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バッサーノ・デル・グラッパ(Bassano del Grappa)は、ヴェネツィアから車で約1時間の距離、北イタリアのヴェネト州に位置する小さな町。
グラッパ山の麓にあり、町中には川が流れる自然豊かな町並です。
歴史ある橋や城壁、町の美食・美酒など楽しみ方は様々。
今回は、週末に訪れたバッサーノ・デル・グラッパの魅力をご紹介。
丘陵に囲まれ、温暖な気候に恵まれたバッサーノ・デル・グラッパは、ヴェネト州ヴィチェンツァ地方にある中世の町。
人口 は約42,300 人と小さな町で、ヴェネツィアン・プレアルプス(Venetian Prealps)と呼ばれるアジアーゴ高原とモンテ・グラッパ山の麓に位置しています。町中には、ブレンタ川が流れる穏やかな町並です。
バッサーノ・デル・グラッパの町は古代ローマからの歴史があり、旧市街へ入るには14世紀に造られた城壁をくぐり抜けて町へと進みます。
町のシンボルでもあるモニュメントは、 有名なルネッサンス建築家アンドレア・パラディオの設計で建てられたヴェッキオ橋。
ヴェッキオ橋(別名:アルピーニ橋/Ponte degli Alpini)は、 ブレンタ川に架かる屋根付きの木造橋。
初代の橋は12世紀に建設され、現在の橋は第二次世界大戦後の橋。
橋を渡るだけでなく、橋の上でのんびり会話を楽しむ憩いの場所でもあるのです。
橋の周囲は、多くのショップやブティックも立ち並び、賑やかなエリアになっています。
ガリバルディ広場は、旧市街の中心地に位置しています。
中央には噴水があり、この広場は噴水を意味する「フォンターナ広場(piazza della Fontana)」と呼ばれることも。
観光スポットが集まる場所でもあり、市の塔(Torre Civica)は、ガリバルディ広場に面した時計のある塔。1312年ごろに建てられ、市庁舎に隣接しています。
北側には市の塔、南側にはサン・フランチェスコ教会と市立博物館が佇んでいます。
教会は、1158 年から 1183 年の間に建てられたと言われている重厚感ある雰囲気。
パラッツォ・ストゥルムは、ブレンタ川沿いにある18 世紀に建てられた美しい宮殿。現在は古代の陶磁器、銅版画などを展示する博物館になっています。
町の伝統工芸品グラッパ焼を展示する陶磁器博物館でもあり、陶器が好きな人には見逃せません。旧市街には、陶器のお店が点在しているので見て回るのも楽しみの一つ。
ハンドメイドの陶器は、イタリアの温もりあるデザインが魅力でもあります。
この場所にあるテラスは、ヴェッキオ橋と美しい山々を眺めることができる絶景スポット。博物館に入場しなくてもアクセスできるので立ち寄ってみてください。
バッサーノ・デル・グラッパを訪れたら蒸留酒のグラッパは欠かせません。グラッパは、ブドウの皮や茎などワインに使用したブドウの不要なものを蒸留させたもの。
ヴェネトに住む人々は食後にディジェスティーボ(Digestivo)と呼ばれる食後酒を飲みます。バッサーノ・デル・グラッパはこの食後酒「グラッパ」の生産地。
透明のドリンクなので、一見お水に見えますがアルコール度数は、30~60度と高く、食後に胃もたれを避けるためにストレートで一気に飲むのです。
イタリアで有名なグラッパブランド、1779 年創業「ナルディーニ(Nardini)」、1898 年創業「ポーリ(Poli)」は、お土産にもおすすめです。
「Poli Museo della Grappa」というグラッパの博物館もあるので歴史を深掘りすることもできます。
バッサーノ・デル・グラッパは、有名なホワイトアスパラガスをはじめ、素晴らしい料理とワインでも有名です。
ヴェネト州の伝統料理には、バッカラというタラを塩漬けにして干したものがあります。
レストランでは、イタリアのパスタ料理ラビオリの中にバッカラが入っているもの。
バカラとチーズ、ミルクを煮込んだ料理「バッカラ・アッラ・ヴィセンティーナ(Baccalà alla vicentina)」が堪能できます。
この町には、バールやレストランが軒並んでいるのです。ヴェネト州に住む人々は、夕食前の食前酒を楽しみに訪れるほど。
ディナー前の午後6時から7時ごろは食前酒を楽しむ人たちで町は賑わっています。
特にヴェッキオ橋は、お酒を楽しむ人々の憩いの場にもなっていました。
バッサーノ・デル・グラッパへ行ったら美しい景色に囲まれながらお酒と食事を楽しんでください。思い切って飲み過ぎても翌日には、山の麓にある美しい景色と清々しい空気で目覚めることでしょう。