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京都に春の訪れを告げる伝統公演「都をどり」の第152回公演の詳細が、2026年2月25日に祇園甲部歌舞練場で発表されました。
今年の演題は「寛永行幸都華麗」。徳川三代将軍・徳川家光による寛永行幸から400年の節目にあたる年です。
発表では、初舞台を迎える舞妓たちの紹介や華やかな衣裳のお披露目、舞台写真の撮影も行われ、春の息吹が漂う華やかな空間に、舞台本番への期待が高まる特別な一日となりました。
京都には五つの伝統的な花街があります。その中でも祇園甲部は最大規模で格式の高い花街として知られ、八坂神社の門前町として江戸初期から栄えてきました。
花街内には重要伝統的建造物群保存地区や歴史的景観保全地区があり、春の「都をどり」をはじめ、芸妓・舞妓による舞の公演は季節の風物詩として国内外から多くの観客を集めています。
発表には、学校法人八坂女紅場学園理事長の杉浦京子氏、京舞井上流家元で人間国宝の井上八千代師、同志社大学文学部教授の植木朝子氏が登壇しました。
井上八千代師と杉浦氏は、海外だけでなく京都や日本の人々にも伝統文化の魅力を届けたいとの思いを語り、公演に込めた願いを丁寧に伝えられました。
今年の演題「寛永行幸都華麗」の内容については、植木朝子氏が解説。1626年、徳川三代将軍・徳川家光が京都を訪れた歴史的出来事「寛永行幸」を題材に、江戸幕府の威光と都の雅が交差する時代を、祇園甲部の芸妓・舞妓による優雅な舞で表現します。
また、日本画家の福田季生氏による今年のポスター原画も披露され、公演の世界観が視覚的にも伝えられました。
今年、初舞台を踏む舞妓の夢千鶴さん、心葉さん、豆しずさんも紹介されました。凛とした立ち姿からは、初舞台を前にした緊張と決意が伝わります。
舞妓には「店出し(みせだし)」という重要な節目があります。正式にお座敷に出るデビューの日で、この日を境に装いも変化。長く流れる「だらり帯」、白粉を施した化粧、季節の花をあしらったかんざし――すべてが舞妓としての新たな門出を象徴します。
この日紹介された舞妓の中には、前日に店出しを終えたばかりの方もおり、見習い時代との装いの違いも一目でわかります。伝統の奥深さを感じられる瞬間です。
三人はそれぞれ初舞台への思いを花街言葉で語りました。
会場では、公演で使用される華やかな衣裳も披露されました。やわらかな色合いの着物に、長く流れるだらり帯、歩くたびに揺れる季節のかんざしが、春の訪れを感じさせます。
舞台で舞う姿を思い描くと、これから始まる公演への期待が自然と高まります。衣裳を目にしながら、これまで観てきた「都をどり」の記憶もよみがえり、舞台いっぱいに広がる色彩と優雅な舞は、京都の春そのものを感じさせてくれます。
発表後、劇場内ではプログラム用の写真撮影や衣裳合わせも行われました。舞妓や芸妓の所作は自然で美しく、間近で見ると日々の稽古の積み重ねが伝わってきます。
その姿を見守る井上八千代師は、一人ひとりに優しく声をかけ、丁寧に動きを確認されていました。こうした日々の稽古と師の支えが、舞台の華やかさを育んでいることを改めて実感しました。
「都をどり」は150年以上続く京都の春の風物詩です。受け継がれてきた伝統と、新たに舞台に立つ舞妓たちの姿、そのすべてが重なり、春の京都ならではの特別な時間を生み出します。
祇園甲部歌舞練場で過ごすひとときは、京都の春をより深く感じさせてくれるでしょう。春の京都を訪れる際は、はんなりとした舞の世界を体験してみてはいかがでしょうか。
■ 会期
2026年4月1日(水)~4月30日(木)
※4月23日(木)・24日(金)の第1回は貸切公演
■ 会場
祇園甲部歌舞練場
(京都市東山区祇園町南側570-2)
■ 公演時間(1日3回)
・12:30~
・14:30~
・16:30~
■ 観覧料金(税込)
・茶券付一等観覧券 7,000円
・一等観覧券 6,000円
・二等観覧券 4,000円
・二等学生観覧券 2,000円
■ チケット
2026年1月6日より発売中
オンラインまたは電話(075-541-3391)
■ 主催
学校法人八坂女紅場学園・祇園甲部歌舞会