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ポートワインは、「ポルトガルの宝石」とも称されるポルトガル自慢の名産品です。
日本だと一世を風靡した「赤玉ポートワイン(現スイートワイン)」から、ポートワイン=「赤くて甘いワイン」と理解している人もいるかもしれませんね。
確かにポートワインの特徴は、濃厚なコクと甘さ。そしてアルコール度数が強い酒精強化ワイン(醸造過程でブランデーなどのアルコールを添加することでアルコール度数を高めた保存の効くワイン)だということです。スペインのシェリー、ポルトガル・マデイラ島のマデイラワインと並ぶ世界三大酒精強化ワインの1つにも数えられています。
ポートは酒精強化ワインには珍しく赤ワインが大半で、イギリスを筆頭に世界で愛されてきました。
ポートワインのポートは、世界遺産都市「ポルト」の英語読み。ポルトからドウロ川を挟んだ対岸の街、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(Vila Nova de Gaia)にはたくさんのポートメーカーがあります。
ポルトへ出かけるならぜひ本場の「ポートワイン」を堪能してみてください!
昔からポートの熟成場所として知られるヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアにはたくさんのポートメーカーがあり、どこを訪れるか迷ってしまうと思います。
今回、ご紹介する「テイラーズ(Taylor's Port)」は1692年にイギリス人によって創設された最も歴史あるワイナリーの1つ。ポートワイン愛好家から厚い信頼を得ている老舗です。川沿いではなく、少し離れた丘の上という立地のため、少しアクセスが悪いと感じる方もいるかもしれませんが、その分、ドウロ川と対岸ポルトの美しい景観も楽しめます。
こちらのツアーは、日本語にも対応した13ヶ国語の音声ガイドで、自分のペースで自由に見学できるスタイルです。なので平均所要時間は1時間とのことですが、サクッと30分程度で見学を終えてもいいですし、じっくり半日くらい長居してもOKです。ただし、試飲の時間は最低30分は見積りましょう。
ポートの香りが漂う熟成庫、ポートワインの作り方やその種類、また歴史を学ぶエリアやショートフィルムを上映する部屋まであり、ツアーのコンテンツは盛りだくさんです。また敷地内には孔雀がいたり、レストラン"Barão de Fladgate(https://www.baraofladgate.com/en/)” やショップもあったりで、かなりゆっくりできると思います。
ポートワインについて学んだ後は、実際にワインを味わうことができます。ツアーには2種類のポートワインの試飲と缶入りのポートトニックカクテルが含まれますが、もっといろいろ飲んでみたい!という人は、さらに追加でオーダーすることも可能です。
真っ赤なビンテージポートや少しドライなホワイトポートも美味しいですが、できれば長く寝かせた琥珀色のトゥニータイプのポートも試してみてください。葉巻と合う、とよく言われますが、そのまろやかさと複雑な味わいに驚くはずです。
ただし通常のワインよりもずっとアルコール度数が強いので飲み過ぎにはご注意ください。
ちなみに「ワインツーリズム」に興味のあるワイン好きの方なら、2010年にオープンしたお向かいの高級ホテル「The Yeatman Hotel」も要チェックです。Taylor'sのスイートルームやなんとワイン樽を利用したベッドもあります。おいしいお酒とお料理、それに宿泊はもちろん、ミシュランガイド2つ星というレストランも素敵ですよ。
世界遺産都市の魅力をゆっくりと味わうオトナの旅行にぜひどうぞ。
(撮影by東リカ)
※撮影写真の掲載許可をいただいています。
※写真の無断転載禁止