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広東料理の名店である「蓮香楼」が銀座にプレオープンしたので、取材してきました。同店は1889年に広東省広州市で中華菓子を店として創業し、その後、中華料理の店に発展していきます。1918年にはお隣の香港にも進出しました。ただし、戦後になると広州と香港の資本が分かれ、別々の道を歩いています。
香港の店は、昼はワゴン式の飲茶をする数少ない店として、夜は中華料理店として、地元の人にも、観光客にも知られていましたが、新型コロナウイルスの影響を受けて2022年8月に閉店。今は姉妹店の「蓮香居」が残っているだけです。一方、広州の蓮香楼は、コロナ禍でもがんばって経営を続けており、今回、日本で「御膳房」や「百菜百味」などといった中華料理店を運営する東湖と提携して銀座に進出してきました。
店は松屋の横という銀座のど真ん中にあります。店は約40坪、12テーブルあり約50人が収容できます。インテリアは木を使って落ち着いた雰囲気にしているほか、窓際の席は大きなガラスなので自然の光が入ってきて明るい雰囲気にもなっています。
同店オススメの料理ですが、まずは飲茶から。「チャーシュー包」(2個800円)です。小さく刻まれたチャーシューの歯ごたえが良い一品です。「ホタテ焼売」(2個1080円)ですが、エビではなくホタテが入っているのがポイントで、エビの味に慣れているだけにホタテの味は新鮮です。「海老餃子」(2個800円)は、香港式にいえばいわゆる「蝦餃」で、日本人ナンバーワンとも言える人気メニューです。「ニラ海老餃子」(2個800円)はニラが入った蝦餃ですが、ニラというアクセントが欲しい方はこちらの方をオススメします。
北京ダックならぬ「広東式ダック」(2800円)は、旅館で夕食で出される料理ではないですが、ローソクに火をつけて皿を温めて食べます。北京ダックは基本的に皮を楽しみますが、広東式は肉も一緒に味わいます。また、あずきを煮詰めたのが付け合わせで来るのですが、これも食べると止まりません。「香港チャーシュー」(2200円)は、程よい甘さのチャーシューです。しょうゆベースのタレと日本の支店らしく梅がベースとなっているソースの2種類があります。特に、梅のソースはさっぱりしていて日本の味は予想以上に中華料理にあいました。
通常メニューも「車海老の広東スパイシー炒め」(2800円)、「大根餅のXO醤炒め」(1980円)、「香港炒飯」(1980円)、「和牛と湯葉の酸湯煮」(5800円)といったものから、広州コース(9品8000円)、「香港コース」(9品1万8000円)といったコース料理がもあります。ランチも、7品が出てくる「点心ランチコース」(3880円)、点心のほか酢豚などが提供される「特選ランチコース」(5800円)などもあります。
中華菓子が発祥ということで、こちらでは中秋節に食べられる月餅が1年中購入することもできます。
客層は日本人は3割程度で、残りは基本的に日本に住む中国、香港、台湾の人が圧倒的に多いそうですから、中華系の人に支持された味と言えるでしょう。正式オープンは11月15日ですが、すでにプレオープンしているので、待ちきれない人は早く訪れてみてください。