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ドイツではクリスマスマーケットやクリスマスの時期が終わったら、年末はどんな雰囲気なのでしょうか。今年はどこにも遠出することなく住んでいる街でゆっくりしたことで、じっくり年末を過ごせて、町の様子を観察できました。渡独後2回目の年越しでわかってきたことをお伝えします。
ガチョウ焼き ゲンゼブラーテン(Gänsebraten)
少し時間はクリスマスに遡らせていただきます。
我が家は日独夫婦ということもあり、クリスマスの時期はクリスマスらしい食事をいただきました。夫作のこのドイツ料理は「ゲンゼブラーテン(Gänsebraten)」と言います。
ガチョウ焼き、という名前です。
オーブンでじっくりと味付けしたガチョウを焼き、周りの付け合わせは「クネーデル(Knödel)」というジャガイモのもちもちしたお団子のようなものと、「紫キャベツ・ロートコール(Rotkohl)」をリンゴやシナモンなどで味付けしたものと一緒にして出すのが伝統的なスタイルだそうです。
お肉がジューシーで、紫キャベツは甘めの味付け&シナモンの香りが漂い、クリスマス感を盛り上げてくれ、特別なディナーに感じました。
ラクレット(Raclette)
ラクレットは、年末の人が集まるような時期にぴったりの楽しい料理です。
それぞれがミニフライパンを持ち、ホットプレートの上で自分の食べたい材料をミニフライパンにのせたプレート上で焼き、その材料の上に専用のラクレットチーズをかけてチーズを溶かし、最後にじゃがいもやバゲットにそのチーズ掛けされた材料をのせて食べるというスタイルです。
ラクレットは、もともとスイスから伝わってきた食文化ですが現在ドイツではとても一般的に食べられる人気の食事です。
写真の通り、大量のラクレット用チーズがスーパーで売られています。
チーズ自体は正方形の形をしています。香りは結構強めのチーズですが、実際食べてみるとくせが無く、マイルドでどんな食材にも合うとおもいます。
チーズと一緒に食べる食材は各家庭によって異なると思いますが我が家では、
玉ねぎのみじん切り・ベーコンの角切り・ピクルス・コーン・マッシュルームが定番です。
あとはその時々で食べたいものを買ってきています。
食材をミニフライパンで焼くときは、バターを少量引いて焼きます。
それも美味しさの秘訣かもしれません。ただ、カロリーは…
ラクレット専用ホットプレートには、大体8人分くらいまで同時に対応できるミニフライパンが付属して売られています。
クリスマスが終わり年末になると道端で目にするのが、生の木のクリスマスツリーの残骸です。
家庭によっては年越しもクリスマスツリーを飾ったままにする家庭、クリスマスが終わればもう廃棄する家庭などさまざまです。
ドイツではこのクリスマスツリーの回収がゴミ回収と同様に行われており、各管轄地域の回収業者からいつ回収予定かホームページ上で発表されています。
フランクフルトでは、1月の第二週目から回収が順次始まるようでした。
回収に出す際は、デコレーション関連は全て外し、ツリーは1メートル以内の長さにしてください、と書かれていました。我が家は年始までツリーを保持予定です。
年末にスーパーへ出かけたところ、売り場のひとつがブタのマジパンでできたお菓子で埋め尽くされていました。
ドイツではブタが「幸運を運ぶシンボル」として扱われているためです。
由来を調べてみたところ、中世期まで時代は遡ります。当時ブタは神聖な存在とされており、保有者は裕福であったことから、現在は「幸運を運ぶ象徴」になっているそうです。
このブタのお菓子を、大晦日(ドイツではジルベスター「Silvester」といいます)に贈りあう習慣があるため大量のブタのお菓子が売られています。
いろいろなバリエーションのブタが可愛いです。
日本でも幸運の象徴でお馴染みの四つ葉のクローバーとセットになっているものばかりでした。
ドイツと日本の決定的な年末の過ごし方の違いは、「花火」です。
正確には、この時に販売されるドイツの花火は花火というより「爆竹要素が含まれた打ち上げ花火(Böller)」と言えるかと思います。
そのため、使用するとバーンと音が鳴ります。
この音が“悪霊を追い払う”という一説から、こちらの花火は着火と共に爆音が鳴り響くようです。
スーパーやドラッグストアなどでは年末に花火や爆竹が売られ始めます。
新年を迎えると一斉にそこらじゅうで打ち上げ花火があがったり爆竹の音が響きわたり、新年を祝う様子が見られます。
そのため外に出ているとみんなの花火の煙で、行く先が煙で曇る現象に去年は遭遇しました。
また、花火による事故で救急車や消防車が駆けつけるといった事態も現実では頻発しています。
そのため、各大都市部では「花火禁止エリア」まで設けられるようになっている事態です。
残念ながら新年のニュースが、危険な花火による事故のニュースから始まることも。
大晦日は静かにテレビを見たり、お参りに行ったりする日本人とは真逆のドイツ。カルチャーショックです。
以上、ドイツの年末の様子をお届けしました。皆さんはどんな2023年だったでしょうか。
私にとって今年はこちらでブログを書く機会をいただき、新たな挑戦になりました。
来年も引き続き執筆に励みたいと思っていますので、来年もどうぞよろしくお願いいたします。
読んでいただき、ありがとうございました。