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中央ヨーロッパ、バルカン半島に位置するふたつの国、コソヴォとアルバニア。コソヴォは、民族対立の激化から紛争を経てセルビアから2008年に独立した若い国。アルバニアも社会主義の時代に長く鎖国政策を取っていたため国の情報が伝わらず、これまではどちらの国も日本人にとっては未知の部分が多く馴染みの薄い国でした。しかし、近年この地域に平和が定着するにつれて、豊かな観光資源が注目されるようになっているのです。3月上旬から5回に渡って連載したコソヴォとアルバニアを巡る旅をダイジェストで紹介します。詳しい情報は、【関連記事】からご確認ください。
コソヴォの首都プリシュティーナでは、マザー・テレサ大聖堂、コソヴォを代表するモダンな建築物でもある国立図書館、そして民族学博物館を訪問しました。郊外にはローマ帝国時代の都市遺跡、ウルピアナがあります。美しい自然に囲まれた町ペヤにある総主教修道院は、中世セルビア正教でもっとも重要な修道院。内部は美しいフレスコ画に彩られ、世界遺産にも登録されています。古くから交易で栄えたプリズレンでは、古都というにふさわしい伝統と趣のある町並みを歩きながら、様々な民族、宗教の人々が共存する姿を見て回りました。
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コソヴォ国旗に見られる6つの星は、アルバニア人、セルビア人、トルコ人、ボスニャク人、ロマ人、ゴラニ人の6民族を表しています。今回の旅では、アルバニア人、セルビア人、ボスニャク人の3つの民族の文化に触れることができました。アルバニア系の人々からは歌と踊りで歓迎を受けました。アルバニア系の男性がかぶる白いフェルトの帽子「ブリス」を伝統的な手法で作る職人さんの話も聞きました。セルビア人が住む地区では彼らが守る美しいセルビア正教の修道院を見学しました。ボスニャク人が住む村では、花嫁の伝統的な化粧を特別に再現してもらいました。
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コソヴォからアルバニアに入国し、シュコドラへと向かいました。シュコドラは様々な民族や文化が交わる町で、様々な宗教の施設が並んでいるのが特徴的です。アルバニアの首都ティラナでは、15世紀、オスマン帝国の侵略に抵抗しアルバニアの独立を保った英雄、スカンデルベグの名を冠された広場から、フレスコ画が美しいイスラム教の古いモスク、ジャーミア・エトヘム・ベウトを見学、アルバニアの伝統料理にも舌鼓を打ちました。クルヤは、スカンデルベグがオスマン帝国の攻撃を退け、アルバニアの独立を守った歴史ある町。にぎやかなバザールでそぞろ歩きを楽しみながら、おみやげを探しました。
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コソヴォとアルバニアの旅の最終回は、「千の窓の町」と呼ばれるベラティとアドリア海に面したリゾート地デュラスを紹介しました。ベラティは、アルバニア屈指の人気を誇る観光都市で、伝統的な民家が建ち並ぶ独特な景観の街並みは世界遺産にも登録されています。デュラスは、アルバニアきっての港町で古代ローマ時代からこの地域の海の玄関でもありました。近年は西ヨーロッパからたくさんの人が訪れる人気のリゾート地でもあります。町に残る古代ローマ時代の円形劇場は、将来的に世界遺産への登録が期待されています。
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