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北イタリア最大の湖、ガルダ湖に面した町「シルミオーネ」
ローマ時代からの歴史があり、小さな町ながら城壁や遺跡、湖で湖水浴ができるスポットなど魅力が詰まった町です。
シルミオーネは、ガルダ湖の南側から細長く突き出た形をしていて、岬は湖に囲まれ素晴らしい景色が一望できる美しい町。ヨーロッパ内ではリゾート地としてバカンスの時期には多くの人が訪れます。
おとぎ話に出てくるような町中には、ブーゲンビレアの花が咲き溢れ、湖とアルプスの麓の景色が絶景のコントラスト。
今回は、ローマ時代から避暑地として親しまれたシルミオーネの美しい景色とともに、観光スポットをご紹介します。
シルミオーネは小さい街なので、ミラノやヴェローナ、ヴェネツィアから日帰りでも観光することができます。
ミラノからは、車で約1時間半もしくは電車とフェリーでアクセスできます。
電車で行く場合は、シルミオーネへアクセスするフェリーが運行しているデセンツァーノ(Desenzano)で下車。
デセンツァーノから街の中心地にあるフェリー乗り場までは徒歩約15分、デセンツァーノからシルミオーネまで約20分の船旅が楽しめます。
フェリーを避けたい場合は、デセンツァーノからバスでシルミオーネにアクセスできます。
イタリア北東部にあるガルダ湖の南端に位置するシルミオーネ。旧市街は、小さな半島の先端にあり湖の真ん中に浮いているような町です。
可愛らしいカラフルな建物や多くの緑と花、透き通る湖、旧市街は一般の車は入ることができないので静かな空間。
町の両側が湖に囲まれているので、海のように壮大な美しい湖の景色と雄大なアルプス山脈の麓を望む絶景が堪能できます。
ここからは、湖水浴やお城、遺跡など観光スポットをご紹介します。
シルミオーネのメインエリア、旧市街へと続く橋を渡ると13世紀のスカリジェロ城が佇んでいます。
ヴェローナを支配していたスカラ(スカリジェロ)家のために建てられました。
現在シルミオーネは、ミラノのあるロンバルディア州に属していますが、当時はこの辺りまでヴェネツィア共和国だったのでゲートにはヴェネツィアの象徴である翼を持ったライオンの彫刻があります。
スカリジェロ城の内部には、塔があり上へ登ることができます。
細い階段や狭い道を歩くので歩きやすい靴で行きましょう。
城塞の上部へ到着すると、シルミオーネの町を眺めることができ、岬へと続く湖畔の道、先端部のローマ遺跡を囲む緑、広大な湖の景色が堪能できます。
シルミオーネは、古代ローマ時代の温泉保養施設だった遺跡が残る歴史深い町。
イタリアは、日本と同じように火山帯を有する国でシルミオーネも温泉が涌くエリア。
硫黄が入っていて、耳鼻に治療効果があると言われています。
「グロッタ・ディ・カトゥッロ」は、旧市街の先端に位置し広大な岬の上にあります。
遺跡の名前にもなっている「カトゥッロ(Catullo)」はローマ時代の有名な詩人で、カトゥッロがこの別荘に住んでいたか定かではありませんが、シルミオーネに住んでいたと言われています。
当時のローマ帝国が絶滅するとともに、イタリア半島に多くの民族が侵入しローマ帝国の裕福な街や村を略奪したそうです。その後、廃墟となり年月が経ち植物が生い茂り、長年忘れられていましたが16世紀に発掘が行われました。
古代ローマの人々も見ていたとされる、湖をパノラマで見渡せる絶景ポイントも見逃せません。
ローマ時代からリゾート地とされた遺跡の先には、湖やアルプスの山々の景色が広がっています。
遺跡の敷地内には、発見前に植えられたオリーブの木が多く残っており、最年長の推定年齢は400~500年と言われています。
シルミオーネには美しい小道「ミューズの散歩道」があります。
旧市街に入って、右脇に進むと湖畔沿いを歩くことができる狭い歩道が観光スポットとしてあるのです。
景色を眺めながら歩いていると30分ほどで終着地点に到着します。
湖では、湖水浴を楽しんでいる人々が多くいます。
道幅はそれほど広くありませんが、ベビーカーが通れる広さです。歩き始めと終わりに数段の段差があるので注意してください。
歩いていると時には硫黄の香りが漂い、美しい景色を眺めながら食事が堪能できるカフェスポットもあります。
シルミオーネの最先端にある湖水浴場。
旧市街から歩いてアクセスすることもできますが、中心地から小さなバスも運行しています。
湖沿いには、多くの湖水浴エリアが点在していますが、ジャマイカビーチは小さいながら設備が整っているので湖水浴を楽しみたい方におすすめのスポットです。
設備には、パラソルとチェア、トイレ、脱衣所、バーもあります。
湖は透き通る綺麗な水で、小さな魚が泳いでいる姿を見ることができます。
岩場は、苔のようなものがあるので少し滑りやすいので、ビーチ用の靴があると安心です。
このエリアは、入車禁止エリアで周りは開放的な湖と自然だけでとても静かな空間。
目の前は青い湖、遠く望むアルプスの山々、雄大な自然に包まれ、美しい景色だけが広がる楽園のような場所で湖水浴を楽しんでください。
ルミオーネには、世界で有名なオペラ歌集マリア・カラスが住んでいた家があります。1947年ごろマリア・カラスは、ニューヨークからヴェローナへ。
人気のあるマリア・カラスは、人々から隠れるようにバカンスをシルミオーネの別荘で過ごしていたそうです。
別荘は、今も美しく残り現在は、高級レシデンスとなっています。
サン・ピエトロ・イン・マヴィーノ教会は、シルミオーネ最古の教会。
名前は、森に囲まれた平らな野原を示す方言「navino」に由来。
8世紀に半島の高台に建てられ、鐘楼は11世紀に、現在の教会は14世紀に再建されました。17世紀から18 世紀にかけてファサードは改修されています。
小さいながらも石造りの教会は存在感が大きく、内部のフレスコ画も見どころです。
古代ローマ時代から愛されるシルミオーネ。
温泉や避暑地、時は流れ、現在も変わらずバカンスの地として人々を癒しています。
筆者は、前回シルミオーネに日帰りで訪問し次回は数泊してのんびりしたいと思い、この夏は2泊3日過ごしました。
旧市街内を散策し、石造りのトンネルやおとぎ話のような家々、町の至る所に可愛らしい花が咲き、見ているだけで楽しむことができます。
北イタリアへ行く機会がありましたら、ぜひシルミオーネに訪問して見てください。