供するお店は多く、老舗喫茶店のこちらでは、美鈴コーヒーを使ったオリジナルの「モカソフト」を提供しているそう。
こちらのお店オリジナルのモカソフトだそうです。
コーヒーのほろ苦さが甘いソフトクリームの味を引き締めてくれる、オトナな味のソフトクリームは、おかわりをしたい危険なおいしさです。
そしてもう1点、おすすめのドリンク。
暑い日にも、そして北海道の乾燥した冬にも喉を潤したいドリンク「氷カフェコーヒー」(500円)!
凍ったコーヒーと牛乳のバランス、そしてシャリシャリさせながら食べ飲む楽しさに魅了されました。
函館を訪れたら、必ずやいただきたいコーヒーフレーバーのソフトクリームに後ろ髪をひかれつつ、「コーヒールームきくち」を後にしました。