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ワインとデザインが出会ったら……。「ワインボトルやエチケット(ワインのラベル)のデザインも大切ですが、ワイン製造に使用されるあらゆるものを機能的に、そしてオシャレにリサイクルできないだろうか」。ワインをこよなく愛する一人の女性の熱い想いから、すばらしいプロジェクトが誕生しました。イタリアを代表する高級赤ワイン、バローロの5大生産地のひとつモンフォルテ・ダルバ(イタリア・ピエモンテ州)の新たな試みを紹介します。
リサイクル・ ワイン ・デザイン(Recycled Wine Design)の頭文字からなる「ReWineD®」という新しいプロジェクト発表会が、イタリアのピエモンテ州のワイナリー「ヨゼッタ・サッフィーリオ(Josetta Saffirio)」にて開催されました。「ヨゼッタ・サッフィーリオ」は、バローロの5大生産地のひとつであるモンフォルテ・ダルバ(Monforte d’Alba)にある、名うてのワイナリーです。
この「ReWineD®」というプロジェクトは、「ワイナリーで使わなくなった瓶、ワインの木樽、段ボールなどを、形を変えて有効利用できないか」と、サラ・ヴェッツァ・サッフィーリオ(Sara Vezza Saffirio)さんのアイディアから始まりました。サラさんは、会場となったワイナリー「ヨゼッタ・サッフィーリオ」の責任者でもあります。
「ReWineD®」は、葡萄畑の景観が世界遺産に認定されているイタリア・ピエモンテ州のワイナリーとトリノにあるデザイン学校がコラボレーションして、開催されました。デザイン学校に通う30歳以下の生徒さんが「ReWineD®」にエントリーし、最終的に4点の作品が審査の対象となりました。
審査員には、モンフォルテ・ダルバ(Monforte d’Alba)の市長さんや建築デザイナーなど、そして、食の部門ではフードスタイリストとして、筆者も招待されました。
「ReWineD®」の栄えある優勝作品には、通学2年目の女生徒2名の作品が選ばれました。バローロの木樽をリサイクルした照明(ランプ)です。こちらの作品のテーマは、記事の最初にある「ワインとデザインが出会ったら……。」です。
トリノ近郊に住む女生徒2人には、奨学金が付与されることが決まりました。奨学金の話を聞き、女生徒2人は大喜びの様子です。
次代に向けて、ますます課題となるであろうリサイクルとエコ。「直面する若い世代だからこそ、正面から取り組み、そのチャンスを与えたかった」と、サラさんは語ります。
ほのぼのした小人のエチケット(ワインのラベル)が印象的な、「ヨゼッタ・サッフィーリオ(Josetta Saffirio)」のワイン。アルバ醸造大学の教授であったサラさんのお母様、ヨゼッタ(Josetta)さんによる手書きのエチケットなのです。
5世代に渡り受け継いできたこちらの畑は、ヨゼッタさんの代になってから、本格的にワイナリーとして始動したそうです。そして、現在のサラさんの代になってからは、環境にもより気を配るワイナリーへと進化していきます。近い将来、ぜひとも実施してみたいと希望している新たな試みもあり、今後がますます楽しみなワイナリーです。
いかがでしたか。王様のワインとも讃えられる、バローロの5大生産地のひとつモンフォルテ・ダルバへは、トリノから車で約1時間です。ミラノからは約2時間30分。世界遺産のワイナリー巡りを、次回の旅行にプラスしてみてはいかがでしょうか。