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サローム(こんにちは)!
私事ですが、主夫としてタシケントに住んでいた2年前、青年海外協力隊としてサマルカンドに赴任してすぐだった1年前に続き、またこの国で年越しを迎えることになりました。まさか3年連続でウズベキスタンで年を越すことになるとは、3年前は予想だにできませんでした……。
この年末は1年の疲れを癒やすために、サマルカンドとタシケントでそれぞれ泊まりたかったホテルに奮発して宿泊。いずれも泊まる価値大ありの大満足のホテルだったので、このブログでも紹介してまいります。まずはサマルカンドのコシュハウズ・ブティック・ホテルから。
去年オープンしたばかりのまだ新しいホテルですが、瞬く間に観光客の間で人気のホテルに。その最大の魅力は、何といってもその立地。路地が入り組む旧市街の真っただ中にドーンと建っているのです。今までサマルカンド旧市街にある宿といえばバックパッカー向けのホステルやゲストハウスが多く、価格帯が比較的高めでインテリアや設備などにこだわったこのようなブティックホテルができたのは画期的なこと。観光地にも近く、レギスタン広場やビビハニムモスクへは徒歩たったの10分。
ホテルは3階建てで、中庭を囲むように客室が並んでいます。この中庭は伝統的なウズベク人民家には必ずあるもので、このホテル全体が伝統家屋を現代風にアレンジしたスタイルになっているのです。風情と快適性を両立した見事な建築デザインになっています。
なおホテル名のコシュハウズはホテルの前を走る通りの名前から来ていますが、ハウズとは池の意味で、もともとはこのエリアに憩いの場として使われていた池があったとのこと。まさにサマルカンドの人々の営みが脈々と続いている地域にこのホテルが建てられたわけで、周囲の建物と調和したようなこのデザインは歴史や地域住民へのリスペクトを感じます。
それでは客室の写真をお見せしましょう。3つのカテゴリーの32の客室があるうち、私が泊まったのはスタンダードダブル。最も安い価格帯の客室で、部屋の広さは20平米ほど。一見するとあまり広く見えませんが、テーブルや椅子が効率的に配置されているからか、ベッドの横幅がとにかく広いからか、なかなかの居心地のよさを感じます。
客室もインテリアにこだわりまくっているのが目を引きます。木材がふんだんに使われているので心安らぐ木の香りが漂い、特に天井にはこの国が誇る伝統工芸の美しい彫刻が施されています。
バスルームにはバスタブついてるだけでもうれしいのに、その壁面にはこの美しいタイル装飾が。客室に限らずホテルじゅうで見られるこのタイル装飾は、国内の陶器一大産地であるフェルガナ盆地、さらにはトルコやモロッコから調達したとのこと。
またこのホテルには無料のお茶とドライフルーツのサービスがあり、客室でゆっくりいただくことができます。そう、家に招いたお客にお茶とドライフルーツを振る舞うのも、ウズベキスタンの人々の習慣。このホスピタリティあふれる習慣を、このホテルに泊まるだけで体験することができるのです。
このホテルの目玉が、屋上にあるレストランとジャグジー。屋上レストランもインテリアがすばらしく、写真映え間違いなし。ウズベキスタン伝統の絣模様のテーブルクロスやクッションで彩られたタプチャン(中央アジアでよく見られる、座って食事ができる巨大ベッド)もあり、夏にここに座って肉料理を食べつつビールを1杯などやれば最高でしょう。レストランは宿泊者でなくても利用可能です。
レストランの隣にある屋上ジャグジーはオープンエアで開放感満点。日本人なら真っ先に露天風呂をイメージするでしょう。サマルカンドで露天風呂なんて何という贅沢……。
気温が下がるオフシーズンは屋上レストランやジャグジーはクローズしてしまいますがご心配なく。地下にもレストランとサウナがあり、通年営業しています。
サウナは温水プールつきのフィンランド式サウナ。もちろん貸切なので、ファミリーやグループなどでワイワイ楽しめます。屋上ジャグジーともども、利用したければフロントで空き時間を聞いて予約を入れましょう。私が入った時は、せっかく予約を取ったのに中に入ってみると他のゲストが悠々入浴しており、予約なしで勝手に入っちゃったみたい! ゴメンゴメン! とスタッフが平謝りしてくるプチトラブルが起こりましたが(笑)
気になる宿泊料金は、スタンダードルーム1室150ドルから。サマルカンドのなかでは高めのホテルになりますが、便利な立地で快適に滞在でき、料金以上の満足度が得られるはずです。今までこのクラスのホテルは少々不便な立地にあることが多い一方、先述の通り観光エリアに建つのは低いクラスの宿が中心で、お湯が出ずらい、ネットが繋がりにくいなどの口コミが散見され、どのホテルも一長一短で誰もが満足できるようなおすすめ宿が少ない印象だったのが今までのサマルカンドのホテル事情でした。コシュハウズ・ブティック・ホテルはそうした欠点をほぼカバーしており、誰にでも自信をもってすすめられるホテルがようやく誕生したと言えます。
なお以前の記事では4つ星大型ホテルのモーベンピック・サマルカンドを特集しています。ホテルをお探し中の方はぜひこちらも合わせてご覧ください。
93. リニューアルして生まれ変わった立地抜群の4つ星ホテル、モーベンピック・サマルカンド
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!