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京都に春の訪れを告げる恒例行事「都をどり」が、今年も4月1日に開幕しました。会場となる祇園甲部歌舞練場には、祇園甲部の芸妓・舞妓が集い、約1か月にわたり華やかな舞台が繰り広げられます。第152回となる今回は、寛永行幸から400年の節目にあたり、その歴史的な場面を題材に構成されています。舞、唄、鳴り物が一体となり、京都の伝統美と四季の移ろいを繊細に表現しています。
明治5年に始まった「都をどり」は、京都最大の花街・祇園甲部を代表する春の公演です。普段はお座敷でしか出会えない芸妓・舞妓の舞を、どなたでも鑑賞できる貴重な機会として長年親しまれてきました。
第152回となる今年は「寛永行幸都華麗」と題し、江戸初期に行われた寛永行幸をテーマに、壮麗な歴史絵巻が舞台上に広がります。
「都をどりは―」
「ヨーイヤサァー」の掛け声とともに、「寛永行幸都華麗」の幕が上がります。幕は最後まで下りることなく、四季折々の衣裳をまとった芸妓・舞妓が次々に登場し、舞の世界へと引き込まれていきます。
演目の軸となる寛永行幸は、徳川幕府と朝廷の融和を象徴する歴史的な行事です。舞台では、ゆかりの地である元離宮二条城を中心に、華やかな饗応の様子が描かれます。
月ヶ瀬の梅、修学院の紅葉、神泉苑の水景など、京都の四季が織り込まれ、やがて桜舞う二条城へと場面は移り、出演者全員が揃う華やかなフィナーレを迎えます。
春夏秋冬と場面が移ろうたびに舞台は一層華やぎ、思わず感嘆の声がこぼれる場面が続きました。
都をどりの楽しみは、舞台だけではありません。茶券付きの観覧席では、公演前にお茶席を体験することができます。芸妓さんがお茶を点て、舞妓さんが控える場面も見られるなど、花街ならではのもてなしは、この時期ならではの特別なひとときです。
我が家には、これまで足を運んだ回数分だけ持ち帰ってきたお菓子の皿が残っており、これもこの公演ならではの楽しみのひとつとなっています。若い頃、母に連れられ、このお菓子を楽しみに訪れていた記憶が、今もふとよみがえります。
4月の京都は桜の季節と重なり、国内外から多くの人が訪れます。町を歩いていると、外国人観光客とすれ違うことの方が多いと感じるほどのにぎわいです。
都をどりも例年、特に桜の見頃の時期はほぼ満席となる人気ぶりで、早めの予約が欠かせません。
京都には、宮川町の「京おどり」、先斗町の「鴨川をどり」、上七軒の「北野をどり」、祇園東の「祇園をどり」といった各花街の公演がありますが、その中でも都をどりは規模と歴史、そして祇園甲部歌舞練場という専用劇場での上演により、高い人気を誇っています。
京都の春は、桜だけでなく伝統文化とともに楽しむ季節です。都をどりは、その象徴ともいえる存在です。
実際に足を運ぶと、舞台の華やかさはもちろん、所作の美しさや空気感までもが印象に残ります。わずか1か月間だけの上演だからこそ、そのひとときの特別さがより深く感じられます。
会期:2026年4月1日から4月30日まで
会場:祇園甲部歌舞練場(京都市東山区祇園町南側)上演時間:1日3回公演
12時30分、14時30分、16時30分 各回約1時間
料金:
茶券付一等観覧席 7000円
一等観覧席 6000円
二等観覧席 4000円
学生料金(二等席) 2000円
電話番号:075 541 3391
URL:https://miyako-odori.jp/miyako/
*本記事の写真は、特別に許可をいただき撮影したものです。上演中は写真撮影はできません。