【メスティア】メスティアよ、こんにちは!
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皆さんგამარჯობა(ガーマルジョバ:こんにちは)!
さて今回は、先日メスティアで素敵なイベントに参加してきたので、その内容を紹介したいと思います。
そのイベントというのは、メスティアで”日本の桜を植える”というもの。
いつもと違ったイベントの紹介にはなりますが、筆者も初めての経験で凄く勉強になりました。是非ご覧ください~!
さて、このプロジェクト『コーカサスの桜プロジェクト』は日本山岳会様の設立120周年を記念したイベントです。
日本山岳会様は世界的にも最も歴史のある山岳グループの1つで、今年2025年で設立120周年を迎えるので
国内外様々な地域で設立記念イベントを開催されており、ジョージアでの桜植樹もその1つです。
とりわけ、なぜジョージアで植樹なのかというと、
山岳会メンバーの方が今から約50年前に当時のグルジア(現ジョージア)に山登りに来られ、その際にコーカサスの大自然に魅了され、その時からのジョージアへの想いと、長年育まれたジョージアの方々との交流から、今回ジョージア北部メスティアで日本の桜の植樹式が行われることとなりました。
当時はまだソ連時代で日本人がジョージアに入るには、ロシアを経由してビザを得てからでないと入国できず、山岳会の方々もモスクワの大使館でビザ発給をしてもらい、ジョージアに入国されました。
とはいえ当時のジョージアでは、日本人が入国するのはとっても珍しいことで、トビリシ空港では即刻別室送りになったそうですが、登山に来たという事を説明されると、温かく受け入れてくださったのだとか。。!凄く面白い逸話ですよね。
実は筆者も青年海外協力隊員として2023年秋にボルジョミに赴任してから、この山岳会様のプロジェクトの準備に関わらせて頂いておりました。
今まで桜の植樹や、海外で桜といえば、ワシントンの桜、ドイツやカナダでも植樹がなされ綺麗な桜が有名ですが、桜の植樹というものがどうなされ、どのような準備が必要なものかを知りませんでしたので、今回このプロジェクトを通して、海外で桜を植樹するプロセスなどを知れて良かったです。
さてこのプロジェクトは遡ること2年前から始まりまして、その理由は他国で植物を植える難しさにポイントがありました。。。
さて、桜の苗を日本から輸送したのは、遡ること1年3ヶ月前の2024年の3月でした。
今回桜を植樹したメスティアは北部ジョージアの寒さの厳しい町で、冬にはマイナス20度にもなるような極寒の地でした。
その為、メスティアの寒さに耐えうるような日本の桜の種類である、青森県弘前市のオオヤマ桜と、カンザン桜を植樹の桜として選別し、苗木の輸送の準備をしていました。
日本側では、購入した桜がある苗木会社様に専門家が訪れて検疫検査がなされたり、山岳会様が大量の必要な輸送にかかる書類準備をされ、また、苗木の輸送には検疫上、根っこについた土1つも落として、土無しで輸送しなければなりません。
土がなく、根っこが外にさらされた状態で日本から、遠いジョージアに生物である苗木を運ぶのですから、苗木会社さんが丁寧に、1週間は持つように水分をしっかり含んだ状態で新聞紙などで梱包をしてくださいました。
一方ジョージア側でも、受け入れるメスティア市がしっかり日本からの苗木を責任もって受け取る許可証(無責任に受け取り、外来種である桜を不適当な場所に植えて、生態系を壊すことが無いようにするために)、苗木を預かる植物園側の準備など、沢山のペーパーワークや準備が進められました。
さて、プロジェクトがこのように昨年から始まりましたが、苗木は日本の弘前で生まれた赤ちゃんなので、いきなりメスティアに持っていくと、友達の苗木もなく、知らない土壌の中でびっくりしてしまいます。
そこで、メスティアでより丈夫な桜に育つように、1年間首都トビリシにある国立植物園で苗木をジョージアの土壌に慣らすために預かっていただくことになりました。植物園で、ジョージアの土が入ったポッドの中で大切に育てて頂き、1年で10cmほどは大きくなりました。
これが植樹の一年前に輸送し、準備を含めると2年間の壮大なプロジェクトになった理由になります。
筆者も準備や苗木の受け取り、植物園での様子の確認、植樹式とプロジェクトに携わらせていただき、苗木が赤ちゃんのようで本当に愛おしく思いました。
さて先日の5月末に実施された植樹式当日は、最高に晴れたお天気の下で行われ、日本山岳会の方々や日本大使館、JICAの方々、メスティアの方々、トビリシからのお客様、ジョージアの多声音楽家(ポリフォニー)など沢山の方に見守られながら、私たちの桜はようやくメスティアの土に居を移しました。
地元の子供達と共に桜の植樹を市内3箇所に行い、みんなで”さくらさくら”を歌い、元気に育つようにと願いながら土を被せました。子供たちも桜について色々調べてくれていたようで、”ハナミ(花見)はいつできるの?”や”いつ大きくなるの?”と尋ねてくれたり、桜が元気に大きく育つことを心待ちにしてくれているようでした。
植樹した3箇所の内、2箇所は観光客の皆様も自由に訪れる事ができる公園なので、是非行ってみてくてください♪
1箇所は公園名はSgimieri Parkと言いますが、地図上には表示されないので、公園前の銀行の地図を目印に貼っておきます。もう一箇所は24年夏にできたばかりのMestia Adventure Parkです。(共に入場無料)
苗木ではありますが、今年の春には少し既に咲いています。来年の5月頃には桜が咲くと思います!
目印として、日本山岳会様とメスティア市共同の銘板が立っていますよ:)
さて、今回桜の植樹を行ったという面白い経験をご紹介しましたが、後20年後には大きな桜の木となり、日本の桜の下でお花見としてスプラができるのでは?と、植樹に参加したみんなで楽しみにしています。
皆さんもメスティアに訪れた際には、植樹した公園の1つであるSgimieri Parkは町の中心ににありますので、是非訪れてみてください♪
私も花見ができるその日まで、見守っていようと思います!