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【南アフリカ】呪術師が毒ヘビを生きたまま口に入れる祭り

あんな

あんな

南アフリカ特派員

更新日
2025年2月26日
公開日
2025年2月26日

 

 

毎年2月23日前後にEshoweでKhekhekhe First Fruits ceremonyという小規模なお祭りが開催されています。

Khekhekhe(ケケケ)とはある呪術師の名前で、かつてズールーを国内最強の部族に導いたシャカ王に仕えていたすごい方です。シャカ王はダーバンの空港の名前になっているほど国民に親しまれており、空港前には銅像もあります。
Khekhekheは10年以上前に亡くなられているのですが、毎年豊作を祈って行われていた祭りは息子に引き継がれて、現在もひっそりと行われているとの情報を見つけて行ってきました。

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会場の様子

 

 

会場の駐車場に到着すると、遠くから音楽が聞こえてきて胸が高鳴ります。

少し歩くと、いよいよ会場の入り口らしき門が見えてきました。スピーカーから流れている爆音の音楽に合わせて男性が1人で一心不乱に踊っています。

門をくぐるとモニュメントがあちらこちらにあり、大小さまざまな家が建っています。それぞれがKhekhekheの家族の家だそうです。一夫多妻制のため、家族がとにかく多いんだそうです。観光地の文化村によく展示されているズールー古来の家の造りに似たものから、モダンなものまでさまざまです。土や草を一部使っている家もありましたがほとんどがセメントで造られていました。

  • 会場の入り口
  • 敷地内には大小さまざまな家があちこちに点在する
  • 毒ヘビのショーケースもあるメインの建物
  • ズールーの暮らしを表したモニュメント

いよいよ祭りのはじまり

 

 

司会者のような男性がいて「そろそろ始めます」と言っています。基本的にズールー語なのでさっぱりわかりませんでしたが、「今日はなんと日本人が来ています!」と紹介してくれたようでした。周りを見ても外国人の観光客は私だけでした。

開始を待っていると地元の方らしき人々が大勢私の周りに集まってきて、ひとりずつ無言で私の隣に立ってポーズをとり写真撮影していきました。アジア人がここに来るのはめずらしいそうで、どうやら歓迎されているようです。

会場に大量の葦が用意されて、1本ずつみんな取っていきます。葦はズールーの女性にとって純潔を示す特別な意味があります。葦を持った女性が集まって一斉に歌い出し、いよいよ祭りが始まりました。

祭りの主催者であるKhekhekheの息子が葉や枝を身につけた状態で登場し「準備が全て整った」と言っています。男性たちも歌いながら入場してきました。

  • 葦を1本ずつ取っていく
  • Khekhekheの息子
  • 葦を持ち太鼓に合わせて歌う人々
  • 全員集合

牛を仕留める

 

 

モニュメントの前に集まって決起会のようなことが行われました。「アルルララララ!!!」と独特な声があちこちから発せられます。

その後、全員で敷地内にある牛の柵へ行き、Khekhekheの息子が槍で指し示した牛を男性たちが捕まえてズールー伝統の方法で仕留め、すぐ捌きます。のちほど振る舞われましたが、肉はかなりおいしかったです。

男性たちが牛と格闘している間、ショーケースに入っていた毒ヘビが儀式の準備のため袋のなかに入れられたようです。また、この間にKhekhekheの息子は草木の衣装から動物のファー等を使ったズールーお馴染みの衣装に着替えたようでした。

  • 決起会
  • 牛を捕まえて捌く
  • 華麗な手さばきで肉をさばく
  • プチ爬虫類園のようなヘビのショーケース

毒ヘビの儀式

 

 

いよいよ毒ヘビの儀式が行われるとのことで待っていると「ちょっとこっちに来て!」と地元の方に呼ばれ、ついていくと小さな建物のなかで呪術師たちが集まって踊っていました。Khekhekheの息子もいます。手にはふたつの大きい袋を持っていました。のちに、この中に毒ヘビが入っていたことを知ります。掛け声と共に呪術師たちがぞろぞろと外へ出ていき、いよいよ毒ヘビの儀式です。

Khekhekheの息子がおもむろに袋からニョロりと毒ヘビを出し、頭をつかんで安全な体勢におちつくために数分格闘します。

無事に頭をつかみ、そのまま口に入れました。周囲にゆっくり見せたのち、口からヘビを出してなにやらありがたいお言葉をお話しになります。ヘビを口に入れることで、自分はヘビの毒より強力な力を持っていることを示しているそうです。

その後ヘビを袋にしまい、次にふたつ目の袋からさらに大きな毒ヘビをまたニョロりと出しました。こちらのヘビは口には入れませんでしたが、3名の相談にのりおまじないをかける儀式に使用されました。

それぞれ、仕事や家族の悩みを打ち明けていたようです。

その後、呪術師たちが太鼓と笛で踊ってダンスパーティーのような状態になります。

ここで帰る時間になってしまったため、会場をあとにしました。

  • 室内で踊る呪術師たち
  • 呪術師に指示するKhekhekheの息子。足元にはヘビの入った袋が。
  • 1匹目の毒ヘビ
  • 2匹目の毒ヘビ登場
  • 毒ヘビを使ったおまじない

祭りを知ってから行くまでの経緯

 

 

そもそもこの祭りを知ったのは、ヨハネスブルグの本屋さんで「南アフリカ人のための南アフリカガイド」というような旅行本を見ていた時にダーバンの祭り紹介ページの隅に小さく掲載されていたことがきっかけです。ネットで調べたところ、唯一その祭りへのツアーを毎年遂行しているツアー会社があり問い合わせたのですが今年はツアーを中止しているとのことでした。

以前ダーバン旅行の際に利用した別のツアー会社にこの祭りに行くツアーを組んでくれないかと相談したところ快諾いただき今回行くことができました。

もし興味がある方はダーバンのツアー会社に問い合わせてみてください。以下は私が今回実際に利用させていただいたツアー会社の詳細です。

◾️1st Zulu Safaris C.C

住所:Shop G01 Ushaka Village Walk4001 DurbanKwaZulu Natal

◾️Khekhekhe First Fruits ceremony

ヨハネスブルグからの行き方: ヨハネスブルグのOR TAMBO空港から飛行機でダーバンのKING SHAKA空港まで約50分。私は今回ダーバンの中心地のホテルに宿泊しそこから2時間ほどで会場に到着しました。祭りの会場の住所は公表されていません。

 

 

 

今回お世話になったガイドの方と、気さくに撮影に応じてくれるKhekhekheの息子
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