
Café in the Crypt
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数あるロンドン観光名所のひとつ、トラファルガー広場。
常設展示だけなら入場無料の国立美術館「ナショナルギャラリー」もあり、天高くそびえるネルソン提督像や黒光りする4頭のライオン像の周囲には、いつも観光者が絶えません。
もちろん近辺にはカフェ、レストラン、パブも沢山あり、チョイス豊富。今回ご案内するのは、ちょっとユニークな地下聖堂カフェです!
トラファルガー広場の北東角に、瀟洒な白い教会があります。名前はセントマーティン・イン・ザ・フィールズ教会。
「野原にある聖人マーティン教会」なんて不思議なネーミングですよね。中世の頃からあった教会で当時はロンドン中心地ではなく、農地として使われていた地域だったから。
今ある教会の建物は1720年代に築かれたから300年しか経っていませんが、遡ると古代ローマ人やサクソン人の埋葬地でもあった由。なかなか由緒正しい場所なのです。
なお守護聖人マーティンは、フランス・トゥールのマルティヌスを英語読みしたもの。300年代ローマ帝国領パンノニア(現在ハンガリー)出身の彼は、殉教せずに聖人となったヨーロッパで初めての人。さぞかし徳の高い聖職者だったでしょうね!
地下聖堂へ続く階段およびエレベーターは、教会正面に向かって左側の道まん中に独立しているガラス張りの出入り口から。ドア上部にCrypt(クリプト:地下聖堂)と表記されています。
地下1階に下りていくと、最初に広がるのはモダンに改装されたフロアー。ショップ、オープンスペース、文化施設など。
キリスト教会の一部だけど宗教的というよりコミュニティスペースという雰囲気で、誰でも気軽に入れます。観光途中で足が疲れたのか何となく座っている人も多いし、もちろんトイレもあるから便利。
ショップや待合いスペースなどより奥にある一角がカフェです。
壁や床や柱など地下聖堂として使われていた頃のまま残し、照明もやや暗めで独特な印象。とくに墓碑や慰霊碑がはめ込まれた床を見ると、確かにこの下に聖職者や地元の名士が永眠しているのだと実感します。
ここはセルフサービス。カウンターに行って飲み物や食事を買いトレーに載せたら、空いているテーブルに着席しましょう。大盛況で空席がない場合は相席になる場合もあります。
また日によっては夜ジャズ&ブルースを中心としたライブ演奏や、サイレントディスコなど楽しいイベントも開催。
観光などでトラファルガー広場に来たら、こんなユニークなカフェも覗いてみませんか?