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香港のフラッグシップキャリア、キャセイパシフィック航空はボーイング777-300ERの改修を2024年10月から始め、主要路線に順次就航させています。改修の目玉は完全個室型の新ビジネスクラス「アリア・スイート」を導入するとともに、プレミアム・エコノミーおよびエコノミークラスを全面的にリニューアルをする点です。
2026年1月からは羽田―香港線で導入されることになり、アリア・スイートとプレミアム・エコノミーのモックアップを体験してきました。
デザインコンセプトには「Human Centric Design(人間中心のデザイン)」を採用し、快適性、ウェルビーイング、プライバシーを追求しています。機内にはレザーやウール、高品質なラミネート素材を使用し、翡翠やアーモンドゴールドのアクセントを施すことで、上質で温かみのある空間を演出しています。
キャセイとして初めて扉を備えた個室型ビジネスクラスであるアリア・スイートは「デザイン・エア・アワード 2024」において最優秀賞を受賞しました。座席は芸術性に優れ、洗練されたプライバシー空間を演出。フルフラット時でも手の届く位置にもボタンを配置し、どの姿勢からでも照明を自由に調整可能にしました。また、周囲に配慮した照明設計であることも特徴です。
24インチの4Kスクリーン、フルフラットシートは当然ながら素晴らしいですが、人間中心というのを感じたのは収納です。通常、ヘッドフォンやミラーが収納されているところは座席に対して、その横に水平に置かれている場合が多いです。それを垂直のすることで大きめの照明を設置することができたほか、そのおかげで平らな部分が増加。そこにワイヤレス充電ができるようにしました。また、垂直に設置しただけの違いでさえ、より開放的な空間になっていることを感じます。テーブルは、座席横からではなくスクリーンの下から引っ張り出すスタイルで、そこにはスマホやタブレットが立てられるようになっています。
プレミアム・エコノミーですが、フットレストが下からでてくるほどなので、前の座席と十分な間隔があります。スクリーンは15.6インチの4Kスクリーンで、ヘッドレストの両脇に頭を囲うような小さな壁を作ることで少しでもプライベートな空間を作る努力をしています。面白かったのはシートのひじ掛けの下にポケットを作ったこと。そこにUSBの電源があり携帯電話をそこで充電できるというものです。
搭乗機会があれば人間中心というデザインを体感してみてください。