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【奈良】抹茶ブームの舞台裏へ!茶筅の里・生駒高山を訪ねて

Rumi

Rumi

奈良特派員

更新日
2026年7月8日
公開日
2026年7月8日

世界的な抹茶ブームが広がるなか、その一杯を陰で支えている道具があります。抹茶を点てるときに欠かせない「茶筅」です。
奈良県生駒市の高山地区は、別名「茶筅の里」ともいわれる、国産茶筅の一大産地。国内シェアの9割以上を占めており、今も職人の手によって一本一本作られています。茶筅師の工房で見た手仕事を中心に、茶筅の魅力と、実際に体験できるスポットをご紹介します。

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世界で愛される抹茶、その一杯を支える茶筅

茶筅は、茶碗の中で抹茶と湯をなじませ、細かな泡を立てるための茶道具のひとつ。見た目はとても繊細ですが、ただ混ぜるためのものではありません。竹のしなり、穂先の細かさ、持ったときの軽さ。そのひとつひとつに、抹茶をおいしく点てるための工夫が詰まっています。

生駒市高山町で作られる「高山茶筅」は、国の伝統的工芸品にも指定されています。現代では、用途に応じて、外国製のものや樹脂製の茶筅も多く出回っています。また、穂数が多いものや少ないもの、形状や産地の違いなど、茶筅にもさまざまな種類があります。特に人気の日本製の茶筅のなかでも、高山茶筅は、抹茶の爆発的人気に伴って需要に供給が追いつかず、品薄になっていると言われています。

高山茶筅を受け継ぐ、茶筅師・谷村丹後さんの手仕事

創業500年の屋号「丹後」を継ぐ和北堂の谷村丹後(たにむらたんご)さんは、江戸幕府に徳川幕府より名字を与えられた茶筅師十三家のうち、現存する三家のひとつ。茶道の裏千家や武者小路千家のお家元に茶筅を納める、20代続く茶筅師です。500年以上、一子相伝によりその技が伝えられてきました。

  • 左:淡竹(はちく)、真ん中:煤竹(すすだけ)、右:黒竹または紫竹(しちく)
  • 江戸時代から谷村家に伝わる、流派ごとの茶筅の仕様書

茶筅づくりは、まず竹藪から茶筅に適した竹を選ぶところから始まります。茶筅によく使われるのは、淡竹(はちく)という、細く白っぽい竹。裏千家をはじめ、多くの流派で使われています。しかし、現在では天然の淡竹が少なくなってきていて、手に入れることが難しくなっているそうです。

その右は、表千家で使われている煤竹(すすだけ)や、武者小路千家で使われる紫竹(しちく/黒竹)など、流派によって用いられる竹や茶筅の形にも違いがあります。

いよいよ実演です。時間をかけて念入りに下準備をした竹を薄く削り、竹を16分割に。その穂先を外側に曲げて刃を入れ、整えます。16分割して薄くなった穂先を、さらに細かく割る。さらに穂先が薄くなるように削っていき、なめらかでしなやかになるように仕上げる。

糸かけをして穂先を固定し、最後に全体の形を仕上げていきます。竹の状態を見ながら、指先の感覚で少しずつ整えていく。その技を間近で見せていただきました。それは、一本の竹が少しずつ茶筅の形になっていく、気の遠くなるような手仕事の連続でした。

完成した茶筅はまさに芸術品。工房には、通常の茶筅以外にも、カラフルな色糸茶筅や黒竹を使ったものなど、さまざまな茶筅が並んでいました。これだけのものを一堂に観る機会はなかなかないので、圧巻でした。

 

見て、触れて、味わう。高山茶筅を体験する

谷村丹後さんの工房では、茶筅制作の見学や、茶筅づくりの一部である糸かけを体験できるプログラムも行われています。体験の最後には、点てたお抹茶と和菓子もいただけます。催行人数や可能な日時などは、HPをチェックするか、直接工房へ問い合わせてみてください。

そのほかにも、近くの「高山竹林園」では、茶筅にまつわる展示や茶筅制作の実演、お抹茶体験などを楽しむことができます。茶筅がどのように作られ、どのように使われるのかを知ると、普段何気なく飲んでいる抹茶の一杯も、少し違って見えてくるはずです。

抹茶を点てるための小さな道具、茶筅。その背景には、500年以上受け継がれてきた高山の手仕事と、茶の文化を支えてきた職人たちの技がありました。

普段なかなか見る機会のない日本の伝統工芸にふれる旅。丁寧に作られた茶筅の美しさにふれながら、五感で楽しむひとときを、ぜひ奈良で味わってみてください。

■和北堂 谷村丹後
住所:奈良県生駒市高山町5964
電話:0743-78-1755
アクセス:近鉄けいはんな線「学研北生駒」駅より奈良交通バス「傍示」行きに乗車、「大北」下車、徒歩4分
HP:https://www.tango-tanimura.com/
※見学ツアーや茶筅等の注文は、直接電話かHP内のお問い合わせフォームから

 

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