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2025年5月9日、海上保安庁の新鋭の練習船『いつくしま』が、サンフランシスコ湾ピア30/32に初寄航しました。同5月10日 午後1:00〜16時に、船内見学(一般公開)があるという案内を北加日米会やサンフランシスコ日本語補習校からいただき、未来の海の安全を支える若者たちの様子と練習船を見学してきました。
去年5月、サンフランシスコ港に海上保安大学練習船「こじま」が寄港し、船内の一般公開が行われました。その後、同8月1日、世界一周の遠洋航海の後、同大学校職員及び最後の遠洋航海実習に乗船した専攻科生の見送りを受けながら、「こじま」は退役し、舞鶴に向かいました。舞鶴入港後は、海上保安学校の練習船として、乗船実習の任務にあたります。その「こじま」の後を受け、新時代を担う練習線として任務についた船が、練習船「いつくしま」です。
「いつくしま」は、令和6年7月に就役した最新の練習船で、老朽化した「こじま」に代わり、日本の未来の航海士や機関士の養成を担っています。
サンフランシスコでの一般公開では、操舵室(ブリッジ)や資料庫、乗組員の居室や浴室、教室や食堂などが公開されました。案内役の学生達による丁寧な説明や質疑応答もとてもわかりやすいものでした。
最新の航海機器が整備された操舵室は、学生たちが実際に航行訓練を行う“実践の現場”。海図やレーダーなどの情報を基に、周囲の船舶や海象を判断しながら航行する様子を想像すると、その責任の重さが伝わってきました。
操舵室から双眼鏡で臨むサンフランシスコ湾や、レーダーに映るサンフランシスコ湾航行中の船の移動の様子は、とてもワクワクするものでした。
教室や食堂、寝室といった生活空間も見学でき、航海中でも整った学習環境が確保されていることが伺えました。医務室など緊急時の対応施設も備え、安全への配慮が行き届いています。
今回の寄港中も、「いつくしま」では海上保安大学校の4学年学生たちによる乗船実習が行われていました。航海計画は、潮流や船舶交通、海象条件を考慮した上で、効率的で安全なルートを、航海科の生徒らが作成するそうです。
例えば、操舵室にはレーダーやパネル地図もありましたが、机上には大きい白地図と大きい三角定規、鉛筆も置かれており、デジタルに頼らず地図と定規を使って船の位置を確認する方法を実践している様子を見ることができました。
なお、海上保安大学に入学すると、この「いつくしま」で遠洋航海の実習に参加できる可能性があるわけですが、海上保安大学に入学するには、日本の高校を卒業した学歴が必要だそうです。アメリカの高校卒業の学歴では、保安大学の受験はできないそう。(現地で一緒になった海上保安大学進学に興味があるご家庭が質問をされていました。)
サンフランシスコ港には、2014年5月にも海王丸が寄港しています。
海王丸は2010年に寄港したというお話も聞きました。
また、練習線「こじま」は、やはり、昨年の5月にサンフランシスコ港に寄港していました。
来年も、また「いつくしま」の寄港があるかもしれません。
ご興味がある方は、4月になったら、サンフランシスコ領事館のホームページや海上保安庁のウェブサイトで、チェックしてみてくださいね!