【フランス】TGVを2回以上乗るなら「Carte Avantage」がお得！注意点も

フランス国内を移動する際、TGV（フランス高速鉄道）のチケットは日によって値段が大きく変わります。「行きたい！」と思い立って検索してみたら、数日前より30ユーロも高くなっている……そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。

そんな時に頼りになるのが、SNCFが発行する「Carte Avantage」シリーズです。年会費は49ユーロで、有効期限は1年間。TGV INOUiやIntercités、さらには一部のTER（地方列車）まで、最大30％オフで乗車できるようになります。

対象は年齢によって3種類。
・Jeune（ジューヌ）：12〜27歳
・Adulte（アダルト）：26〜59歳
・Senior（スニョール）：60歳以上

筆者が使っているのは、この中の「Carte Avantage Adulte」。名前の通り大人向けのカードで、長距離移動や週末旅行を楽しむ人にぴったりです。

また、家族旅行にも優しく、同伴する4〜11歳の子どもは常に半額固定。大人2人と子ども2人で南仏へ出かけると、往復で200ユーロ以上の節約になることもあります。つまり、年に2回以上旅行するなら、ほぼ確実に元が取れる――それが「Carte Avantage Adulte」なのです。

実は私、このCarte Avantage Adulteを2回も買ってしまったのです。しかも同じ年の、ほんの1週間違いで。

きっかけは10月の秋休み旅行でした。「せっかくだから、この機会に割引カードを買っておこう」と思い、SNCF Connectのサイトを開いて購入ボタンをクリック。有効開始日は“旅行の初日”である10月31日に設定しました。これで完璧、と思っていたのです。

ところがその数日後、急に「10月24日から別の町へ行く」ことが決定。「もうカードを持っているから大丈夫」と安心してTGVを予約したら――割引がまったく適用されていません。

原因は単純。私が設定した有効開始日が10月31日だったため、その1週間前の10月24日分には使えなかったのです。慌ててSNCFのサイトを開き、開始日の変更方法を探しましたが……そこに書かれていたのは無情な一文。

「開始日は購入時に確定し、後から変更することはできません。」

仕方なく、私はもう1枚のCarte Avantage Adulteを購入しました。1枚49ユーロ。「お得カードを買ったはずが、倍の98ユーロを支払う」という、本末転倒な結果になりました……。Carte Avantageは購入時に「開始日」を必ず確認。直近だけでなく、今後1〜2か月の旅行予定も考慮して設定を！

追記：有効期限が先日付の「Caerte Advantage」を買ってしまった人は、SNCFのサイトにログインせずに切符を購入すれば、「Caerte Advantage」を適用しない料金でも購入可能です。ログイン情報が紐づいているスマホアプリでは無理で、パソコンのみ。割引を適用しない方が安い場合は、この裏技がおすすめです。

旅行とは、時に“依存”のようなものだと思います。どこかへ行きたい、風向きを変えたい。その衝動が静かに湧き上がり、一度火がつくともう消せなくなる。「今はやめておこう」「他にやることがある」と自分に言い聞かせても、気づけばまたSNCFの予約サイトを開き、TGVの時刻表を眺めてしまいます。

行政の手続き、子どもの習い事探し、フランス語の勉強――やるべきことは山ほどあるのに、どうしても心が引っ張られてしまう。それは“依存”の一種なのかもしれません。ゲームに課金してしまう人もいれば、ニコチンやアルコールに支えられる人もいる。程度の差はあっても、人は誰でも何かに依存して生きているのだと思います。

旅もまた、そのひとつ。一度ハマると抜け出せない。それを失ったときの“禁断症状”は、深く愛していた分だけつらい。だから人は言います。「抜け出しなさい」「落ち着きなさい」と。もちろん、それが正しいアドバイスであることはわかっています。私自身、友人に相談されたらきっと同じ言葉を返すでしょう。

けれど、ある人がこんなふうに言ってくれました。「無理に断ち切らなくてもいいですよ。せっかく一度きりの人生なんだから、どっぷり浸かって楽しんだらいい。きっと、必要がなくなったときに自然と抜け出せます。」

その言葉に、私は救われました。「やめなきゃ」と思うほど、そのことを考えてしまう。だったらもう、自然の流れに身を任せればいい。たとえ少し高い切符を買うことになったとしまっても……。

と言いつつ、皆さまはお得に旅行ができるようにご注意を！