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ブエノスアイレスの昔から芸術的で高級な地域レコレータ地区に1905年の創設以来、南米最大級の美術館として君臨するアルゼンチン国立美術館(Museo Nacional de Bellas Artes)はあります。
ヨーロッパの名作からラテンアメリカの現代美術、さらにはアジア・中東の工芸品まで、12,000点以上のコレクションを有し、常設展示だけでも見ごたえ十分なのに、アルゼンチン国内の多くの公共文化施設と同じく、「すべての人に芸術を届ける」という国家的理念の表れで、入場料は無料なのです。
先述した通り、入館料は無料ですが近年では入口のタッチ式の入館登録機が設置で、出身や来館目的などを入力したら「美術館に寄付しますか?」という選択が表示されます。希望する場合は、その場でクレジットカードによる寄付が簡単に可能です。芸術文化を支える仕組みに、旅人として参加できるのは良いことだと思います。
この美術館では、多くの作品に非常に近づいて観ることができる点も特徴です。ただし、鑑賞に夢中になりすぎ床に引かれたガイドラインを越えてしまうと、すぐに警備スタッフがやさしく注意してくれます。マナーを守って静かに楽しみましょう。とはいえ、結構館内はざわざわしていて、ベビーカーや子どもたちもいます。また座り込んでデッサンをしている人なども見られます。
本館1階右手奥には、見逃せない東洋美術コレクションが並びます。なかでも日本の印籠は、蒔絵や象嵌などの繊細な細工に時間がたくさんあればずっと眺めたいほど美しいです。また様々な昔の器具や小さな容器ひとつにも、文化と歴史が凝縮されていることに驚かされるはず。
また、銀細工が施されたマテ茶用の器「マテ」やそこからストローのように吸って飲む器具である「ボンビージャ」も展示されており、アルゼンチン独自の美意識が生活道具と結びついていることを実感できます。
定期的に開催される無料のガイドツアーでは、専門ガイドの解説とともに作品の背景を深く知ることができます。スケジュールは館内掲示板や公式サイトでご確認ください。
https://www.instagram.com/bellasartesargentina/
こちらの公式インスタグラムからもプログラムが見られます。
現代アート、コンテンポラリーなものがだいたい特別展になっています。
2025年6月30日時点では、アルゼンチン出身で現在アメリカ在住のアーティスト、リリアナ・ポーター
「Porter-Camnitzer:ニューヨーク・グラフィック・ワークショップの時代」版画やインスタレーション作品の展示が8月31日まで開催中です。
ポーターとウルグアイ出身の芸術家ルイス・カムニッツァーの初期ながら決定的な時期を再構成しています。二人は1964年から1970年にかけてニューヨークでNew York Graphic Workshop(NYGW)を運営し、版画表現の可能性を拡張しながら、複数性やコンセプチュアルアートの探究を行いました。
特別展は入って右の奥へ行く手前に少し階段を上がって通路が正面にありますからそこを渡っていくことができます。