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ルーヴル美術館周辺をはじめパリの有名観光スポットでは、路上で水などを売っている人をしばしば見かけます。特に飲料水は旅行中の大きな関心事ですが、買う場所によっては注意が必要です。フランス旅行中の水の購入事情についてまとめました。
観光地の路上などで、ペットボトルを氷水のバケツに入れ、手売りされている水(多くは500mlで1ユーロ)を買わない方がよい理由は、その衛生状態からです。それら露天商は、毎朝きちんとした保管庫から商品を路上まで運んでくるわけではなく、ストックを市内にある配電盤の中や下水道のマンホール下などに保管しておき、そこから取り出して販売しているということがフランスのル・パリジャン紙などで指摘されています。
商品として製造されたペットボトルを扱っているならまだマシで、空になったペットボトルに水を入れて巧妙に蓋をして、未開封品として売られている場合もあるといいます。
エッフェル塔前の芝生エリアであるシャン・ド・マルス公園、またはセーヌ河岸など、ピクニックに適した場所で座っていると、ビールやワイン、タバコを手売りする露天商が声をかけくることがあります。それらも違法です。
水やワインだけでなく、クレープやトウモロコシなどをその場で焼いて売る露天商もいます。クレープの場合、バケツに入れたクレープ生地の余りを都市の隙間に隠して保管し、生地が痛んでも砂糖やフレーバーを多量にかけて、ごまかして売っているという指摘もあります。
水などを急ぎでほしい場合、店を探してそこまで行く手間を比べると、多少高くて怪しくても買ってしまおうかという気持ちが起きるかもしれませんが、違法な露天商からは決して買わず、スーパーやキオスクといった、きちんとした営業許可を持つ店から購入しましょう。違法販売品の購入は犯罪への加担になる上に、衛生状態が原因で体調を崩し、その後の旅行が台無しになることにも繋がります。
それでは、どこで水を買うのがよいでしょうか。ペットボトルの水は、売られている場所によって随分と価格が変動します。
最も高いのが空港や鉄道駅構内にあるショップ。500mlで2ユーロ台が多いです。有名観光スポット近くにある大手スーパー系列の小型店だと500mlで1〜2ユーロ台。アラブ系の人々が経営しているコンビニのような規模の個人商店でもそれくらいです。最も安いのが、観光地からは少し距離のある住宅街にあるスーパー。500mlで1ユーロを下回ります。スーパーの店舗規模が大きくなれば大きくなるほど、価格は安くなる傾向があるように思います。
最も経済的なのは水道水。フランスは水道水を飲用できます。屋外などにある飲用可能な蛇口には「Eau Portable(飲用水)」という文字が書かれています。パリ・オリンピックなどの大型イベントを通して、ここ数年のフランスで一気に広まったのが、ペットボトル削減のための水筒の持ち歩きと、水筒に水を詰めるための給水設備です。
それ以前にもパリには「ワラス(ヴァラス)の泉」という、公共の給水設備はありました。これはイギリス人の慈善家リチャード・ワラスが、私財を投じて1872年に寄贈設置したもの。1870年の普仏戦争やパリ・コミューンによる水道設備の破壊と深刻な水不足、物価高騰で、貧困層が安全ではない水の代わりに安価なアルコールに頼ってしまうのを防ぐために設けられました。
以前、他の取材の際に飲食関係者と話をしていて、衛生観念の話題になったことがあります。表向き食品の取り扱い方にルールが定められていても、必ずしもそれを厳格に守る人ばかりではないし、習慣や環境が変わると、自分たちが今まで思いもしなかったような食品の扱い方が、平気で通用することがあるとこぼしていました。
せっかくの楽しい旅行を、食べ物によって足をすくわれないように、自らが防げる範囲は確実に注意してきたいですね。