キーワードで検索
ロンドンの冬を代表する風景の一つ、レスター・スクエアのクリスマス・マーケットを訪れました。気持ちの良い寒晴れの空の下賑わう会場には、アイススケートリンクを中心に、雑貨店や屋台が立ち並び、歩くだけで心が躍ります。可愛らしいクリスマス装飾や異国情緒あふれる飾り、香ばしい屋台グルメ、そして寒さを和らげる温かな飲み物まで、五感で楽しめる魅力が詰まっていました。本記事では、そんなマーケットで出会った印象的な光景や味わいについて綴ります。
ぐっと冷え込んできた12月のある日の朝、冬の空気に包まれたレスター・スクエアのクリスマス・マーケットを訪れました。街の中心部とは思えないほど温かく楽しげな雰囲気に包まれ、足を踏み入れた瞬間から心が弾みます。マーケットの中央には大きなアイススケートリンクが設けられ、気持ちの良い寒晴れの空の下で数組のカップルや家族連れが楽しそうに滑っていました(イルミネーションの美しい夜の時間帯や週末になると、もっと混むと思われます)。クリスマスソングが流れ、吐く息が白くなる寒さの中、リンク上では笑顔と楽しそうな声が絶えず、見ているだけでこちらも笑顔になってしまうような明るく爽やかな空間でした。
◾️スケートリンク営業時間:2026年1月4日迄の会期中10:00〜22:00 (最終セッションは21:15開始)
住所:Leicester Square London WC2H 7LU
入場料(45分間):大人£21.50、3〜12歳の小人£14.50、3歳未満の児童は入場不可
※値段は日時により異なります。詳しくはウェブサイトをご確認ください
ウェブサイト:https://www.skateleicestersquare.co.uk
スケートリンクをぐるりと囲むように並ぶ雑貨店も見どころの一つです。クリスマスの装飾品を集めたお店には、可愛らしい置物や個性豊かなクリスマスツリーのオーナメントなどが所狭しと並び、眺めているだけで自然と頬が緩みました。定番のサンタクロースやトナカイだけでなく、フェルトでできた手作り感のある温もりあるデザインや、少しユーモラスなものまで揃っていて、どれも欲しくなってしまいます。キラキラと輝く装飾に囲まれながら、クリスマスが近づいていることを改めて実感しました。
中でも印象的だったのが、イエス・キリストの生まれた街であるベツレヘム産のnativity(ナティビティ)を扱う売店です。nativityとはキリストの降誕場面を表した飾りのことで、日本ではあまり馴染みがありませんが、その一つ一つが非常に繊細で美しく、思わず引き込まれる魅力がありました。木や石の素材を生かした素朴なものから、細部まで丁寧に作り込まれたものまで幅広く、歴史や文化を感じさせる品々に思わず見入ってしまいました。異国のクリスマスらしい、奥深い世界に少し触れられた気がします。
歩き回って体が冷えてきた頃、屋台でホット・ドッグを買って一休みすることにしました。屋台の中心には大きな鉄板が吊り下げられ、そこにうず高く積み上げられた太いソーセージから香ばしい匂いが立ち上っています。売り子のお兄さん達がその下に薪をくべる様子を眺めながら待つ時間も楽しく、手渡されたホット・ドッグは想像以上のボリュームで、大人2人で分けて丁度良いくらいでした。寒空の下で頬張る熱々の一口は格別で、あまりの美味しさにあっという間に平らげてしまい、心も体もすっかり温まりました。
マーケット内にはムルド・ワインを売る売店もありました。これは赤ワインにシナモンやクローブ、オレンジなどのスパイスと果実を加えて温めた、冬のヨーロッパ定番の飲み物。温かいサングリアのような味わいといいましょうか、甘くスパイシーな香りが立ち上り、冷えた体を内側からじんわり温めてくれます。私がマーケットを訪れた当日は時間がなく、残念ながら飲むことはできませんでしたが、こちらの友人たちは「クリスマス・マーケットといえばムルド・ワイン。あれを飲みながら散策するのが最高なんだよね!」と口をそろえて言います。次に訪れる機会があれば、ぜひ私も味わってみたいと思います。
いかがでしたか?会場は広くはありませんが、レスター・スクエアのクリスマス・マーケットは、見る・食べる・感じる楽しさがぎゅっと詰まった場所でした。華やかな装飾や異国文化に触れながら味わう温かな食べ物は、旅の思い出をより深く心に刻んでくれるのではないでしょうか。冬のロンドンを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。
▪️クリスマス・イン・ レスター・スクエア
会期:2025年11月1日〜2026年1月4日
住所:Leicester Square London WC2H 7LU
入場料:無料
開場時間:10:00〜22:00