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(前回までのあらまし)ロサンゼルスから2泊3日の予定で乗り込んだアムトラック、サウスウェスト・チーフ号は予定より12時間の大幅な遅れが発生し、深夜2時過ぎにシカゴ・ユニオン駅に到着しました。半日分の遅延によってワシントンDCへの乗り継ぎも翌日に持ち越しとなり、急遽シカゴで1泊することになりました。
目次
深夜にアメリカ中西部の大都市、シカゴに到着し、次のアムトラックの出発まで約15時間も待ち時間が出来たため、急遽市内に宿を取り、翌朝シカゴの中心部を散策することにしました。
シカゴ到着時にアムトラック側から乗り継ぎ客全員に駅近くのホテルへ無料で手配はしてもらえたのですが、そのアナウンスを知る前に深夜到着を憂慮して、自分で予約していたシカゴ・ヒルトンにチェックインしました。たまたまヒルトン系列のサイトの会員登録で携帯にヒルトンホテルのアプリを入れていた関係で、まだ移動中のアムトラック車内から急遽予約を入れることが出来ました。さらに深夜0時過ぎでもチェックインが可能であることを電話でも確認できたので、女性の一人旅としては大変心強いことでした。駅からホテルの移動も、深夜遅すぎるためかタクシーも殆ど走っていなかったので、これもアプリを使ってUberを利用しました。
ヒルトン・シカゴの建物は1927年に建築された非常に歴史のあるもので、「ホーム・アローン2(1992年)」「マイ・ベスト・フレンズ・ウェディング(1997年)」など多数の映画の舞台にも登場していることから、アメリカのナショナル・トラストによって全米の歴史的ホテル25選に選ばれています。目の前にミシガン湖とグラント公園があり、周囲の散策にはとても良い立地です。
シカゴといえば、冬は「ウィンディ・シティ(風の街)」と呼ばれ、寒さの厳しいところですが、訪れた日はまだ9月上旬の過ごしやすい陽気で、公園の緑も美しく、散策に最適の一日でした。
ホテルから徒歩圏内に博物館、水族館、美術館など文化面も充実しており、2~3日滞在期間があればゆっくり観光してみたいエリアです。
シカゴ・ユニオン駅(ユニオン・ステーション)はアムトラックで最も主要な駅で、多くの長距離路線の乗換駅となっています。ちなみにユニオン・ステーションという名称は複数の鉄道会社が乗り入れている駅という意味であるため、アメリカ国内にはLA、ワシントンDCなど<ユニオン・ステーション>と名付けられた駅がたくさんあります。ターミナル駅だけに駅舎もレトロな豪華さで、特に待合エリアのホールには大理石の大階段が二か所あり、その一つは映画「アンタッチャブル」(1987年)の重要なシーンで有名です。LAのユニオン駅よりはシカゴのユニオン駅の方がフードコートも充実しており、待合エリアも広いです。またアムトラックの寝台車利用の乗客であれば、アムトラックの専用ラウンジを利用することもできます。発着案内の方法も基本はLAの時と同じく、乗車案内が始まるまでプラットフォームへ行くことは出来ず、待合エリアかラウンジで待ちます。
乗車前にアムトラックから前夜にもらったミールクーポン(遅延によって乗り継ぎできなかった旅客に配られた)を使って、駅構内のフードコートで夕食も購入しておきました。
さて、ようやく乗り継ぎの列車に乗車する時間になりました。当初乗る予定だったキャピタル・リミテッド号は午後6時40分発でしたが、1日遅れで振り替えられた列車は、午後5時55分発のカージナル号でした。どちらもシカゴから同じくワシントンDC方面へ向かいますが、途中のルートが異なり、キャピタル・リミテッド号は北回り(ペンシルバニア州を経由して南下)、カージナル号は南回り(ウェストバージニア州、バージニア州を経由して北上)します。
LAからシカゴまで乗ってきたサウスウェスト・チーフ号には全二階建ての客車で展望車も付いていましたが、カージナル号は展望車は無く、普通座席の車両も二階建てではありませんでした。一方、普通席のシートは同じ構造で、シートピッチも十分に広くありました。座席指定も、乗車前に駅のチケットカウンターで手書きの座席番号を手渡されました。カージナル号は定刻通りにシカゴ駅を出発、あともう一泊の車中泊のスタートです。(第5回ルポへつづく)