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幻のヒトに会いに行こう!ドイツ・ネアンデルタール博物館

守隨 亨延

守隨 亨延

フランス特派員

更新日
2015年8月24日
公開日
2015年8月24日
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ネアンデルタール人の女の子

約20万年前に現れ、2万数千年間に絶滅したとされるネアンデルータル人。名前だけは聞いたことがあるという人も多いと思います。そのネアンデルタール人、なぜ「ネアンデルタール」なのか知っていますか?

じつはネアンデルタールという場所で発見されたからなんです。

ネアンデルタールという場所

ネアンデルタール駅

デュッセルドルフ中央駅から列車で15分ほどの場所に、ネアンデルタールという渓谷があります。かつて、ここで石灰岩の採掘をしていた際に、骨が出てきました。最初は動物の骨だと思っていたそうですが、念のため研究者へ見せた結果、なんと人類の化石だったというわけです。そして発見場所の地名から「ホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)」と命名されました。

現在ここには、ネアンデルタール人が送っていた当時の生活様式などを展示する「ネアンデルタール博物館」が立っています。1996年に完成した同博物館の外観は、とてもモダンなデザイン! ドイツ国内および海外から公募した130案の中から選ばれたそうです。

ドイツの中でも特に成功した博物館の1つである、ネアンデルタール博物館

博物館外観

館内に入ると、まずネアンデルタール人がお出迎え。フロアは緩やかに、らせん状に上階へ向けて伸びる完全なバリアフリー設計です。教育施設らしく子供にも配慮した展示構造になっており、ファミリーで楽しめます。子供向けに作られているため、言葉が分からない外国人でも、ある程度の意味はつかめます。

ネアンデルタール人の復元モデル

公式サイトによれば同博物館は、ドイツの中でも特に成功した博物館の1つとのこと。年間17万人の来館者が訪れるそうです。私が見学した日も、多くの子供連れや特別支援学校の生徒たちが、来館していました。

ホモ・サピエンスとネアンデルタール人の関係

人間の進化の様子をたどれる

館内は至る所で、現代人になり今の服装をしたネアンデルタール人が出迎えてくれます。ネアンデルタール人が絶滅した理由は解明されていませんが、もし彼らが現代まで生き延びていたら、こんな風に生活していたのかもしれません。

もっとも新しい説では、我々ホモ・サピエンスの遺伝子(アフリカのネグロイドを除く)には、ネアンデルタール人の遺伝子が少しだけ混入しているということが分かっています。特に白い皮膚、金髪や赤毛、碧眼はネアンデルタール人から受け継いだ可能性が高いのだとか! 6万年前くらいに混血したのではないか、ということだそうです。

スーツを着た現代風ネアンデルタール人も

博物館のすぐ近くには小川が流れ、骨の発見現場や石器時代工房をつなぐ散策路が整備されています。天気の良い日には絶好の散歩コースです。緑に囲まれてリフレッシュしながら、私たちの身体の一部に受け継がれているかもしれないネアンデルタール人のことに、色々と思い巡らせてみても良いですね!

化石が発見された場所付近

【データ】
店名:ネアンデルタール博物館(Neanderthal Museum)
住所:Talstraße 300 40822 Mettmann
Tel:02104.9797-0
URL:http://www.neanderthal.de/
開館時間:10:00~18:00
料金:9ユーロ

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