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1日で観光可!初めてのネパール・カトマンドゥで絶対訪れたい観光スポット5選

春日山 紀子

春日山 紀子

ネパール特派員

更新日
2018年6月29日
公開日
2018年6月29日
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五色の仏教旗が揺れる「スワヤンブナート寺院」

世界最高峰のエベレストを有するネパールの首都カトマンドゥ。日々、目まぐるしい勢いで近代化しつつも、レンガ造りの古い街並みが残り、ヒンドゥー教と仏教が溶けあう宗教観に根付いた庶民の暮らしを垣間見ることのできる魅力的な場所です。初めてのネパール・カトマンドゥ旅行で、おさえておきたい見どころ5ヵ所を紹介します。

やさしい風に吹かれたい、見晴らしのよい「スワヤンブナート寺院」

眺望が魅力の「スワヤンブナート寺院」

ネパール・カトマンドゥの西部、丘の上にある仏教寺院が、「スワヤンブナート寺院(Swayambhunath Temple)」です。

カトマンドゥ盆地は、かつて湖だったという伝説があります。その昔、文殊菩薩が湖を切り開き、小高い丘となって表れたこの場所に、「スワヤンブナート寺院」を作ったといい伝えられています。そのことから、この寺院は、カトマンドゥで最古の寺院ともいわれています。

仏塔には四方を見渡す智慧の眼が描かれており、遠くからでも、丘の上に白く輝く仏塔を見つけることができます。高台にはいつもやさしい風が吹いていて、タルチョと呼ばれる五色の仏教旗が揺れています。

境内からは市内を一望でき、天候に恵まれると、北方向に白いヒマラヤ山脈を拝むこともできます。

「スワヤンブナート寺院」の表参道にある、約400段の急な階段

西の裏門付近にある池には、仏像があります。コインを投げて足下の壺に入るか台座にのると、ご利益があるとされています。訪れた際にはぜひ試してみてください。

西の裏門近くにある仏像。足下の壺にコインが入るとよい事が!

ところで、ここは別名モンキーテンプルとも呼ばれるほど、野生の猿が多い場所でもあります。手にカサカサ音の出る袋などを持っていると、それめがけて猿が攻撃を仕掛けてくることも。リュックのポケットに入れていたタバコを猿に奪い取られた方もいました。毎年、何名か負傷者もでていますので、お気を付けください。

別名モンキーテンプルと言われるこの場所。野生猿にはご注意を!

「スワヤンブナート寺院」に行くには、旅行者街タメル地区から徒歩で約45分です。または、タクシーで約15分です。入場料は200ルピーで、表参道からいつでも入場が可能です。

満月の日の日没後、スワヤンブナートから市街と月を望む

ネパール最大の仏塔に圧倒される「ボダナート寺院」

荘厳ながらもどこか愛嬌のある「ボダナート寺院」

カトマンドゥの北にあるチベット仏教寺院が、「ボダナート寺院(Boudhanath Temple)」です。チベット仏教徒にとって主要な巡礼地であり、早朝や夕暮れ時には、マニ車(経文が刻まれた仏具で、これを一回まわすとお経を108回唱えたことになる)を回しながら、時計回りに参拝する人たちの姿を多く見かけます。

マニ車を回す参拝者

半円球型のドームの上に、四方を見下ろすブッダの智慧の眼が描かれた基部があり、その上に、三角帽子の様な13層の塔が乗っています。先ほど紹介した「スワヤンブナート寺院」と一見同じようにも見えます。一体どこが違うの、と思う方もいることでしょう。

塔の部分(三角帽子)をよく見てみてください。「ボダナート寺院」は四角錘ですが、「スワヤンブナート寺院」は円錐であることがわかるでしょうか。訪問した際には、ぜひこんな違いにも注目してみてください。

もうひとつ、「スワヤンブナート寺院」と異なる点は、「ボダナート寺院」では仏塔の台座の下まで立ち入ることができるところ。仏塔の近くに身を置くことで、何か特別な「気」を感じられるような気がしてきます。

「ボダナート寺院」の13層の塔は四角錘
「スワヤンブナート寺院」の13層の塔は円錐

ところで、この「ボダナート寺院」は、2015年4月25日に発生したネパール大地震で、亀裂が入るなどのダメージを受けました。修復作業のため、目が描かれている部分から上がすべて取り壊されていたことがありましたが、2016年11月に完全に修復され、元の姿に戻っています。

カトマンドゥ盆地内で被害を受けた寺院や主要建築物のなかで、最初に修復作業が始められ、また最初に完成したのが、この「ボダナート寺院」だったのです。チベット仏教徒にとって主要な地であることがよくわかります。

2015年4月の地震による被害のため復旧工事中の様子(2016年1月)

「ボダナート寺院」へ行くには、旅行者街タメル地区からタクシーで約40分です。入場料は400ルピーで、いつでも入場が可能です。

生と死が強烈に共存する「パシュパティナート寺院」

「パシュパティナート寺院」の本堂にはヒンドゥー教徒しか入れない

ヒンドゥー教の火葬場があるのが、「パシュパティナート寺院(Pashupatinath Temple)」です。ガンジス川の支流、聖なるバグマティ川が流れる沿岸が火葬場となっており、いつ訪れても絶えず白い煙が立ち上っています。日本のように火葬炉があるわけではなく、屋外で薪の上に遺体を置き、荼毘に付すからです。

ヒンドゥー教徒にとって、ここで荼毘に付され、遺灰をバグマティ川に流されることで、まっすぐに天国に行けるといわれています。

白い煙が途絶えることはない

このような場所が観光地だなんて、と思う方もいるかもしれませんが、輪廻転生を信じるヒンドゥー教徒たちと日本人との死生観は大きく異なります。

火葬をしている対岸には、何をするでもなくその煙を眺める庶民がいます。観光客目当ての物売りもいます。遺灰が流される川で洗濯をする人や水遊びをする子供もいますし、時には、野良牛までもが、煙を静かに眺めていることもあります。

火葬の様子を静かに見つめる野良牛

生と死が強烈に共存している不思議な空間で、みなさんは何を感じるでしょうか。

「パシュパティナート寺院」へ行くには、旅行者街タメル地区からタクシーで約40分です。入場料は1,000ルピーで、いつでも入場が可能です。ただし、「パシュパティナート寺院」の本堂は、ヒンドゥー教徒以外の立入りは禁止されています。

復旧作業が進む「カトマンドゥ・ダルバール広場」

修復中の「カトマンドゥ・ダルバール広場」(2018年6月撮影)

かつて王宮があり、趣のある古い建物が並んでいた「カトマンドゥ・ダルバール広場(Kathmandu Durbar Square)」。2015年4月25日の大地震で大きな被害を受け、たくさんの建物が倒壊しました。2年ほど手つかずのままでしたが、昨年より急ピッチで復旧作業が進められています。

大地震2日目の「カトマンドゥ・ダルバール広場」(2015年4月撮影)
復旧中の「カトマンドゥ・ダルバール広場」(2018年6月撮影)

建物の周りには防護ネットが張り巡らされ、足場が組まれた状態の建物ばかり。レンガや砂も積まれており、いかにも工事中といった光景です。

大地震2日目の「カトマンドゥ・ダルバール広場」(2015年4月撮影)
復旧中の「カトマンドゥ・ダルバール広場」(2018年6月撮影)

地震で亀裂が入った状態のまま、つっかえ棒をして支えられている建物も残っています。

亀裂が入った建物をつっかえ棒で支える(2018年6月撮影)

本来の姿が見られないのは残念ですが、これが、復興に向けて日々変わっていく、ありのままの姿です。ぜひ、「今」の様子を見てみてください。

「カトマンドゥ・ダルバール広場」へ行くには、旅行者街タメル地区から徒歩で約30分です。人力車を使えば約10分です。入場料は1,000ルピーで、いつでも入場が可能です。

「カトマンドゥ・ダルバール広場」からアサン周辺は人力車での観光も可

庶民の活気あふれる旧市街「アサン地区」

レンガ造りの建物が立ち並ぶアサン・チョーク

レンガ造りの建物が隣接し、細い入り組んだ路地があちらこちらに延びている、まるで迷路のような地区「アサン(Asan)」。庶民の買い物処でもあり、日用雑貨や衣料品を扱う店が所せましと並びます。

おみやげになりそうなものも、いろいろとあります。こちらは、宗教的儀式のときに使う銅や真鍮製の道具を扱う店。置物にいかがでしょか。

宗教的儀式で使う銅製の道具を扱う店

塊のままの岩塩も種類がたくさん。量り売りです。

塊のままの岩塩がゴロゴロ

民族衣装を扱う店もあります。既製品もありますので、旅行中に着用しながら、いろいろな所を観光しても楽しいかもしれません。

女性の民族衣装、サリーやクルタスルワルを扱う店

食料店には、日本人にもなじみのある「豆腐」や、川魚の「干物」も並びます。日本と似たような食材を見ると、親近感がわきます。

豆腐や保存食の発酵タケノコ
大小たくさんの川魚の干物

地元の人も誇らしげに着る「 I ♥ Nepal 」と印刷されたTシャツ。これを着て街を歩くと、ネパールの人たちが喜んでくれます。デバナガリ文字が印刷されたTシャツは、おみやげにいかがでしょうか。

「アサン地区」へ行くには、旅行者街タメル地区から徒歩で約20分です。「カトマンドゥ・ダルバール広場」を北上すると、徒歩約10分で到着します。

おみやげになりそうなTシャツもいっぱい

いかがでしたか。なんと、紹介した5ヵ所は、1日もあれば充分にまわることができます。初めてのネパール・カトマンドゥ。滞在日数が短い方でも、この5ヵ所さえ訪れることができれば、「カトマンズに行ってきた!」と自信を持って語ることができるでしょう。

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