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モントリオールからボンジュ~ル!
皆さんこんにちは。モントリオール在住、カナダ特派員のNAMIです。
カナダといえばメープルシロップですよね!
カナダの顔ともいえるメープルシロップですが、実はカナダで生産されるメープルシロップの95%はケベック州でつくられています。
メープルシロップの収穫は毎年2月~4月にかけての時期で、春の訪れとともにメープルシロップを収穫しているシュガーシャック(フランス語でCabane à sucre:カバナ・シュークル)ではメープルの収穫を祝い、皆でケベックの伝統料理を頂くのがケベック州では恒例になっています。
メープルの樹液(L’eau d’érable:ロー・デラーブル)とシロップの作り方は、フランス人が入植する以前に先住民族が発見し、寒い冬に耐えるための重要な栄養源のひとつでした。
落葉樹はすべて幹に傷を入れると甘い樹液が出ます。
世界中には150種以上のかえでの木がありますが、そのうちメープルシロップの製造に不可欠なかえでの樹液を供給できるのは4種だけです。
そのなかでも最も糖分の高いのが砂糖かえでの木で、砂糖かえでがあるのは、東部カナダとアメリカ北東部のみです。
砂糖かえでの存在を知った入植者たちは、先住民族に習いシロップをつくり始めました。
当初は斧で木の幹に傷をつけて、そこに木片や金属板を差し込んで下方に置いた入れ物に樹液を集めていましたが、
19世紀になると、中央に穴の開いた直径1.2cm前後の木製の筒を2cmの深さに差し込んで樹液を流れやすくしました。
19世紀後半には金属製の筒とバケツを使うようになりました。バケツは寒さで凍ってもヒビが入りにくいということで、だ円形の形をしています。
木を傷めない上に、より多くの樹液を少ない労力で採取出来るので、1970年代後半から真空ポンプを使ったチューブ式へと変わりました。
本日ご紹介するのは、ケベック州に20,000以上あるシュガーシャックの内のひとつ「Sucrerie de la Montagne(シュクルリ・ドゥ・ラ・モンターニュ)」です。
こちらのシュガーシャックは家族経営のシュガーシャック(砂糖小屋)で、アットホームなシュガーシャックです。
駐車場では馬車がお出迎えしてくれ、徒歩5分ほどの距離ですが、食堂のある母屋まで馬車に乗って行きます。
食事中は伝統音楽の演奏や参加型アクティビティなどあり、とても楽しい雰囲気です。
そして、何と! こちらのシュガーシャックは2024年のフィギュアスケート世界選手権にペアで出場したりくりゅうこと三浦璃来(みうら りく)さんと、木原龍一(きはら りゅういち)さんも訪れたことのあるシュガーシャックなのです。
ファンの皆さんならぜひ行ってみたいですよね!
こちらのシュガーシャックは、1年中オープンしていますが、事前予約が必要です
馬車:100人以上の予約が入っている場合のみ
音楽の演奏:40 人以上の予約が入っている場合のみ
※予約日に馬車や音楽の演奏のサービスがあるか、電話でお問い合わせください
まず母屋に入って予約があることを告げ、料金を支払います。
料金はウェブサイトの料金++税金+任意のチップです。
料理はシュガーシャックによって多少違いますが、伝統的なメニューはというと……
【前菜】
・自家製ピクルス、ビーツ、ケチャップ、メープルシロップ
・パン
・豆のスープ
【メイン】
・オムレツ
・メープル風味の燻製ハム
・メープルシロップ漬けソーセージ
・カリカリベーコンラード
・豆のメープルシロップ煮
・ゆでじゃがいも
【デザート】
・プディング・ショマー(ケベック州伝統ケーキ)
・メープルシュガータルト
・パンケーキ
といったところでしょうか。
こちら「Sucrerie de la Montagne」のメニューは、
先ずは豆のスープから。
そしてふかふかの卵焼き、豆の甘煮、ベーコン、ミートパイ、マッシュポテトと続きます。
デザートはメープルシロップをつかったシュガーパイとパンケーキです。
郷に入れば郷にしたがえ
これらのお料理にたっぷりとメープルシロップを垂らして食べるのがケベック流です!
食事の合間に、伝統的なケベック州のフォルクローレ音楽の演奏や、木のスプーンでリズムを取って歌を歌う楽しい余興などが行われます。
こちらのフォルクローレは「Sucrerie de la Montagne」の音楽演奏ではありませんが、こんな感じの音楽が演奏されています。
参考に聞いてみてください。
母屋のすぐ横にはお土産を売る小屋(売店)もあります。
お土産にメープルシロップはいかが?
各シュガーシャックで売っているメープルシロップは、そのシュガーシャックで採れたメープルシロップだけをつかって生産された商品です。
スーパーで売られている生産者の記載されていないメープルは、同じグレードのものが1ヵ所に集められ、混ぜて作られています。
自分の好みのシュガーシャックを見つけて毎年買うのもいいですね。
こちらのシュガーシャックは昔ながらの採取法を利用してメープルシロップを採取しています。
バケツから1滴1滴落ちるメープルの樹液はほんのり甘かったです。
昔ながらの採取法でメープルシロップを採取しているシュガーシャックもあれば、1970年後半から登場した真空ポンプを使ったチューブ式使って、木の幹から直接採取場に集められる最新式の採取法を使ったシュガーシャックもあります。
集められたメープルの樹液、40Lの樹液を104℃の一定温度で煮詰めると1Lのメープルシロップができます。
104℃よりも少し高温で煮詰めるとメープルバターができ、115℃で煮詰めるとメープルタフィー(Tire d’érable)という、日本でいう「やわらかいべっこう飴」ができます。
そしていちばん高い123℃で煮詰めるとメープルシュガー(砂糖)になります。
雪や氷の上にメープルシロップを垂らし、くるくると棒に巻き付けて食べるメープルタフィーは子供たちに大人気です。
本日は、そのメープルシロップをつくっている、家族経営のシュガーシャック(砂糖小屋)「Sucrerie de la Montagne(シュクルリ・ドゥ・ラ・モンターニュ)」をご紹介しました。
最後までお読みいただきありがとうございました。
À très bientôt(また近いうちにお会いしましょう)