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大埔(Tai Po)にある香港鉄路博物館(Hong Kong Railway Museum)ですが、大埔墟駅(Old Tai Po Market Railway Station)が建設されて110周年を迎えることを記念してリニューアルオープンしました。新装オープンにあたり2021年まで現役だったディーゼル機関車(60号車)である「喬沛德號(Peter Quick)」が新たに展示ラインナップに加わりました。
今の博物館がある旧大埔墟駅は、110年前の1913年に完成しました。1983年になると路線が電化されることになり、今の場所に駅は移動しました。現在の博物館は旧駅の跡地を再利用しています。下の写真でもわかるように旧駅が完成した時、香港で唯一の中国建築様式の駅でした。博物館内は、当時の様子が分かる貴重な写真や1949年8月22日付の2等車の切符(25セント)なども展示されてます。
車両は、1974年に導入された機関車で香港の路線区内で客車をけん引してきました。前述のように1983年に電化されると、今度は貨物車両などを引っ張る機関車として活躍していました。しかし、東鉄線(East Rail Line)が金鐘(Admiralty)まで延伸する際、香港鉄路(MTR)は新しい信号システムを導入したため、喬沛德號に組み込まれている信号システムでは走行することが出来なくなり、2021年に引退しました。
その後、MTRは60号車をメンテナンスしていたので、基本的に保存状態は良く、展示に向けては塗装関係の補修などをするだけで済んだそうです。香港鉄路博物館も歴史を重ね、展示車両のコレクションが徐々に増えてます。これからの拡充も楽しみです。