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世界中で新年を祝う伝統行事や習慣がある華やかな年末年始。
イタリアには翌年が幸せな一年になるユニークな迷信や新年を迎える喜びに満ちた過ごし方があります。
本記事では、大晦日に食べると翌年お金に恵まれる食べ物、大晦日に身に着ける幸運ランジェリー、新年を祝う花火に秘められた言い伝え、1月6日の魔女の日についてご紹介。
イタリアの伝統的な大晦日の食事は、豊かさを象徴し来たる年の繁栄と幸運への願いが込められています。
それぞれの料理には特別な意味があり、幸運や富をもたらす食材が選ばれているのです。
地域によって異なりますが、イタリアの代表的な料理が食卓に並びます。
大晦日に食べる食材のひとつ「レンズ豆」。イタリア全土で多くの料理に使われており、コインのような形から富の象徴とされています。
大晦日にレンズ豆を食べると新しい年が金運に恵まれるといわれています。
レンズ豆と一緒にいただくのは「コテキーノ」とよばれるソーセージ。
弱火でじっくり煮込んだ大きなポークソーセージです。
イタリアの伝統によると、豚は豊かさ、多産、強さ、そして幸運の象徴とされています。
年末年始に登場するトルテリーニ・イン・ブロードは、ファーストコースに欠かせません。
詰め物がされたパスタのトルテリーニと温かいスープは、寒い季節にぴったりの心温まる一品。
年末年始の料理はイタリアの美食を楽しみ、新年の幸せと繁栄を願います。
イタリアの伝統のひとつに、幸運を祈って身につける赤い下着があります。
大晦日に赤い下着を着ると、新しい年が愛と幸運をもたらすといわれているのです。
この伝統は古代にまで遡り、ユニークな迷信的な習慣として今も残っています。
ローマ時代から、赤は力、健康、豊穣と常に結び付けられてきました。赤は一種の幸運のお守りで、イタリアで唐辛子とザクロが縁起に良いと考えられているのは偶然ではありません。
伝統は引き継がれ、一年の最後の夜には赤いものを着るべきとされているのです。
一般的には下着ですが、セーターでも十分で、年末に着る洋服としてクリスマスに家族から赤いセーターを送られることもあります。
ホリデーシーズンには、お店のショーウィンドウに赤い下着がたくさん並んでいるのをよく見かけます。
男性でも女性でも、赤を身につけると幸運の年を迎えることができるといわれているので、ぜひ 1 着買ってみてください。
大晦日には世界各地でたくさんの花火が打ち上げられるでしょう。
イタリアでは花火の大きな音は悪霊を怖がらせるといわれ、花火は悪霊を追い払うと信じられています。
そのためイタリア各地の都市で、派手な花火大会が開催されています。
年末が近づくと、スーパーでも花火が販売されます。
家族や友人グループが自分たちで花火を楽しみ、大きな音がなる爆竹を投げたりする人も。
ミラノは比較的安全ですが、夜中に歩き回るときは気をつけてください。
真夜中になると、人々が競い合うようにたくさんの花火を打ち上げ一晩中花火の音が鳴り響きます。
イタリアでは、ミラノ大聖堂やヴェネツィアで新年を祝う花火が打ち上がるので年末年始をイタリアで過ごす方は足を運んでみてください。
イタリアでは、1月6日は「エピファニア(公現際)」と呼ばれる祝日。
クリスマスツリーは年が明けても飾られていて1月6日まで展示されています。
イタリアの子どもたちにとって1月6日は魔女「ベファーナ」が来る日。
ベファーナは、ほうきに乗ったおばあさんの魔女。
聖書の物語によると、東方の三博士たちは幼子イエスに会いに行く途中、立ち止まってベファーナに道を尋ねて一緒に来るように頼みました。ベファーナは断りましたが、後に心変わりして探しましたが、幼子イエスを見つけることができず、持ってきた贈り物を他の子どもたちに与えました。
この物語に登場したベファーナは、1年間良い子にしていた子どもにはお菓子を靴下に入れプレゼントしてくれて、悪い子には黒い炭を靴下に入れて置いていくのです。
イタリアには、本当の炭のような形をしたお菓子もあります。
1月6日の朝、枕元に靴下が置いてあり、お菓子をもらうのか、炭をもらうのか、一年中どのように振る舞ったかによって決まるのです。
この時期、スーパーには靴下に入ったお菓子がたくさん販売しています。
さまざまなデザインがあるのでみているだけでも楽しめるのと同時に、ホリデーシーズンの終わりも知らされるのです。
イタリアでは新年の挨拶に「Buon anno(ブォン・アンノ)=良い年を」という習慣があります。
皆様も是非、縁起物を身につけ、食べて、楽しんで良い新年をお迎えください。
来年が皆様にとって素敵な笑顔いっぱいの年になりますように。
Buon anno!