~三重県のグランピング施設~「伊勢志摩BASE」宿泊体験記

公開日 : 2023年05月29日
最終更新 :
筆者 : な*る

五月晴れの中、三重県・伊勢志摩に新しくオープンしたグランピング施設「伊勢志摩BASE」に行ってきました。

名古屋市から車で約2時間の場所にあるこの施設は伊勢志摩国立公園内に位置し、宿泊・食事・ドリンクなどインクルーシブのサービスでファミリーやグループ旅行に人気です。
敷地内にはそれぞれデッキスペースを備えた直径6.5mの大型ドームが7つあり、各ドーム最大4人での宿泊が可能。屋外キャンプやホテルステイとは異なるグランピング*を楽しむことができます。

*グランピングとは、グラマラス(豪華)とキャンプを掛け合わせた造語です。野外キャンプで味わえる自然環境とホテル並みの快適なサービス両方を楽しめる宿泊施設を指します。

グランピングのメリット

レセプションがあるので安心 ©伊勢志摩BASE
レセプションがあるので安心 ©伊勢志摩BASE

グランピングの最大のメリットは、通常のキャンプのように専用の道具や器具が無くても身軽に訪れて設備の整った施設で宿泊できることです。伊勢志摩BASEのドームは全て冷暖房完備のため、天候や気候に左右されず過ごすことができます。
また、レセプションでは宿泊手続きの受付やウェルカムドリンクの提供、FREE BARのサービスがあるのも嬉しいポイント!

アウトドア感とホテルの利便性を兼ね備えたグランピングは、子供連れや年配の方が参加しての家族旅行はもちろん、友人や恋人同士、女子会、一人旅など幅広いニーズに対応しています。

室内の様子

伊勢志摩BASEでは、スタンダードドームとプライベートシアタードームの2種類があります。今回筆者が宿泊したのはスタンダードドームです。
自然豊かな敷地内にあるドームですが、ドーム内に一歩足を踏み入れるとそこはまるで別世界。室内のインテリアはカジュアルシックなデザインで統一されており、清潔感がただよいます。室内にはベッドや机などの基本的な設備のほか、コーヒーメーカーや貸し出し用の傘、ハンガーラック、洋服用消臭スプレーなどの細やかなサービスが光ります。地味に嬉しいのが靴の着脱をしなくてもすぐに外に出られるよう玄関にクロックスが用意されていたことです。伊勢志摩の美しい自然を感じながらラグジュアリーなステイも楽しんでほしいという施設側の心配りが感じられます。

  • ©伊勢志摩BASE

    ©伊勢志摩BASE

  • 大きな窓からは広い空と伊勢志摩の自然が見える

    大きな窓からは広い空と伊勢志摩の自然が見える

  • 天井が高いので広く感じる

    天井が高いので広く感じる

各戸専用の水回り (キッチン・シャワー・トイレ)

アメニティやドライヤーもしっかり完備
アメニティやドライヤーもしっかり完備

ダイニングルーム横には、各戸専用の水回りがあります。
中から鍵をかけられるので、プライバシー確保や安全性、衛生面でもとても優れていると感じました。
野外キャンプ場によくある共同のシャワーやトイレとは違い、いつでも安心して利用できるのはかなり便利です。

アクティビティ体験

伊勢志摩BASEでは年間を通して地域と連携したさまざまな外部アクティビティを楽しむことができます。
今回、筆者は藍染(あいぞめ)体験にトライしました。
春は期間限定のいちご狩りもあったようです。
その時期に応じてのメニューもあるようなので、詳細はグランピング施設伊勢志摩BASEのURLでご確認ください。(下段、地図の手前に記載)

レイズファームの藍染(あいぞめ)

レイ先生のレクチャー:ビー玉と輪ゴムを使っての模様づくり
レイ先生のレクチャー:ビー玉と輪ゴムを使っての模様づくり

伊勢志摩BASEから徒歩で約5分程の場所に今回藍染体験をした「RaysFarm
(レイズファーム)」があります。ここでは志摩藍を使った染体験と農園を経営されているそうです。
ファーム内の「The Indigo House」ではこの農園で栽培をしている蓼藍(たであい)で、たたき染め、生葉染め、志摩藍染めを体験することできます。

蓼藍(たであい)で染色することを藍染めといいますが、世界各国、地域によって染める方法が同じでも微妙に発色が異なるそうです。
ここ志摩市で栽培した蓼藍を「志摩藍」と名付け、志摩藍から染色してでき上がった色を「志摩ブルー」と呼んでいるとのことでした。
確かに伊勢志摩ならではの海の青・空の青、そして、たで藍の青を思えば、本当にぴったりのネーミングでした。

  • 農園に到着すると子ヤギがお出迎え

    農園に到着すると子ヤギがお出迎え

  • 染色体験が出来る工房「The Indigo House」

    染色体験が出来る工房「The Indigo House」

藍染体験開始!

空気に触れた途端に鮮やかな志摩ブルーに変化
空気に触れた途端に鮮やかな志摩ブルーに変化

The Indigo House内には志摩藍で染められたスカーフやクッションカバーなどの作品が並んでいます。
藍染を教えてくれるのはレイ先生です!

まずはシルク地の白いストールを水で濡らした後、先生のレクチャー通り模様づくりをします。(ビー玉や洗濯ばさみ、おはし、輪ゴム等の道具を使って各自好きなように模様を作ります。)

その後、藍染の溶液がある鍋にゆっくりと3回以上漬け込みます。
この時点では布は薄い緑色なので、この後どのように志摩ブルーになるのかワクワクします。

漬け込んだ布を取り出して開き、パッと空気に触れさせた途端魔法のように緑色から鮮やかな志摩ブルーになりました!ほかの草木染とは違い、藍染は空気に触れることで鮮やかに発色するそうです。

染まった布を何度か水洗いして乾かして完成です。

農園の一角で楽しむ手品のようなティータイム

染めたシルクストールが乾くまでの間、先生とティータイムを楽しみました。

この日頂いたお茶はタイでよく飲まれているというハーブティー「バタフライピー」です。
ワイングラスに注がれたそのお茶は青く、私たちが普段飲んでいるお茶とは違う色実です。クセは無くとても飲みやすいお茶なのですが、実はこのお茶、レモンなど酸性のものを加えると色が変わるという特徴があります!

レイズファーム自家製の梅シロップを青いお茶に入れ、かき混ぜるとあら不思議。紫色に変化しました。

  • BEFORE

    BEFORE

  • AFTER

    AFTER

元の青も変化した紫も綺麗な色合い。
真夏の朝顔の青や紫が思い浮かぶような色でした。
また学校の科学実験・・・リトマス紙もふと頭をよぎりました。

その後、紫色に変化したお茶を炭酸で割って頂き、しばしお茶を楽しみました。
爽やかな風が吹く農園の一角で、手品のようなお茶会でした。

すっかり乾き出来上がったシルクのストールを手にグランピングテントに戻ります。
夕食まではまだ少し時間があったので広いドーム内でゆっくりと過ごしました。

地元食材を使用した豪華な夕食

これで一人前のボリューム!
これで一人前のボリューム!

夕食は、地元三重県が誇る食材を使用したBBQです。
各ドームのすぐそばに屋根付きの個別の食事スペースがあるので天気に左右されず食事を楽しめます。
食器や調理器具、カトラリーはダイニングルームに用意されています。

夕食のメニューには日本三大和牛のひとつといわれる松阪牛をはじめ、英虞湾で水揚げされた新鮮な海の幸が並びます。

【定番人気のBBQセット】
松阪牛サーロインステーキ
松阪牛フランク
英虞湾の恵み ヒオウギ貝 あおさ醬油風味
車エビ串焼き
季節のグリル野菜 バーニャカウダソースとともに
魚介たっぷりのアヒージョ バゲット添え
ブイヤベース
ミニシェルパスタ
焼きバナナ シナモンシュガーとともに
※メニューは予告なく変わる可能性があります。

松阪牛は厚みがあり十分なボリュームです。厚みがあるにも関わらず歯で噛み切れるほど柔らかくジューシーなその肉質は三重県が世界に誇るごちそうです。

三重の味覚を堪能しよう
三重の味覚を堪能しよう

BBQのスペースも各ドームごとに分かれているのでプライバシーが保たれています。
また、ドリンクは一部を除き宿泊料金に含まれているので好きなものを好きなだけ飲めるのも嬉しいポイントです。
追加のオプションで地元産伊勢海老やアワビなどを追加することもできるのでお腹に余裕がある方はぜひ。

なお、BBQは持ち込みプランもあるようです。

ドームでの過ごし方

幻想的な雰囲気の中で眠りにつく

  • 夜のテント、外も一部ライトアップされている

    夜のテント、外も一部ライトアップされている

  • テント内の光と影

    テント内の光と影

お腹もいっぱいになったところで、ドームに戻ります。

夜になるとテントの中は一段と幻想的になって来ました。
よく効いた空調、ふかふかで真っ白なベッド、座り心地の良いクッションチェア。

備え付けのコーヒーメーカーで食後の珈琲を入れ、ゆったりとした時間を楽しみました。
都会の喧騒を離れた伊勢志摩の大きなテントの中。

以前、テレビで観たことのあるモンゴルのパオテントや住居のゲルをふと思い出してみたり・・・。
もしここが月か?火星か?宇宙移住地域だったとしたら・・・私たちの住む住居(シェルター)はこんな感じなのだろうか?等と空想してみたり・・・。

テント内のシンプルで素敵な空間とランプシェイドが放つオレンジ色の光。
光と影が織りなす非日常的な時間でした。

そしてその快適さの中、いつの間にかぐっすりと眠ってしまったようです。

最高の目覚めと一日のスタート

  • ダイニングルームから見たドームと朝日

    ダイニングルームから見たドームと朝日

  • 朝日が差し込む室内

    朝日が差し込む室内

なんだか暖かな光・・・窓の朝露越しに朝日が差し込んで来ました。
天然の目覚まし時計、鶯(うぐいす)のホーホケキョの声で目が覚めました。
その美しい声は早春から初夏にかけてよく聞くことができるそうです。

空調が効き快適に過ごしている部屋のすぐ隣から、鳥の鳴き声や木々の葉が風に吹かれてこすれ合う音が聞こえてなんだか不思議な感覚です。すぐ隣に自然があることが感じられとてもすがすがしい一日の始まりになりました!

趣向を凝らした朝食

  • ハンバーガーの材料

    ハンバーガーの材料

  • オリジナルのハンバーガーの完成

    オリジナルのハンバーガーの完成

朝食に用意されたのは「ハンバーガーキット」!

どんなものだろうと思ったのですが、新鮮な野菜や生のハンバーグパテ、バンズがそれぞれ用意され、自分でBBQグリルを使用してハンバーガーを作るというものでした。
そのままハンバーガーが提供されるよりも調理工程を楽しむことができ、アクティビティのようで楽しい経験でした。
好みのソースで味付けしてかぶりついたオリジナルのハンバーガーはまさに絶品です。
テント内のコーヒーメーカーでコーヒーを淹れて優雅な朝食を楽しみました。

人生初のグランピング体験は忘れられないものに

筆者にとって人生初となった伊勢志摩BASEでのグランピング体験は、ホテルステイでも野外キャンプでも味わうことのできない新鮮な体験でした。

自然体験はしたいけど、セキュリティやプライバシー、衛生面が気になるという方にとってはグランピングはもっとも適した宿泊形態だと思います。
グランピング初心者の筆者も十分楽しめた伊勢志摩BASE。三重県でグランピングを計画している方はぜひ!

伊勢志摩BASE

住所
三重県志摩市阿児町神明1480-1
電話番号
080-4152-7426
アクセス
近畿日本鉄道 鵜方駅から車で7分。無料送迎あり(要予約)

周辺の観光地

有名な夫婦岩 ©iStock
有名な夫婦岩 ©iStock

伊勢志摩BASEは周辺観光地へのアクセスも最適です。

最寄りの鵜方駅からは志摩スペイン村パルケエスパーニャや英虞湾・島めぐりへ行くこともできます。
また、車で1時間以内のところには猿田彦神社(約45分)、夫婦岩「二見興玉神社」(約40分)、おはらい町・おかげ横丁(約45分)、伊勢神宮(内宮・約45分)(外宮・50分)、朝熊山登山「天空のポスト」(約55分)、鳥羽水族館(約40分)など三重県を代表する観光地の数々があります。

伊勢志摩BASEを拠点に三重県の観光地巡りをしてみるのも良いかもしれません!

筆者

三重特派員

な*る

三重県在中27年から見た三重の良さをお伝え出来たら幸いです。

【記載内容について】

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