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シュマイ!こんにちは!
10月に入り、ウェールズもすっかり秋らしくなってきました。街ではカボチャやオバケなど、ハロウィンの飾りを目にする季節です。でも、ウェールズにはこの時期、他にも古くから伝わる独自の風習があるのはご存じでしょうか?その名も「Calan Gaeaf(カラン・ゲイアヴ)」。今回は、そんなあまり知られていない、ちょっと不気味なウェールズの秋の伝承と、私が働くポウィス城でこの秋開催されるイベントをご紹介します。
Calan Gaeaf(カラン・ゲイアヴ)は、ウェールズに古くから伝わる、冬の訪れを告げる日です。日付としては11月1日にあたりますが、伝統的には10月31日の日没から始まる行事とされています。
ウェールズ語で 「Calan(カラン)」 は「月の最初の日」、「Gaeaf(ゲイアヴ)」 は「冬」を意味し、収穫の季節の終わりと、長い冬の始まりを告げる節目の日と考えられてきました。
そして、その前夜にあたる10月31日は、現在ではハロウィンとして広く知られていますが、ウェールズの伝統では 「Nos Galan Gaeaf(ノス・ガラン・ゲイアヴ)」 と呼ばれています。
昔の人々は、この夜には現世と異界との境界が薄くなり、死者の魂や精霊がこの世をさまようと信じていました。そこで人々は大きな焚き火を囲み、さまざまな風習や占いを行ったのです。
また、この少し不気味な夜の伝承に登場するのが、ウェールズならではの恐ろしい存在、尻尾のない黒豚「Hwch Ddu Gwta(フッフ・ズィ・グタ)」 です。
Hwch Ddu Gwta(フッフ・ズィ・グタ)は、尻尾のない恐ろしい黒い雌豚。地域によっては、首のない白い女性Ladi Wen(ラディ・ウェン)とともに現れ、人々を怖がらせるとも伝えられています。
昔、ノス・ガラン・ゲイアヴの夜、囲んでいた焚き火が消え始めると、人々は一斉に家へ走って帰ったんだとか。最後まで残っていると、尻尾のない黒豚に捕まり、魂を奪われてしまうと恐れられていたからです。
実際、ウェールズ各地には、この黒豚にまつわる歌や詩が残っています。
そのひとつが、「Adref, adref am y cynta’, Hwch Ddu Gwta a gipio’r ola’.(アドレヴ、アドレヴ・アム・ア・キンタ、フッフ・ズィ・グタ・ア・ギピオル・オラ)」。
「早く家へ、早く家へ。尻尾のない黒豚が、最後のひとりを捕まえるぞ」という意味です。
まさに、ウェールズ版ハロウィン?!
そんなちょっと風変わりなウェールズの伝承を、今年はポウィス城でも楽しむことができます。
ウェールズ中部の町ウェルシュプールにあるポウィス城(Powis Castle and Garden)では、2026年10月24日から11月1日まで、カラン・ゲイアヴをテーマにしたイベントが開催されます。
庭園に置かれたカボチャをたどって歩いていくと、秋色に染まった木々のなかに、なんと10匹のフッフ・ズィ・グタが潜んでいるんだとか。
黒豚を探しながら、カラン・ゲイアヴの伝承を知ることができ、さらに巣の近くでは、豚の鼻息や鳴き声まで聞こえてくる仕掛けまであるそうです。
秋色に染まり始めたポウィス城の庭園を散策しながら、ウェールズに伝わる少し不思議で、ちょっぴり怖い昔話に触れてみてはいかがでしょうか。
ただし、帰るのが最後にならないようにご注意を。尻尾のない黒豚が後ろから追いかけてくるかもしれませんからね。
皆さまのお越しをお待ちしております。
Powis Castle and Garden
住所: Welshpool, Powys, SY21 8RF
公式サイト: National Trust
※開園時間や入場料金などの最新情報は、上記ナショナル・トラストの公式サイトをご確認ください。