
Art on the Underground
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ロンドン市内での移動に欠かせない地下鉄ネットワーク。世界で初めて乗客を運んだ地下鉄として、160年以上の歴史を誇ります。
ロンドン・サウスケンジントン地区にあるグロスターロード駅も、オープンしたのは1860年代。もちろん時代とともに何度かの修復や改築工事を重ねたため、現在では使用していないプラットフォームが1つあります。
2000年初頭からは、そのプラットフォームに現代アーティストたちの作品を展示。パブリックアートの場として活用されているんですよ!
ロンドン交通局が展開するアートプロジェクト、「アート・オン・ジ・アンダーグラウンド」の基盤は、1930年代後半にまで遡ります。
当時の局長フランク・ピックは、地下鉄ネットワークの急成長にともない広告ポスター、地下鉄路線図、同局で使うオリジナルの字体など、デザイン性の重要度に注目。戦前からさまざまな分野に専門デザイナーを配し、公共アートを重視した方針が、今なお引き継がれています。
なおロンドン交通局のイメージ向上に貢献したフランク・ピックは、ベイカーストリート駅に彼のメモリアルもあります。ベイカーストリート駅の改札すぐ近くにあるので、機会があったら見てみて下さいね。
サウスケンジントン地区にあるグロスターロード駅は、現在サークル線、ディストリクト線、ピカデリー線と3本の地下鉄が通っています。
しかし1868年にオープンした古い駅なので、時代のニーズに合わせて何度か大々的な改築が行われてきました。
その一環としてサークル線とディストリクト線の東回りプラットフォームが以前は3番線と4番線に分かれていたものを、3番線ひとつに統一したのは1970年代のこと。
結果的に使われなくなった4番線プラットフォームは、その後しばらく放置されていました。しかし2000年代初頭から、パブリックアートの展示スペースとして再利用!
現在展示されているのはモンスター・チェトウィンドという女性前衛アーティストによる「Pond Life: Albertopolis and the Lily」という作品。恐竜が傘をさしているようにも見えるのは山椒魚の仲間サラマンダーで、他にも亀やカエルや昆虫など池の水中動物たちが生き生き楽しそうに表現されています。
2025年6月からは次の作品展示に代わる予定。まだアーティスト名やテーマは公表されていないものの、どんなアート展になるのか楽しみですよね!
大英自然史博物館やヴィクトリア&アルバート美術館などの最寄り駅サウスケンジントンに向かう途中で、通りかかる機会が多いグロスターロード駅。
時間があれば途中下車して、いかにもロンドンらしい地下鉄パブリックアートを鑑賞してみませんか?