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桂離宮へと行って来ました。
桂離宮へは幾度か行った事はあるのですが、紅葉の季節には行った事がありませんでした。宮内庁への参観申し込みが必要でしたが、2016年から当日午前中に配布される整理券が手に入れば、先着順で参観が出来る様になりました。
12月6日、当日券を求めて朝8時前に参観受付の所に並びました。
僕で10番目でした。整理券をゲットし参観料(1000円)を払い離宮内の待合所へと入りました。
離宮内の図はこんな感じです。参観は各回グループ(20人位)に分かれて、それぞれのガイドさんが案内して下さいます。参観所要時間は約60分位。
(参観の時間は、9時・10時・11時・12時・13時・14時・15時があります。)
待合所を出て、いよいよ離宮内へと入りました。
桂離宮は八条宮 智仁親王(ともひと)により宮家の別として
江戸初期(1615年頃)に造営開始され、1622年に現在の姿となったそうです。
明治16年に宮内庁所管となり桂離宮と称されています。
まずは最初に案内されるのが御幸門〜御幸道エリア。
御幸道の散策路は、小石を敷き詰めた「あられこぼしの道」です。
「あられこぼしの道」とは、一つひとつ石を選び粘土で固定された敷石の道です。
「霰こぼし(あられこぼし)」という手法の敷石は、歩くのに負担がないように
平らな面が路面になるように敷き詰められています。
敷石は、同サイズの石を50cm四方に並べるのだけでも、職人1人が1日がかりとのこと。
敷石の道を過ぎると、松琴亭までは飛び石の道が続きます。
舞い落ちたモミジに風情を感じます。
日本を代表する庭園と言われる「桂離宮」。
美しい景色とともに、灯篭や敷石や垣根にも目が行きます。
順路は、松琴亭を目指して進みますが、右手には洲浜の風景が見えます。
手前には小石が敷き詰められています。
向こうある長い石橋は、宮津の天橋立に見立てた造りになっているそうです。
石の小路を歩きながら松琴亭に着きました。
ここは桂離宮のなかで最も格の高い茅葺入母屋造りの茶室。
松琴亭の襖は、加賀奉書の白紙と藍染紙による市松模様です。
とても斬新で17世紀に採用されたと思えないほどの高いデザイン性を感じます。
松琴亭から眺める州浜の景色。
水鏡に映る松と紅葉が綺麗です。
松琴亭を出て、土橋を渡り杉木立の中を賞花亭へと向かいます。
桂離宮の庭園は、大小五つの中島に、土橋、板橋、石橋を渡し、
書院や茶室を巡る高低差のある回遊式庭園です。
桂離宮が建つ桂川辺りは、古くから貴族の別荘地として知られ、
平安時代には藤原道長の別荘である桂殿が営まれていたと伝わります。
この辺りは観月の名所ともいわれ、万葉集や古今和歌集にも詠まれて来ました。
桂の地名は中国語の「月桂」の故事から来ているとも例えられ、近くには月読神社もあり、
古来より月を信仰する土地柄でもあったそうです。
桂は市内では西の方にあたり、東から上った月を長く眺められる所でもあります。
そのことからか桂離宮には、「月見台」「月見橋」「月波楼」「歩月」「浮月」
「月の字の引手」「月の字崩しの欄間」「歌月の額」など 月に関する名称や意匠も数多く見られます。
きっと江戸初期(1615年頃)に桂離宮を造営するにあたり、
「桂」・「月」は、ひとつのキーワードだったのかも知れませんね。
賞花亭に着きました。桂離宮で最も標高が高い築山の上にある茶屋風の休憩所です。
賞花亭と書かれた書体は、今に通じるレタリングのように斬新です。
桂離宮の中には、松琴亭・賞花亭・笑意軒・月波楼など、いくつかの茶室がありますが
それらは季節毎に使い分けられていたそうです。
順路は賞花亭から園林堂に向かいます。
園林堂は桂宮家や、初代・八条宮智仁親王に古今伝授をした細川幽斎がまつられてるとの事。
園林堂は、桂離宮で唯一の本瓦葺の建物で,こけらぶきの御殿と同様に屋根をわずかに
ふくらみを持たせた、柔らかな雰囲気で表現されています。
続いての順路は笑意軒。
笑意軒は田舎家風の茶室。前面の池には船着き場も備えています。
内部は襖で仕切られていて、入口上部には6個の丸窓が並んでいます。
これも月をイメージしているのでしようか。
散策順路は、いよいよ桂離宮最高の建物。書院へと向かいます。
書院へと向かう道中、真っ赤に染まったモミジ林を通過しました。
桂離宮の庭園は、こんなにも紅葉が多い庭園だったのだと改めて気付きました。
紅葉の木々の向こうに書院が近くなってきました。
書院は新御殿・楽器の間・中書院・古書院となっています。
書院の美しい建物は、雁が群れ飛ぶ姿に似ていることから、桂離宮の中枢をなす書院群は,東から古書院,中書院,楽器の間,新御殿から構成され,「雁行形」と呼ばれるそうです。
書院の建物は高床式で、下部にある格子は近くを流れる桂川が、増水で浸水した時のための、水抜きと言われています。
書院は月見台が設けられています。
月見台からは、紅葉の木々が見えました。
約一時間の参観コースは、ここで終了しました。
桂離宮は、日本庭園の最高傑作と言われますが、その由縁は、離宮の中に様々な風景が表現されている事かと思います。敷石の道や州浜の風景。点在する茶室や高低差のある庭園など、見所は沢山あります。
この日の桂離宮は、とても美しい紅葉風景が広がっていました。
桂離宮
〇住所 京都府京都市西京区桂御園
〇アクセス 阪急「桂」駅から徒歩20分、市バス・京阪京都交通「桂離宮」前から徒歩8分
〇駐車場 桂離宮の北側に有り(無料)
〇申し込み方法
①桂離宮公式サイトより https://sankan.kunaicho.go.jp/guide/katsura.html
②当日券は、 桂離宮入り口前の受付にて並んでください。 8時40分から
〇拝観料 1000円