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香港のアカデミー賞にあたる金像奨はこの4月に開催されましたが、史上最多の6回目の主演男優賞を受賞したのが梁朝偉(トニー・レオン)です。彼が日本を絡めたスパイ映画に主演した『無名(Hidden Blade)』がゴールデンウィーク後半の5月3日より全国各地で順次公開されます。
時は1940年代の上海。欧米列強と日本が上海を支配していきますが、日本から送り込まれたスパイと中国側から送り込まれたスパイが、極秘の任務を遂行していく様子を描いた映画です。
出演は、中国側のスパイ役であるトニー・レオン、日本のスパイを演じる中国の人気俳優、王一博(ワン・イーボー)のほか、中国のトップ女優、周迅(ジョウ・シュン)、森博之らの実力派がその演技力を見せてくれます。
作品は、帝国主義時代ならではの緊張感をうまく描いているほか、スパイ映画なので、誰が誰をいつ裏切るのかなど、一息つかせてくれません。『敵の敵は味方』ような状況を巧みに描いています。また、登場人物の背景や恋愛感情など人間味を加味しながら政治に翻弄されていく姿がみられるほか、当時の香港という場所の位置づけも理解できます。
日本について、中国や香港側から描いた映画なので、こういう海外作品もありうると思ってみると、視点の違いなどが感じられる映画にもなっています。