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ロンドンでも有数の大規模マーケットがある、カムデン・ロック。
ファッション、ヴィンテージ品、エスニックなインテリア用品、手作りアクセサリーやアート作品などが並び、ショッピング&観光に人気です。
若者カルチャーを色濃く感じるエリアのため、何を隠そう筆者はその昔「ロックやパンクな人達が集まる街だからカムデン・ロックと呼ばれているのね~」と思い込んでいました。
だから実はそのロックはROCKではなく、リージェンツ運河に設けられた水門の一種・閘門(こうもん)= LOCKだと知った時は、とても驚いたものです。
蒸気機関車に始まる鉄道が発達する前は、大量な物品の輸送手段として大きな役割を担ってたのが運河。それで沢山の輸送ボートが行き交うカムデンのロック周辺に、市場が形成されたというわけです。
日本では陸上輸送の発達と、電源開発と利水確保のためダム建設に比重を置いた結果、数少なくなった運河。このロックの仕組みを目の当たりにする機会も減ってしまいましたが、イギリスではまだ健在!
そこで「船のエレベーター」とも呼ばれる、ロックの仕組みを見てみましょう。
以下の画像はウィルトシャー州にある運河のケインヒル・ロックスという、複数のロックが連なる区域のもの。
上の画像で右側の水位と左側の水位に、かなりの高低差があるのが分かると思います。
水位の高低差が大きい運河で、水位を調整して船を通過させるために開発されたのがロック。その多くは18世紀後半~19世紀に建設されました。
では船を通過させるため、ロックを開けましょう!
ロックを開けると、水が高いほうから低いほうにドドドーっと勢いよく流れ込みます!
まるで巨大な浴槽に水を張るような感じで、見ていて爽快。通りかかった人々も、つい足を止めて見物してしまいます。
というわけで、超レトロな仕組みの運河ロック。このケインヒル・ロックスの大部分が建設されたのは1796年~1810年だし、当時は先端エンジニアリングだったに違いありません。
ロンドン滞在中にカムデン・ロックを訪れる機会があったら、こんな豆知識を思い出してくださいね!