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(前回ルポ④までのあらまし)アメリカのメインランド(本土)を網羅する唯一の長距離鉄道路線、アムトラック。ロスアンゼルスからシカゴ経由でワシントンDCまで、全て普通座席の列車旅に挑戦しました。LA~シカゴを結ぶサウスウェスト・チーフ号は12時間遅れで深夜のシカゴ着となり、乗り継ぎ便待ちのために急遽シカゴで一泊してつかの間の街散策を楽しみ、二本目の夜行列車、カージナル号に乗り込みました。
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シカゴからの乗り継ぎで利用したカージナル(The Cardinal)号は、シカゴからいったん南下して、インディアナ州、オハイオ州、ケンタッキー州、ウェスト・バージニア州、バージニア州を経由してワシントンDCに入り、そのあとは北東に向かってボルチモアやフィラデルフィアなどに停車したのち、最終目的地のニューヨーク・ペンステーションへ向かう運行ルートでした。ワシントンDCへは他にもキャピタル・リミテッド号Capital Limitedがありますが、こちらはオハイオ州の北部クリーブランドやペンシルバニア州を経由して、最終目的地がワシントンDCとなる列車です。
南側に迂回するようにルートを取るカージナル号に乗車したので、当初乗車予定だったキャピタル・リミテッド号より約6時間長い乗車時間(約24時間)となりました。荒野や平原を走ることが多かったサウスウェスト・チーフ号と違い、オハイオ州のシンシナティ、インディアナ州のインディアナポリスといった地方都市を通過することが多く、夜中でも町の明かりが多いエリアを走っていました。
シカゴまですでに12時間の遅延を経験していたので心配していたのですが、予想に反してカージナル号はシカゴからほぼ定刻通りに運行し、ワシントンDCにも午後6時半ごろに到着しました。ロサンゼルスで預けていた手荷物も、既に手荷物受取場に届いており、最後はトラブルなく鉄道旅を終えることができました。
ほぼ5日間乗りっぱなしのアムトラック大陸横断旅を体験してみて気づいた鉄道旅の長所・短所をまとめてみました。
アムトラックの旅は、アメリカ国内にもLCC(格安航空会社)が拡大している昨今では、値段と時間のバランスを重視する旅客にとっては選択肢に入らないかもしれません。しかし、列車旅はある程度時間がかかるからこそ、日常の喧騒から離れ、のんびりを車窓を眺めながらアメリカの大きさを改めて実感できましたし、今回のような遅延ハプニングも含め、時間をかけて旅をすることの醍醐味を味わえるところに楽しみがあると感じました。
<アムトラックの一般席で大陸横断~5日間体験ルポ・完>