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【デンマーク】旅行中でも現地に住んでいるような感覚。素朴で親しみやすい町オーフスの魅力

ぺん

ぺん

デンマーク特派員

更新日
2025年7月1日
公開日
2025年7月1日

デンマーク第2 の都市・オーフスは、ローカルな暮らしと学術文化が共存する、海辺の魅力的な町です。
森や海、カフェや図書館がすべて徒歩圏にあるこの町は、“暮らすように旅する”感覚を自然に叶えてくれます。今回は、そんなオーフスの魅力を、日常の風景とともにご紹介します。

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ゆったりと流れる時間のなかで地元の方の生活に溶け込む

デンマークの首都コペンハーゲンと比べて、オーフスは“ローカル感”がとても強いと感じます。例えば、
Aarhusianer(直訳するとオーフス人という意味)という言葉を知っていますか?  Københavner(直訳
するとコペンハーゲン人という意味)と対にしたりして、オーフス市民を指す言葉というよりはオーフ
スエリアを示すときに使います。Jylland(ユトランド半島)の人々がKøbenhavner を「都会人」とい
う意味で使う文脈に対し、Aarhusianer は「地元民」という意味で使う単語です。

私自身はコペンハーゲンに住んだことはないのですが、コペンハーゲンエリアが都会的で洗練されてい
て忙しそうな雰囲気があると感じるのに対し、オーフスはより素朴で親しみやすく、ローカル的な側面
を多く持つところだと感じています。

例えばAros(アロス現代美術館)やDen gamle by(オールドタウン野外博物館)、Moesgaard(モース
ゴー先史博物館)などの観光スポットがあり、短時間の観光も十分に楽しめる場所ですが、おすすめは
1日のんびり散策すること。たくさんのカフェ、セレクトショップ、お洒落な展示、レンガ造りの家並
み、疲れたら公園や森林でひと休み。そんな過ごし方をぜひおすすめしたいです。

■ARoS Aarhus Kunstmuseum(アロス現代美術館)
住所:Aros Allé 2, Aarhus C
電話番号:+45 8730 6600
アクセス:Aarhus H(中央駅)から徒歩約8 分/バス1A、2A など「Aros Museet」下車すぐ
営業時間:火~日 10:00~17:00(※水は21:00 まで)、月曜定休
入館料:大人160 DKK、学生110 DKK、18 歳未満無料
URL:https://aros.dk/

■Den Gamle By(デン・ガムレ・ビュ/オールドタウン野外博物館)
住所:Viborgvej 2, Aarhus C
電話番号:+45 8612 3188
アクセス:Aarhus H から徒歩約15 分/バス3A または14 番で「Den Gamle By」下車徒歩すぐ
営業時間:10:00~17:00(季節により異なる)
入館料:大人145 DKK、学生110 DKK、子ども(0–17 歳)無料
URL:https://www.dengamleby.dk/engelsk/

■Moesgaard Museum(モースゴー先史博物館)
住所:Moesgård Allé 15, Højbjerg(オーフス郊外)
電話番号:+45 8739 4000
アクセス:Aarhus H からバス18 番で約25 分、「Moesgård Museum」下車徒歩約5 分
営業時間:火~日 10:00~17:00、月曜定休
入館料:大人160 DKK、学生130 DKK、子ども(0–17 歳)無料
URL:https://www.moesgaardmuseum.dk/en/

コンパクトで奥深い、海辺の学術都市

オーフスは、デンマーク第2 の都市でありながら、そのスケールや雰囲気には親しみやすさがただよい、
「学術都市」としての落ち着いた魅力にあふれています。大都市ほどの喧騒はなく、かといって田舎す
ぎることもない。ちょうどいいサイズ感のこの町では、人と人の距離が自然と近くなり、出会いが思わ
ぬ形でつながっていくこともしばしばです。

たとえば、新しく知り合った人が以前からの友人と知り合いだったり、職場で話した内容が意外なとこ
ろで縁につながったりすることも。実際に私も、夫の職場の話をしていたら、同僚が「その部署にいる
〇〇って、私の大学時代からの親友よ」といってきて、思わず「世のなか狭いね!」と笑い合ったこと
があります。そんな“密なつながり”が生まれやすいのも、この町の魅力のひとつだと感じています。

また、この町にあるオーフス大学(Aarhus Universitet)は1928 年に設立された国立大学で、町の中
心に緑豊かなキャンパスが広がっており、学生たちが地域に溶け込むように暮らしています。さらに、
海辺に位置するNavitas(ナビタス)は、エネルギー分野の研究機関やスタートアップが集まる先端施
設で、町の未来を支える知のハブとして存在感を放っています。

町を歩けば、赤レンガ造りのクラシックな建物と近未来的な建築が自然に混在し、時代の重なりを肌で
感じることができます。そして中心部から10 分ほど歩くだけで、美しい港や海辺の景色にたどり着け
るのも、オーフスならではの贅沢だと感じます。

■Aarhus Universitet(オーフス大学)
住所:Nordre Ringgade 1, Aarhus C
電話番号:+45 8715 0000
アクセス:Aarhus H(中央駅)からバス13 番、18 番、122 番などで「Universitetsparken」下車徒歩
約3 分
営業時間:キャンパス内は常時開放(一部施設を除く)
入館料:一般の見学は無料(学内施設やイベントによって異なる)
URL:https://international.au.dk/

■Navitas(ナビタス/教育・研究・ビジネスの複合施設)
住所:Inge Lehmanns Gade 10, Aarhus C
電話番号:+45 4189 3222
アクセス:Aarhus H から徒歩約20 分/バス23 番などで「Navitas」下車すぐ
営業時間:平日 8:00~17:00(施設により異なる)
入館料:見学自由、特定エリアへの立ち入りは制限あり
URL:https://eng.au.dk/about/navitas

町の風景に溶け込む旅のスタイル

オーフスは、町の中心からほんの数分歩くだけで、自然と触れあえる場所にたどり着けます。都市であ
りながら自然との距離が近く、まさに“暮らすように旅する”が体現できる町だと感じます。

たとえば、海沿いには地元の人々が集う人気のビーチ「Den Permanente」があり、夏には朝の海水浴
や夕暮れ時の散歩でにぎわいます。そのすぐ近くには広大な森「Riis Skov(リー・スコウ)」が広がり、
静かに木々の間を歩けば、町の喧騒がすっと遠のいていきます。森のなかには隠れ家のようなカフェや、
小さなギャラリーが点在し、散策の途中にふと立ち寄るのも楽しみのひとつです。

こうした“日常と自然の近さ”を象徴するスポットのひとつが、港エリアにあるCirkelbroen(サーク
ルブリッジ)です。円形を描くユニークな歩道橋で、建築家オラファー・エリアソンが設計したこの橋
は、単なる交通の通り道を超えた体験の場でもあります。船が行き交い、潮風が吹き抜けるなかで、橋
の上を歩くだけでオーフスという町の静けさと創造性がじわりと感じられます。

■Cirkelbroen(サークルブリッジ)
住所:Havnepladsen, Aarhus C
電話番号:なし(橋自体は公共インフラの一部)
アクセス:Aarhus H(中央駅)から徒歩約25 分/バス17 番で「Havnepladsen」下車すぐ
営業時間:常時開放
入館料:無料
URL:https://www.visitaarhus.com/turist/planlaeg-ferien/cirkelbroen-gdk1126124

旅先でありがちな有名スポットを次々と消化する旅ではなく、オーフスでは、地元の人の生活の延長線
上にある場所を、自分の足でゆっくり歩いて感じてほしい。そんな願いを込めて、私はこの町の魅力を
紹介していきたいと思います。

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