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毎年恒例の東京国際映画祭。2024年は香港の名優、梁朝偉(トニー・レオン)がコンペティション部門の国際委員長を務めます。香港映画も香港ナンバーワンヒットを記録した『九龍城寨之圍城(Twilight of the Warriors: Walled In。邦題:トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦)』など6作品が上映される予定です。
トニー・レオンは、今年の金像奨で史上最多の6回目の主演男優賞を受賞した香港を代表する俳優です。審査委員長を務めることなりましたが、12歳のころから日本映画を観ていたそうです。審査員と自分自身の感覚を信じることが審査プロセスに貢献するでしょうとコメントしていました。
「コンペティション」には『爸爸(Papa。邦題:お父さん)』という作品が出品。劉青雲(ラウ・チンワン)が主演します。2010年に荃灣(Tsuen Wan)というエリアで発生した殺人事件の「荃灣享和街弒母殺妹案」が題材です。15歳の少年が母と妹を殺害。息子と対峙する父親の苦悩を描きます。荃灣というエリアは香港郊外にあり、昔は工場街でしたが、今は比較的若い家族が住む香港のベッドタウンにもなっています。地下鉄荃灣線(Tsuen Wan Line)の始発・終着駅なので簡単に行くことができます。
「アジアの未来」では『不赦之罪(Valley of the Shadow of Death。邦題:赦されぬ罪)』が上映されます。娘を殺した犯人の青年が出所して教会に保護されるが、娘の父親は牧師(アンソニー・ウォン)。恨みと赦しの狭間で葛藤する姿を描きます。
「ガラ・セレクション」では『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』が公開されます。日本では2025年1月17日から公開されるので、一足先に観賞できることになります。舞台はタイトルにあるように「九龍城砦」。解体されてしまいましたが「魔窟」として知られていた場所で、セットは精緻に描かれています。今、その場所は公園になっていて、昔の名残を見ることができます。
「ワールドフォーカス」で公開されるのは『破.地獄(The Last Dance。邦題:ラストダンス)。パンデミックと不況のためにウェディングプランナーの仕事が立ち行かなくなり、葬儀社に転職した男を『毒舌弁護人~正義への戦い~』を大ヒットに導いた黄子華(ダヨ・ウォン)が演じるドラマです。
「ウィメンズ・エンパワーメント」を見てみましょう。『虎毒不(Montages of a Modern Motherhood。邦題:母性のモンタージュ)』は、母親になった淑貞は、仕事に加え子育てのプレッシャー、夫の子育てへの無関心、睡眠不足などが重なり自分を見失ってしまうが…。
「サモ・ハン マスタークラス」では、名前の通りアクションスター、サモ・ハンにフォーカスを置いたもの。彼が20年ぶりに監督し、主演を務めた『我的特工爺爺 The Bodyguard(My Beloved Bodyguard。邦題:おじいちゃんはデブゴン)』を上演。映画終了後、映画人としての経験を語ります。
今回、東京ミッドタウン日比谷の1階に自動車のレクサスの店があるのですが、映画祭期間中は「交流ラウンジ」に変身。ここには審査委員も務める杜琪峯(ジョニー・トー)監督の登壇も決まっています。