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「台北に行くなら、たくさん食べ歩きたい」なんて人も多いはず。でも、ローカル店も有名店も捨てがたいので迷っちゃう……という方も多いのではないでしょうか。今回はそんな人が押さえておきたい、おいしいお店をピックアップ。台湾在住でプロサッカー選手として活動している一柳夢吾(いちやなぎ ゆうご)さんに、おすすめのお店をご案内いただいたので、ご紹介します。
台北に到着し、ホテルのチェックインを済ませたあと、まず向かったのは「台湾本店京鼎樓」。日本でも、店舗展開しているのでなじみがある方も多いかと思いますが、本店はMRT中山駅から徒歩約5分ほどのところにあるんです。本店は地元の人からも人気で混み合うこともあると聞いたので、17:00のオープン時間を目指してうかがいました。
ワクワクしながらメニュー表を開くと、小籠包や蒸し餃子がズラリ。どれもおいしそう迷ってしまいます。そんななか、まず注文したのは乾杯の「台湾ビール18DAYS」。やっぱり乾杯と言えばコレ! 写真のグラスは「台湾啤酒」ですが、中身は賞味期限が18日だけの奇跡のビール「台湾ビール18DAYS」です。加熱処理をしていない生ビールのため、現地でしか楽しめない"とっておき"の1杯。苦味や酸味など雑味がほとんどなく、ほんのりとした甘味が広がり、穀物の香りがふわりと立ち上がります。小籠包とも相性抜群で、グイグイ進んでしまいます。
小籠包は種類が豊富なので、おすすめのものを選んでいただきました。定番の「小籠包」から、ちょっと変わった「海老とへちま小籠包」、お野菜たっぷりの「野菜入り蒸し餃子」まで、6種類ほどをセレクト。注文方法はメニューと個数を選んで注文票に書き込み、店員さんに渡せばOKという非常にシンプルな形式なので、初めての方もぜひチャレンジしてください。
運ばれてきた小籠包は、どれも透き通るほど極薄の皮で感動もの。口の中でジュワッと広がる肉汁が、これまた食欲をそそります。個人的にはお魚の旨みごギュッと閉じ込めた「鮮魚蒸餃(お魚入り蒸し餃子)」と、食感のいい「蝦仁絲瓜小籠包(海老とへちま小籠包)」が気に入りました。「ヘチマって、こんなにおいしかったんだ」と新発見。薄皮にサッパリした「ヘチマ」の味わいと食感が加わり絶品。これだけを食べに「本店をリピートしたい」と思わせてくれる主役級の小籠包でした。
「京鼎樓」を出たあとは、地元の人が集まる「南機場夜市」へ。こじんまりとしていますが、観光用の夜市ではなく、ディープな感じのお店が立ち並びワクワクしてしまいます。夜市をいちばん奥まで進むと、行列を発見。実はここ、「ビブグルマン」を獲得した焼餅の名店があるんです。
店名は「無名推車焼餅」。日本語で、「名もなきリヤカー焼パン屋台」という意味なんだとか。あんを詰めてからその場で、どんどん焼き上げていくのですが、ノンストップで焼き上げる様子は職人技。メニューは、長焼餅(葱入り)、鹹酥餅(豚肉入り)、紅豆餅(小豆入り)、甜酥餅(砂糖蜜入り)の4種類。各15元というローカル価格で楽しめます。
豚肉とキャベツで仕上げた蒸し餃子。シンプルだからこそ味がストレートに出ますが、台湾在住の一柳選手にも「台北のなかでいちばん好き」といわせるほどの一品です。「安いし、屋台だし」という心構えで行くと、いい意味で予想を上回ってきてくれます。ひと口サイズで食べやすく、多少お腹がいっぱいでもおいしすぎてペロリと平らげてしまいました。
食べ歩いていたらのどが渇いてきたので、入口付近のジューススタンド「美蘭阿姨果汁吧」へ向かいました。こちらは南機場でも名物的存在のお店。店頭に積み上げられた色鮮やかな果物が目印です。メニュー表はカタカナ表記があるので、注文するのも安心。
果実を絞ってくれるのは、ジューススタンドを経営している仲良し姉妹。フレンドリーに接客して和ませてくれるのも、人気の秘密です。余計なものは一切加えず、フルーツの甘みだけ。夜市で濃厚なジュースを飲むと「フルーツ天国の台湾に来た」と実感します。ひんやり冷えていて、熱った体をクールダウンしてくれる極上の瞬間。ドラゴンフルーツやゴーヤ、マンゴー、パイナップルなど、種類も豊富なので、お気に入りの1杯を探してみてください。
今回、おいしい食べ歩きをご案内いただいたのは、台湾リーグAC TAIPEI所属の一柳夢吾(いちやなぎ ゆうご)選手。サッカーを通じて日本と台湾の交流促進と地域活性化を目的に活動する「PRØJECT ONE」の中心メンバーです。
自身は東京ヴェルディやベガルタ仙台、ザスパクサツ群馬などでプレーしてきましたが、コロナ禍ではヴェルディユースの後輩たちに台湾からマスクを寄付したことがありました。一柳選手が発起人となり、有志の方の協力もあり行った活動ですが、日本にいる数人から連絡が入り、活動を喜んでもらえたことから「PRØJECT ONE」を立ち上げたそうです。
サッカーを通じて日本と台湾をつなぐ架け橋になり、社会に還元していく「PRØJECT ONE」は、サッカーとともに育った一柳選手ならでは。昨年(2023年)は、「PRØJECT ONE」がコーディネーターとなり、東京都八王子市や大学のサッカー部と連携。地元小中学校にサッカーや給食交流などの機会を設けた他、拓殖大学、中央大学、法政大学の各サッカー部による授業交流なども行いました。台湾でも、子どもから大人まで参加できるサッカーイベントを不定期で開催するなど、積極的に活動しています。台湾に訪れたら、食べ歩きを楽しみながら、ぜひこういった活動にも注目してみてください。